益子駅は、民藝ワンダーランドの入口だ──駅からはじまった、民藝の手仕事の街サイクリング/旅先で見つけた身近な違和感
「あれ?私、民藝を知らなかったかもしれない。」
益子駅を出た瞬間、そう思いました。
民藝(みんげい)とは、
名もなき人々の手から生まれ、日々の暮らしの中で使われる工芸の美を指す言葉です。
1920年代に提唱され、中心人物の一人が
濱田庄司 でした。
濱田庄司が拠点を構えた町が「益子」です。
彼が活動したことで、益子は「用の美」を体現する陶芸の町として全国に知られるようになりました。
つまり、
益子は、民藝という思想が根づき、今も暮らしの中で息づいている場所。
知っていたはずでした。
民藝という言葉も、益子という地名も歴史も、教科書の知識も。
でも陳腐だけれど
益子駅に降りた途端、
“知識”と“体験”は圧倒的に違う、
ここまでくれば
知識を体験に変わると感じました。
益子駅は、民藝の世界のスイッチだ

益子駅は、大きな駅ビルも改札内店舗もない、小さな駅です。
真岡鐵道の素朴なホーム。低い屋根。静かな空気。
けれど、この駅は特別です。
益子駅は、日常から民藝ワンダーランドへ切り替わるスイッチという意味で。
改札を出た瞬間、空気がやわらかい。
不思議の世界へつれていく風が吹いてくる。
焼き物の町らしい落ち着いたふわっとした風。


派手さはないのに、胸が高鳴る。
「これから何かが始まる」
そんな予感が、駅前に漂っています。
ペダルを踏むたびに、世界が変わる
駅前でレンタル自転車を借りました。
足をペダルにのせて、ひと漕ぎ。

その瞬間、旅が“観光”から“冒険”に変わりました。



窯元、陶器店、カフェ、道祖神。
通り沿いに点在する手仕事の気配。
楽しい、楽しい、楽しい。
観るもの全部が、民藝、民藝、民藝、
街自体が、民藝、民藝、民藝。
民藝って、土地に宿るんだ。
民藝は「土地」と切り離せない。
頭では知っていた。
今は、痛切にわかる、
これは「来た」から「感じた」。
「展示」ではなく「呼吸」している町
ここで感じた違和感。
私は、どこかで
「民藝は展示されるもの」だと思っていた。
けれど益子ではそれとは全然違う!
民藝はショーケースの中にあるのではなく、
日常の中で息をしている。
たとえば、
陶芸体験教室よこやま
濱田庄司記念益子参考館
日下田藍染工房
そして、益子の民藝を語る上で欠かせない
・濱田庄司記念益子参考館
陶芸体験教室よこやま
まずはここから。





一見、おしゃれな体験陶芸村のような場所。
かわいい器が並ぶお店、パン屋さん、陶芸体験、レストラン。
どこを見てもフォトジェニックな日本の美しい「村」。
粘土をこねる。
ろくろを回す。
焼き上がるのを待つ。
時間そのものが、体験になる。
お店や体験スポットのインテリアや食器や花瓶はすべて益子焼。
おしゃれ!楽しい!益子の街のなかの、陶芸テーマパークのような村。
濱田庄司
続いて濱田庄司記念益子参考館。
前を自転車で通りすぎようとして、
何かにひかれるように自転車を止めた。
何か、、、「パワーを感じる」!






一歩足を踏み入れる。
やばい、やばい、やばい、
美術館で見るようなものが日常生活の一部として
ここにはある。
民藝っぽいインテリアとは全く違うパワーを発散してる。
作品として見るんじゃない。
そして、今見ても、最高にファンキーでおしゃれだ!
日下田藍染工房
ここも、大きな道路の交差点で目に入ったときから、
光っていた。



地面に埋められた藍染の壺からたちあがる
「藍」の香り。
腰がまがった年老いた人が目に入る。
こちらには目もくれず
黙々と作業を続けている。
毎日毎日毎日毎日、
目の前のものに向かう。
それも民藝の特徴だと知っていても、
ここでこの人に出会わなかったら、
その時間を過ごすということが
わたしに向かってくることはなかったと思う。
駅から降り立ち、
街を自転車で回り、
毎日目の前のものと向き合いつくり続ける人と同じ空間にいて、
自分でも手で形をつくる体験をしてみる
その流れすべてが、益子の物語でした。
再開発されない強さ
今、多くの駅が再開発で姿を変えています。
便利に、均一に、似た顔に。
けれど益子駅は違う。
益子駅は、町の哲学を守る駅だ。
土の匂いとともに迎えてくれる、変わらない入口。
この駅があるから、
この町はぶれない。
そう思いました。
帰りの電車で、手に残っていたもの
帰りの電車に乗るとき、
手にはまだ粘土の感触が残っていました。
ただの観光ではなかった。
駅が、私を
「民藝を知っている人」から
「民藝を感じた人」へ連れていってくれた。
あなたの駅は、どんな世界の入口ですか?
益子駅は、行くだけで楽しい駅です。
でもそれ以上に、
世界を変えてくれる駅でした。
あなたの好きな駅は、
どんなワンダーランドへ連れていってくれますか?
旅は、駅から始まります。
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