「闇夜に刻まれた印」第三十七章:夜明けの前に/《烙印於黑夜之印》第三十七章:天明之前(和訳付き)
はじめのあなたに
作者便り(26年7月)
前篇
日本語訳
【第三十七章 夜明けの前に】
深夜。
カルダは、闇夜騎士団によって地方騎士団本部から連れ出された。
反逆罪への関与。
王女殿下直筆の命令書。
手枷と目隠し。
そして、街を離れていく漆黒の馬車。
自分が何をしたのか。
どこへ連れて行かれるのか。
夜が明けた時、
自分はまだ生きているのか。
何一つ分からないまま、
カルダはただ車輪の音を聞き続ける。
今でも、何が何だか分からない。
あの夜。
私はベッドに横になりながら、
ようやく今週の夜勤も終わったな、と考えていた。
最近は毎朝剣の稽古をしたくて、
団長と夜勤を交代してもらっていた。
病気の奥さんのそばにいてもらえれば、という気持ちもあった。
これでやっと、
また酒場にも顔を出せるかな。
あまりにも顔を見せていなかったから、
あいつらも、私が仕事で倒れたんじゃないかって心配してるかもしれない。
それから――
あの旅人。
クレア。
あの日、
つい不用意に、あいつの傷に触れてしまった。
あれ以来、
どう接すればいいのか、今でも分からない。
気になって仕方がなくて、
結局、ブールには「リゼ」という人物を調べてもらうよう頼んでしまった。
今思えば――
あれは、あまり賢い判断じゃなかったのかもしれない。
はあ……。
本当に本人と顔を合わせたら、
きっと私は、胸を張って話しかけることなんてできないだろう。
そう思いながら、
目を閉じようとした、その時だった。
――コンコン。
不意に、部屋の外から扉を叩く音が響く。
「副団長、ブールです。」
こんな時間に?
私は眉をひそめながら、ゆっくりと身を起こした。
ブールが言うには、
私に会いたい人が来ているらしい。
しかも――
闇夜騎士団の人間だという。
あの噂の。
夜中に人を連れて行き、
夜が明ける頃には、
その場に血痕だけが残るという、
闇夜騎士団。
……
その瞬間。
私の眠気は、一気に吹き飛んだ。
何かがおかしい。
そう思いながらも、
私は身なりを整え、階下へ降りた。
玄関には二人が立っていた。
一人はメイド服姿の女性。
だが、その腰には剣が佩かれている。
もう一人は、
淡い紫色の制服をまとった青年だった。
黒いセーラー襟。
見たところ、
騎士見習いだろうか。
二人の胸元には、
同じ徽章が付けられていた。
黒地に。
銀の縁取り。
そして、流星。
公文書で一度だけ目にしたことがある。
だが、
見間違えるはずがなかった。
――闇夜騎士団。
……
どうして?
こんな辺境の街に、
どうして闇夜騎士団が来るんだ。
しかも――
私を訪ねて?
私の視線は、
無意識のうちに騎士見習いへ向いていた。
仮面を着けている。
顔は見えない。
それなのに、
なぜだろう。
どこかで見たことがある気がした。
……
まさか。
心臓が大きく跳ねる。
クレア?
いや。
そんなはずがない。
私はすぐにその考えを打ち消した。
だけど……
見れば見るほど、
似ている。
私は黙って視線を逸らした。
頭の中に浮かんでいたのは、
ただ一つ。
……
終わった。
私、
とんでもない相手を怒らせちゃったんじゃないだろうか。
「カルダ・スレネ副団長でお間違いありませんか。」
メイド姿の女性が、
私を見つめながら冷たく口を開いた。
その声は、
思わず背筋が寒くなるほど冷たい。
まるで、
命を奪いに来たようだった。
「……はい。」
「私がカルダ・スレネです。」
私は必死に声を落ち着かせようとした。
だけど……
震えが止まらない。
どうしても、
止められなかった。
彼女は懐から命令書を取り出し、
静かに広げる。
「私たちは闇夜騎士団です。」
「こちらは、王女殿下ご署名の命令書になります。」
「あなたには反逆罪に関わる事件への関与の疑いがあります。」
「王都まで同行していただきます。」
私の視線は、
封蝋に刻まれた印章へ吸い寄せられた。
普段目にすることは滅多にない。
それでも、
見間違えるはずがない。
間違いなく、
王女殿下の印章だった。
……
私が?
