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金家鐔③ 山水図

2026/5/24まで刀剣博物館にて開催中の「日本刀 重要美術品展」に出展されている重要美術品の金家鐔(山水図)についての鑑賞記録です。

槌目地(表面を鎚で叩いて凸凹にした地)で表面の高低さに絶妙な変化を持たせながら、耳は埋忠明寿にも見られるような捻り耳をしており、茶器にも通じる独特の歪みや変化を持たせている事で実に温かい印象を抱かせてくれる。
手前には松のような木、奥には山と寺が描かれているが、槌目が作り出す絶妙な高低さと錆色の変化が霧のように見せ、手前の松のような木は輪郭がより強調されるよう高さを持って彫られており輪郭がはっきり見える事から、「対象物をしっかり捉える事が出来る=近くにあるように見える」工夫のようにも感じられる。それゆえに以下のような水墨画で描かれた山水図を鐔を見ながら連想させてくれるのかもしれない。

画像出典:東京国立博物館 山水図 伝周文筆、竺雲等連賛(室町時代)


切羽台の厚みなどは記載がなく分からなかったが、3mmほどありそうな印象で1~2㎜のような薄さは感じなかった。

よく見ると金や銀などを象嵌?しており、一部色味が変わって見えるのも金家にまま見られ面白いですね。あえてその部分を見せたいが故の工夫と思うのですが、何を見せたいのかがはっきりと分からないところもまた興味深いです。

桃山時代の三名工は信家、金家、埋忠明寿と相場が決まっていますが、個人的に武人の心を感じたい人は信家、水墨画が好きな人は金家、光悦や茶器が好きな人は埋忠明寿を選ぶのが良いのではと感じている次第。
それぞれに味わいがありファンが多くいるのも納得です。


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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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