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#創作大賞2026 #エンタメ原作部門 納豆チャンピオンへの道 第2章|How To Make Natto-Champion|納豆学会入会

1998年 自作のウェブサイトを開設した当時は、まだ個人ホームページの黎明期。
 それにもかかわらず、すぐに20人もの「委員」が全国から集まり、掲示板には納豆に関するディープな情報で賑わっていた。

その中である日、一人の委員から1つのサイトが紹介された。
 ――「納豆学会」。

 ずいぶん堅苦しい名前だなと思いつつアクセスしてみると、いきなりトップページに『納豆は地球を救う』という壮大なスローガンが掲げられていた。
 中を覗けば、納豆の歴史、納豆の作り方、栄養学まで、完璧としか言いようのない情報が網羅されていて、圧倒されてしまった。

 驚いたことに、これも僕と同じ個人運営のサイトだった。管理人の三井田みいださんは新潟在住で、僕より8歳年下の独身男性。
僕は一瞬にして彼の熱量に魅了され、その場で「入会」のボタンを押した。

 納豆の収集については同じ傾向だったけど、二つのサイトには大きな違いがあった。
 納豆学会は学術的な立場で納豆を深掘りしていて、「学会」を名乗るのに相応しかった。それに対して、納豆開発委員会は庶民的な立場で広く浅く納豆の情報を発信する「サークル」のようなイメージだった。
 そんな敷居の高い納豆学会を真似たところで、我々のサークルは到底追いつけないと思ったので、ハナから憧れることも、ライバル視することもなかった。

 それでも納豆開発委員会の活動において、僕は1年間で近隣のスーパー、コンビニ、道の駅で納豆を買い集め、さらに北海道から九州までネット通販で納豆を買い漁った。その数は100種類を超え、全国の委員から寄せられた情報を合わせて、300種類まで増えた。

 その間ホームページビルダーというホームページ作成ソフトの購入により、更新ペースが一気に加速し、徐々に体裁が整い、見栄えの良いサイトに成長した。気づけば委員は100名近くまでに増えたため、全国6つのエリアに区分けし、それぞれ支部長を任命した。

 すると1999年12月に納豆学会の三井田さんから興味深いお誘いを受けた。

「がんもさん。三井田です。
 来年テレビ東京のTVチャンピオンで『全国納豆王選手権』の企画があり、参加者募集しているのですが、一緒に出ませんか?

「え?あのTVチャンピオンですか!しかもテーマが納豆?マジですか?
 でも、僕みたいなのが出られる番組じゃないでしょう」

驚きを隠すことはできなかった。
ただ興味はあったが、企画そのものに半信半疑だった。

「第1回なので、何人応募するかわからないけど、とりあえずエントリーだけしませんか?」

「わかりました。面白半分でエントリーしてみます」

 三井田さんに背中を押され、番組の募集要項に沿ってエントリーを済ませた。
 しかし、その後はテレビ東京から何の音沙汰もないまま、桜の季節になった。

2000年4月。
 ちょうど転勤で、僕は住み慣れた茨城県から、東北の岩手県盛岡市へと引っ越していた。しかも工場総務の事務職だったのが、会社のM&Aによる、事務職の削減で、営業職へ配置転換された。
 慣れない仕事で、荷解きも終わらないバタバタの中で、1通のメールが届いた。
 送り主は、テレビ東京系の番組制作会社。件名には『第1回全国納豆王選手権について』とあった。

 添付されていたのは、100銘柄に及ぶ全国の納豆リスト。認知度のアンケート調査に加え、第2ラウンドで行われる予定の「納豆料理勝負」のメニュー案を提出せよ、という無茶振りのような内容だった。

 エントリーはしたものの転勤したばかりで、出場できるかどうかもわからないのに、この膨大な書類に付き合うのは正直面倒だ。僕はメールの署名欄にあった番号に、直接電話をかけてみた。

「あ、もしもし。
 アンケートの件ですが、これは出場を決めるための書類審査ですか?
 また、このリストが出題範囲なんですか?」

「大変申し訳ございませんが、番組の演出上、ご質問にはお答えしかねます」

電話口のスタッフの対応は、いかにもテレビ業界らしく冷徹だった。

「……そうですか。
 ちなみに、エントリー時は茨城住みだったんですが、今月から転勤で岩手県の盛岡にいるんです。
 盛岡からでも出場させてもらえますか?」

「あ、それは全く問題ありません!
 出場が決まれば、盛岡からの交通費は全額、番組が負担いたします」

「わかりました。じゃあ、後日アンケートを送ります」

 交通費が出るなら悪くないな、と思いつつも、本音では「どうせ落選するだろう」と高を括っていた。そのためアンケートには大して悩みもせず、適当に回答を埋めて送信した。

それから2ヶ月間、なしのつぶてだった。
すっかりエントリーしたことさえ忘れていた頃、あの制作会社から再びメールが届いた。

第1章   第3章

#創作大賞2026 #エンタメ原作部門 #ドラマ脚本 #TVチャンピオン #テレビ東京

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