反逆罪?
頭の中が、
一瞬で真っ白になる。
いや……
いやいや。
たしかに、
クレアを怒らせたかもしれないけど。
だからって、
反逆罪になるなんてことある?
……待って。
あのリゼって、
いったい何者なんだ?
王族?
どこかの大貴族の令嬢?
それとも――
闇夜騎士団で、
名前を口にすることすら許されない人物だったのか?
私は……
ただブールに、
少し調べてもらっただけなんだけど?
頭の中は、
もう焼き切れそうだった。
それなのに、
口からようやく絞り出せたのは、
たった一言だけだった。
「待ってください、私は――」
だが、
最後まで言い終えることはできなかった。
「何を言ってるんですか!」
「副団長がそんなことをするはずないでしょう!」
怒鳴り声が、
私の言葉を強引にかき消した。
私は思わず振り返る。
先月入団したばかりの、
あの新人だった。
今にも飛びかかっていきそうな勢いだ。
(あの馬鹿!)
危うく声に出してしまいそうになる。
自分一人が死にたいならまだしも。
騎士団まで巻き込むつもりか!
こんなところで本当に手を出したら――
私が反逆罪じゃなかったとしても、
今度こそ本当に反乱になっちゃうじゃないか!
幸いだった。
ブールが一瞬で飛び出し、
後ろから彼を羽交い締めにすると、
そのまま無理やり団舎の中へ引きずっていった。
あいつは最後まで大声で叫び続けていたけど。
少なくとも――
本当に剣を抜くことはなかった。
私はようやく胸を撫で下ろす。
そして振り返った、その時。
……
二人とも、
もう剣の柄に手を添えていた。
心臓が、
一瞬止まったかと思った。
……よかった。
まだ、
剣は抜かれていない。
私は慌てて笑顔を作る。
「お、お見苦しいところをお見せしました。」
「申し訳ありません……」
自分でも分かる。
声が、
情けないくらい震えていた。
「彼は先月入団したばかりで……少し血の気が多いだけなんです。」
「どうか、お気になさらないでください。」
……どうやら。
私にできることは、
最後まで素直に従うことだけらしい。
せめて、
さっきの騒ぎを咎めないでくれればいいんだけど。
私は小さく深呼吸した。
「一つ、お聞きしてもよろしいでしょうか。」
「……どの事件について、なのでしょうか。」
メイド姿の女性は、
相変わらず冷たい口調のまま答えた。
「詳細は。」
「王都到着後にご説明いたします。」
……
やっぱり。
何を聞いても教えてはもらえない。
私は静かに息を吐いた。
こうなってしまった以上、
もう運を天に任せるしかない。
ただ……
この騎士団の制服のまま連れて行かれるのは、
さすがにちょっと……。
私は意を決して口を開いた。
「同行します。」
「ですが……着替える時間だけでもいただけませんか。」
「せめて、この制服だけでも――」
「このまま出発します。」
言葉を遮られた。
その声は、
もはや冷たいというだけではない。
わずかな苛立ちさえ滲んでいるようだった。
……
本当に、
状況はまずそうだ。
「……承知しました。」
私はすぐに答えた。
覚悟が決まったからだろうか。
さっきまでより、
声は不思議と震えていなかった。
そして――
私はこっそり、
隣に立つ騎士見習いへ目を向けた。
……
ものすごく驚いた顔をしている。
いや。
君、
この人の相棒じゃないの?
どうして本人より、
君のほうが驚いてるんだ?
メイド姿の女性の視線が、
私の腰へ向いた。
彼女は私の剣帯を指差し、
短く言った。
「手順です。」
……
そうだよね。
逮捕された人間が、
武器を持ったままでいられるわけがない。
ちょうどその時、
ブールもあの新人を取り押さえ終え、
こちらへ戻ってきた。
私は黙って剣帯を外し、
彼へ手渡す。
「少し預かってて。」
私は無理やり笑顔を作った。
「すぐ戻るから。」
そう言って、
軽く彼の肩を叩く。
「団のことは、しばらくお願い。」
「副団長……」
ブールは何か言いかけた。
けれど、
結局何も言えなかった。
……
本当は。
自分でも分かっていた。
あれは、
ただの空元気だった。
だって、
自分がまたここへ戻って来られるなんて、
そんな保証はどこにもない。
相手は――
闇夜騎士団。
しかも、
反逆罪の容疑で連れて行かれるんだ。
きっと、
事態は私が思っている以上に深刻なんだろう。
そう考えていた、その時。
「両手を前へ。」
相変わらず、
感情を一切感じさせない冷たい声が響く。
……
やっぱり。
手枷も掛けられるんだ。
私は黙って両手を差し出した。
彼女の動きは、
驚くほど速かった。
迷いなんて、
まるで感じられない。
――カチリ。
手枷は、
あっという間に私の手首へ掛けられた。
あまりにも手慣れた様子で、
少し怖くなるくらいだった。
私は思わず、
拘束された両手へ目を落とす。
……
まさか。
騎士団の制服を着たまま、
自分が手枷を掛けられる日が来るなんて。
恥ずかしくないと言えば、
嘘になる。
だけど……
今でも私は分からない。
自分が、
いったい何をしたというんだろう。
その時だった。
彼女は腰の小袋から、
黒い目隠し布を取り出した。
そして、
ゆっくりと私の後ろに回る。
……
目まで隠すんだ。
さすがは闇夜騎士団。
私は黙って目を閉じた。
その時だった。
耳元で、
小さな囁き声が聞こえた。
「少し目を閉じてください。」
「巻く時に当たると危ないですから。」
……
その声は、
さっきまでとは別人みたいに優しかった。
ほんの一瞬。
私は思った。
さっき、
私に手枷を掛けた人と。
今、
後ろに立っている人は――
本当に同じ人なんだろうか、と。
そのあと、
目隠し布が後ろで優しく結ばれる。
私はゆっくり目を開けた。
薄く差し込む光以外、
視界はすっかり闇に包まれていた。
すると今度は、
左腕に柔らかな力を感じる。
誰かが、
そっと腕を取った。
「参ります。」
聞こえてきたのは、
またあの冷え切った声だった。
……
やっぱり。
さっきの言葉は、
聞き間違いだったんだろう。

数歩歩くと、
足元の高さが変わった。
……馬車だ。
乗るんだろう。
踏み台を探ろうとした、その時。
そっと体を支える力が添えられた。
まるで導くように、
私をゆっくりと馬車へ乗せてくれる。
そのまま、
座席へ腰を下ろすところまで支えてくれた。
……
実は、
少しも乱暴じゃない。
それどころか――
少し優しいくらいだった。
これが、
闇夜騎士団のやり方なんだろうか。
私はそんなことを考えながら、
周囲の様子を頭の中で整理していた。
左には、
たぶんあのメイド。
向かいには――
おそらく、
あの騎士見習い。
危うくまた、
クレアって呼びそうになった。
……
いや。
そんなはずない。
私は黙って、
その考えを心の奥へ押し戻した。
その時だった。
馬車がゆっくりと動き出す。
ほどなくして速度を上げ、
街の中を駆け抜けていく。
……
ずいぶん飛ばすな。
しばらく馬車に揺られていた。
石畳を車輪が転がる音だけが、
一定のリズムで耳へ届く。
そして最後に、
馬車はどこかで静かに止まった。
続いて、
窓が開く音が聞こえる。
「命令書を拝見してもよろしいでしょうか。」
少しかすれた男の声だった。
……
団長?
私は思わず息をのんだ。
どうして?
病気の奥さんの看病をするために、
今週は夜勤を代わってもらったはずなのに。
まさか――
誰かが知らせたの?
もしそうだとしたら……
ここは、
城門だ。
そのあと、
紙を広げるさらりという音が聞こえた。
丸められていた命令書が開かれ、
誰かへ手渡されたのだろう。
……
団長。
どうか、
馬鹿なことだけはしないでください。
普段の事務手続きは、
たいてい私が担当しています。
それでも……
こういう命令が何を意味するのかくらい、
団長だって分かっているはずです。
封蝋が本物である限り――
誰にも、
止めることはできない。
しばらくして、
命令書を巻き直す音が聞こえた。
続いて、
短い沈黙が訪れる。
ほんの数秒のはずなのに。
その時間は、
まるで一日中続いたように長く感じられた。
そして最後に。
団長の低い声が、
はっきりと耳へ届く。
「……通してくれ。」
車窓が閉じられる。
馬車は再び、
ゆっくりと動き始めた。
……
私はようやく、
小さく息をつくことができた。
少なくとも。
騎士団まで巻き込まずに済んだ。
その後、
車輪の振動が少しずつ大きくなっていく。
石畳ではない。
……街を出たんだ。
私は心の中で、
静かに時間を数えた。
城門を抜けた以上、
少なくとも……
もう騎士団に迷惑はかけずに済む。
安心したからなのか。
それとも、
ここ数日の疲れが一気に出たのか。
まぶたが、
少しずつ重くなっていく。
……
まあ。
もし本当に死ぬんだったら――
せめて、
最後くらいは眠っておこう。
夢の中で――
私は馬車を降りた気がした。
目隠しは、
まだ外されていない。
何も見えない。
それなのに、
耳にはずっと梟の鳴き声が響いていた。
たぶん……
まだ夜は明けていない。
誰かが、
私の肩に手を置く。
そして、
ゆっくりと地面へ跪かせた。
その時だった。
しゃがれた男の声が響く。
「国賊、カルダ。」
「最後に言い残すことはあるか。」
私は、
何かを口にした気がする。
けれど。
その言葉は、
自分の耳にさえ届かなかった。
そして――
首筋に、
ひやりと冷たい感触が触れた。
……
私は勢いよく目を覚ました。
「初めて見ました。」
すぐ隣から、
聞き慣れたあの冷たい声が聞こえる。
「王都へ護送される途中で、
眠れる人なんて。」
……
しまった。
本当に寝ちゃってた。
「そんなこと言わないでくださいよ。」
向かいの騎士見習いが、
すぐに取りなすように口を開く。
「ここ数日、
きっとお疲れだったんですよ。」
……
その声。
やっぱり、
よく似ている。
それから、
どれくらい時間が経っただろう。
馬車はゆっくりと止まった。
扉が開く。
その時だった。
耳元で、
澄んだ金属音が響いた。
――カチャリ。
……
佩剣だ。
続いて、
あのメイドが静かな声で言った。
「では。」
「片付けましょう。」
……
まさか……
胸が、
どくりと大きく脈打つ。
次の瞬間、
私は再び馬車から降ろされた。
……
ああ。
やっぱりか。
せめて……
騎士団のみんなの前じゃなかっただけ、
まだよかった。
そう思った、その時。
足の裏に伝わる感触が変わった。
土ではない。
石畳でもない。
むしろ……
建物の中へ入ったような感触だった。
……
部屋の中?
それでもいい。
せめて……
野ざらしにはならずに済む。
そう思ったら。
私はなぜだか、
少しだけ肩の力が抜けた。
それから、
誰かに支えられながら椅子へ座らされた。
そして、
後ろで目隠しがゆっくりとほどかれる。
「ゆっくり目を開けてください。」
耳元で、
聞き慣れた声がした。
「少しずつ光に目を慣らしてください。」
……
また、
あの声だ。
さっきも……
やっぱり、
聞き間違いじゃなかったんだ。
私はゆっくりと目を開いた。
最初はまだ、
視界がぼんやりと霞んでいる。
少しずつ光に慣れていき、
景色がはっきり見えるようになった。
最初に目に飛び込んできたのは――
あの騎士見習いだった。
彼は私の前に膝をつき、
手枷を外している。
――カチャリ。
錠が外れる音が響く。
その次の瞬間。
ふわりと、
いい香りが鼻をくすぐった。
……
スープ。
それに――
焼きたてのパンの香り。
……
私は、
呆然とした。

***
クレアがカルダの手枷を外し終えると、
彼女はただ呆然と、
目の前のテーブルを見つめていた。
湯気が、
静かに立ち上っている。
そこにあったのは、
一杯の温かなスープ。
そして、
焼きたてのパンが盛られた籠だった。
「こ……これは……」
カルダは、
すぐには状況が理解できなかった。
「朝食です。」
ヴィーシャは、
いつもどおり簡潔に答える。
けれど、
騎士団にいた時の、
あの感情をまるで感じさせない口調とは違う。
今の声は、
どこか柔らかかった。
カルダはしばらく呆然としていたが、
やがてゆっくりと顔を上げた。
そして、
店内を見回す。
広い店内には、
彼ら以外の客は一人もいない。
川沿いの窓から差し込む朝日が、
テーブルのスープを淡い金色に照らしていた。
反対側の扉や窓はすでに閉められ、
辺りは静まり返っている。
耳を澄ませば、
川の流れる音さえ聞こえてきそうだった。
どうやら、
貸し切りにしてあるらしい。
「私……
処分されるんじゃなかったの?」
思わず口をついて出たその言葉に、
ヴィーシャは顔を上げ、
カルダを見つめた。
その表情には、
戸惑いにも似た色が浮かんでいた。
まるで――
「何を言っているんですか?」
そう問い返しているかのようだった。
「てっきり……」
カルダはパンを手に取った。
その手は、
まだ少し震えている。
「そうでしたか。」
ヴィーシャは、
湯気の立つ紅茶を彼女の前へ静かに置いた。
「以前は、
そういうこともありました。」
カルダの動きが、
ぴたりと止まる。
「ヴィ……」
クレアは思わず口を開きかけた。
けれど、
すぐに言葉を飲み込む。
任務中は、
互いの素性を明かしてはいけない。
それは分かっている。
それでも、
さすがに少し見ていられなかった。
……
もっとも。
ヴィーシャに脅かそうというつもりは、
たぶんない。
彼女はただ、
事実をそのまま口にしているだけなのだ。
「ですが、
対象に抵抗や逃亡のおそれがある場合――」
ヴィーシャは一度言葉を切ると、
少しだけ声を落とした。
「あるいは……
『粛清』対象と判断された場合は。」
「そのまま墓地へ向かいます。」
そう言って、
カルダへ視線を向ける。
「ですが、
あなたは違います。」
カルダは、
危うく取り落としかけたパンを、
黙って持ち直した。
なぜだろう。
話を聞き終えても、
少しも安心できた気がしなかった。
クレアは黙って、
ティーカップを手に取る。
そして、
ようやく理解した。
どうして王女が、
この任務にヴィーシャを選んだのか。
彼女は決して、
相手を脅したりはしない。
ただ、
事実を静かに告げるだけだ。
……
その言葉を聞いた相手が、
何を想像するかは、
それはまた、別の話だった。
そして今日に至るまで――
「夜中に連れて行かれた者は、
夜が明けたら墓地で見つかる。」
その噂は、
少なくとも、すべてが作り話というわけではなかった。
闇夜騎士団の怖さ
以上の翻訳は ChatGPT による翻訳文をもとに、自ら校正・監修した形でお届けしています。
もし文体や語調などに不自然な箇所がありましたら、ぜひご指摘いただけますと幸いです。
ご感想やご質問などございましたら、コメント欄にてお知らせください。できる限りお返事させていただきます。
改めまして、本作品をお読みいただき、誠にありがとうございます。

中国語本文
第三十七章 天明之前
深夜。
卡爾妲被闇夜騎士團帶離了騎士團本部。
叛國罪的嫌疑。
王女親自簽署的命令。
手枷、遮眼帶,以及駛出城門的漆黑馬車。
她不知道自己究竟做錯了什麼。
也不知道,當天色亮起時,
自己是否還能活著看見王都。
在什麼都無法確認的黑暗裡,
她只能聽著車輪前進的聲音,
一步步走向流星所指引的地方。
我到現在,還是覺得莫名其妙。
晚上,我躺在床上, 本來還想著,這週的夜班總算結束了。
因為最近想每天早上去練劍, 就和團長換了這一週的夜班, 也順便讓他回去陪陪生病的妻子。
接下來, 應該去酒館露個臉了吧。
太久沒去, 那群人大概又要擔心我是不是忙到倒下了。
還有……
那個旅人。 克雷亞。
那天不小心戳到他的傷疤, 直到現在,我還是不知道該怎麼面對他。
雖然實在太好奇, 還是偷偷叫布爾去查了那個叫「莉潔」的人。
現在回想起來。
那好像不是什麼聰明的決定。
唉……
現在真要見到本人,
我大概還是沒辦法理直氣壯地開口。
正當我準備閉上眼睛時,
門外突然傳來敲門聲。
「副團長,我是布爾。」
這個時間?
我皺了皺眉,坐起身。
布爾說, 有人找我。
而且——
是闇夜騎士團的人。
那個傳聞中, 半夜把人帶走, 天亮只剩下血跡的闇夜。
……
我整個人,瞬間清醒了。
感覺有點不對勁。
但我還是整理了一下衣服,下了樓。
門口站著兩個人。
一位穿著女僕服,腰間卻佩著劍。
另一位,則是一身淡紫色制服的青年,
披著黑色的衣襟。
應該是見習騎士吧。
兩人的胸前,都別著同樣的徽章。
黑底。
銀邊。
流星。
雖然我只在公文上看過一次。
但絕對不會認錯。
——闇夜騎士團。
……
為什麼?
這種邊境城市,怎麼會驚動闇夜?
而且……
還是來找我?
我的目光,下意識落到那名見習騎士身上。
他戴著面具。
看不見長相。
可是,不知道為什麼。
總覺得……
好像在哪裡見過。
……
不會吧。
我的心臟猛地跳了一下。
克雷亞?
不。
怎麼可能。
我立刻把這個念頭壓了下去。
可是……
越看越像。
我默默把視線移開。
心裡卻只剩下一個念頭。
……完了。
我是不是,惹到什麼不得了的人了?
「是副團長,卡爾妲.斯雷涅嗎?」
那位女僕看著我,冷冷地開口。
那語氣冷得嚇人。
簡直像來索命的一樣。
「是,我是卡爾妲.斯雷涅。」
我努力讓自己的聲音保持平穩。
可是……
還是在發抖。
怎麼樣都停不下來。
她從懷中取出一份文件,緩緩展開。
「我們是闇夜騎士團。」
「這是王女殿下簽署的命令。」
「妳因涉嫌叛國罪案件,請跟我們回去協助調查。」
我的目光落在那枚火漆印上。
雖然平常很少見。
但我認得。
那確實是王女的印章。
……
我?
叛國罪?
我的腦袋瞬間一片空白。
就算……
就算我真的惹到了克雷亞。
也不至於叛國吧?
等等。
那個莉潔,到底是誰?
王室的人?
某個大貴族的千金?
還是……
闇夜騎士團裡,不能隨便提起的人?
我只是叫布爾去查一下而已啊?
我的腦袋幾乎快燒起來了。
可是,嘴裡卻只擠得出一句:
「等等,我——」
然而,我的話還沒說完。
「你們在說什麼!副團長不可能做那種事!」
一聲怒吼,硬生生打斷了我。
我猛地回頭。
是那個上個月才剛入團的新人。
他一副準備衝上來的樣子。
(那個笨蛋!)
我差點直接罵出聲。
你是想害死自己就算了。
是想把整個騎士團一起拖下水嗎?
這種時候要是真動了手……
我就算本來沒有叛國。
也要變成造反了啊!
還好。
布爾一個箭步衝了上去,從後面把人死死勒住,硬是拖回團部。
雖然那傢伙一路還在大吼大叫。
至少……
沒有真的拔劍。
我才剛鬆了一口氣。
回頭一看。
……
那兩個人的手。
都已經放在劍柄上了。
我的心臟差點停了一拍。
還好,劍還沒出鞘。
我趕緊擠出笑容。
「讓、讓你們見笑了。」
「沒事,沒事……」
我自己都聽得出來。
我的聲音,抖得不像話。
「他上個月才剛入團,年輕氣盛了點。」
「請兩位……不要放在心上。」
看來……
我也只能完全配合了。
希望他們不要計較剛才那場騷動。
我深吸了一口氣。
「我可以問一下……是什麼案件嗎?」
那位女僕依舊冷冷地回答:
「相關事項,抵達王都後會說明。」
……
果然。
什麼都問不出來。
我輕輕吐出一口氣。
事到如今,也只能聽天由命了。
只是……
穿著騎士團的制服,被這樣帶走。
實在有點……
於是,我還是硬著頭皮開口:
「我跟你們走,可是……可以讓我換一下衣服嗎?」
「至少,把制服——」
「現在就走。」
她打斷了我。
那語氣,已經不只是冰冷。
甚至帶著一絲不耐。
……
情況真的不太妙。
「好的。」
我立刻回答。
不知道是不是認命了。
聲音反而沒有剛才那麼抖。
然後。
我偷偷瞄了一眼旁邊那位見習騎士。
……
他一臉震驚。
不是。
她不是你的搭檔嗎?
怎麼反而是你被嚇到了?
女僕的目光掃向我的腰間。
她指了指我的劍帶。
「程序。」
……
當然。
被逮捕的人,怎麼可能還能帶著武器。
剛好布爾也處理完那個新人,走了過來。
我默默解下劍帶,交到他手上。
「幫我保管一下。」
我努力擠出一個笑容。
「我去去就回來。」
接著又拍了拍他的肩。
「團上的事,先交給你了。」
「副長……」
布爾張了張嘴,卻什麼也沒說。
……
其實。
我自己也知道。
那只是強顏歡笑。
因為我根本沒有把握。
自己還能不能回來。
畢竟……
這是闇夜。
而且還是以叛國罪的名義把我帶走。
事情,大概真的很嚴重。
正想到這裡。
「雙手伸出來。」
那位女僕依舊用冰冷得毫無起伏的聲音命令道。
……
果然。
還是要戴上手枷。
我默默伸出雙手。
她的動作快得驚人。
幾乎沒有半點遲疑。
「喀。」
手枷俐落地扣在我的手腕上。
熟練得讓人有點害怕。
我下意識抬起雙手,看了一眼。
……
真沒想到。
有一天,我竟然會穿著騎士團的制服,被人戴上手枷。
說不丟臉,那一定是騙人的。
可是……
我到現在,還是不知道。
自己到底犯了什麼。
就在這時。
她又從腰間取出一條黑色遮眼帶。
慢慢走到我的身後。
……
連眼睛都要遮。
果然是闇夜。
我默默閉上眼。
耳邊,卻忽然傳來一句很輕的低語。
「眼睛先閉起來。」
「免得等一下弄到。」
……
那聲音。
溫柔得不像剛才那個人。
那一瞬間。
我甚至懷疑。
剛才命令我戴上手枷的人,
和現在站在我身後的人——真的是同一個人嗎?
之後,我感覺到遮眼帶在腦後被輕輕繫緊。
再次睜開眼時,
除了些微透進來的光線之外,
眼前已經是一片漆黑。
緊接著,
左手臂傳來一股柔和的力道。
有人挽住了我的手。
「走了。」
還是那個冷冰冰的聲音。
……
剛才那句提醒,
果然是我聽錯了吧。

走了幾步之後,
腳下的高度變了。
應該是要上馬車了。
正想試著摸索踏板的位置時,
一股力量輕輕扶住了我,
幾乎是引導著我跨了上去。
接著,又扶著我慢慢坐到座位上。
……
其實。
一點也不粗魯。
甚至……
還有點溫柔。
這就是闇夜的作風嗎?
我一邊想著,
一邊試著整理周圍的情況。
左邊,
應該還是那位女僕。
對面……
應該是那位見習騎士。
差點又叫成克雷亞了。
……
不。
怎麼可能。
我默默把那個念頭壓了回去。
就在這時,
車輪開始轉動。
馬車很快便奔馳起來。
……
開得還真快。
馬車行駛了一段時間。
車輪輾過石板路的聲音,
一下、一下地傳進耳裡。
最後,
在某個地方停了下來。
接著,
傳來車窗被打開的聲音。
「我可以看一下命令嗎?」
那是一個有些沙啞的聲音。
……
團長?
我愣了一下。
怎麼會?
他不是應該在家照顧生病的妻子嗎?
難道……
有人去通知他了?
如果是這樣,
這裡……
應該就是城門了。
接著,
耳邊傳來紙張摩擦的沙沙聲。
像是有人把卷好的命令展開。
又遞了出去。
……
團長。
你可千萬不要做傻事啊。
雖然平常行政程序大多是我在處理,
可是……
這種命令,
你不可能不懂。
只要那枚火漆是真的。
誰也不能攔。
沒多久,
又傳來紙張收回的聲音。
接著,
是一陣短暫的沉默。
那幾秒,
漫長得像過了一整天。
最後,
我聽見團長壓低聲音,
卻又清楚無比地說了一句。
「放行。」
車窗重新關上。
馬車再次緩緩前進。
……
我終於,
輕輕鬆了一口氣。
至少。
沒有把整個騎士團一起拖進來。
之後,車輪下的路開始變得顛簸起來。
應該是出城了吧。
我默默在心裡算了一下。
既然已經通過城門,
至少……應該不會連累騎士團了。
不知道是不是終於鬆了一口氣,
也可能只是這幾天真的太累了。
眼皮越來越重。
……
反正。
如果真的要死,
至少先睡飽吧。
夢裡。
我好像下了馬車。
雖然雙眼依舊被遮住,
什麼都看不見,
耳邊卻一直傳來貓頭鷹的叫聲。
應該……
還沒天亮吧。
有人按著我的肩膀。
讓我跪到地上。
接著,
一道粗啞的男聲響起。
「叛徒卡爾妲。」
「妳有什麼遺言嗎?」
我好像說了什麼。
可是,
連我自己都沒有聽見。
然後。
頸後傳來一股冰冷的觸感。
……
我猛地驚醒。
「我還是第一次看到。」
旁邊傳來那熟悉的冰冷聲音。
「有人押送王都,還能睡得著。」
……
糟。
我真的睡著了。
「不要這樣嘛。」
對面的見習騎士立刻開口緩頰。
「她這幾天應該很累。」
……
那個聲音。
還是很像。
不知道又過了多久。
馬車慢慢停了下來。
車門打開了。
就在這時。
耳邊傳來一聲清脆的金屬聲。
「卡鏘。」
……
是佩劍。
接著,
我聽見那位女僕平靜地說了一句。
「那,去處理一下吧。」
……
難道……
我的心臟猛地一沉。
下一刻。
我又被帶下了馬車。
……
啊。
果然嗎。
至少……
不是在騎士團大家面前。
我才剛這麼想。
腳下的觸感卻變了。
不像泥土地。
也不像石板。
反而像是……
走進了一棟建築。
……
房間裡嗎?
也好。
至少……
不用曝屍荒野。
想到這裡。
我居然莫名鬆了一口氣。
接著,
有人扶著我坐到椅子上。
然後,
遮眼布從腦後慢慢鬆開。
「眼睛慢慢張開。」
耳邊傳來熟悉的聲音。
「先讓眼睛適應一下光線。」
……
又是那個聲音。
剛才……
果然不是我聽錯。
我慢慢睜開眼。
視線一開始還有些模糊。
等光線漸漸清楚之後。
映入眼簾的第一幕。
是那位見習騎士。
正低著頭。
替我解開手枷。
「喀。」
鎖扣打開。
而下一秒。
一股香氣飄了過來。
……
濃湯。
還有,
剛出爐麵包的香味。
……
我愣住了。

***
克雷亞替卡爾妲解開手枷後,
她只是愣愣地望著桌上。
熱氣緩緩升起。
是一碗濃湯。
還有一籃剛出爐的麵包。
「這……這是……」
卡爾妲一時間有些反應不過來。
「早餐。」
維莎回答得依舊簡潔。
只是,比起在騎士團時那種毫無起伏的語氣,
現在已經柔和了許多。
卡爾妲愣了好一會兒,才慢慢抬起頭。
她環顧四周。
整間餐廳只有他們這一桌客人。
臨河的一側窗戶灑進晨光,
將桌上的濃湯映得泛起淡淡的金色。
而另一側的門窗早已關妥,
四周安靜得幾乎聽得見河水流動的聲音。
看來,是特地清空了。
「我……不是要被處理掉吧?」
話一出口。
維莎抬起頭,看著她。
臉上浮現出一種近乎困惑的表情。
像是在問:
「妳到底在說什麼?」
「我還以為……」
卡爾妲拿起麵包,手還有點抖。
「喔。」
維莎將熱茶放到她面前。
「以前有過。」
卡爾妲的動作僵了一下。
「維……」
克雷亞下意識開口,卻又立刻閉上嘴。
他知道任務期間必須隱藏身分。
但實在有點看不下去。
……雖然他很清楚。
維莎多半不是故意嚇人。
她只是習慣把事實講出來而已。
「不過通常是確認目標有反抗、逃亡風險,或是...」
她停了一下,然後壓低聲音,
「『清洗』的狀況,」
「那樣會直接去墓地。」
她看了卡爾妲一眼。
「但是,妳不是。」
卡爾妲默默把差點掉下去的麵包重新拿穩。
不知道為什麼。
她聽完之後,好像也沒有比較安心。
克雷亞默默的拿起茶杯,
他忽然理解了。
為什麼王女會把維莎派來執行這種任務。
她從來不威脅人。
只是把事實平靜地說出來。
……至於聽的人會想到哪裡。
那就是另一回事了。
而直到今天,
「半夜被帶走,天亮去墓地找。」
並不完全只是傳聞。
