カリスマがゴールではなかった、僕
こんにちは。
カリスマになることが、僕のゴールではなかった。
“売れる”より“続く”を選んで、
救われた今。
僕は美容師の仕事が好きです。
むしろ、昔より今のほうが面白いと感じています。
上を目指して、自分と向き合い、努力し、信頼を積み重ねる。
より役に立てる自分に成長していくことは、今も変わらず好きです。
でも正直に言えば、美容師なりたての頃に思い描いていた、
“カリスマ”のような存在にはなれませんでした。
かつてはらそれが足りない証のように感じていたけれど、今は違います。
自分が思う成長の先には、それではなかったと今でははっきりとわかります。
自分の考え方や人生の生き方が、以前とは変わったことが大きくあります。
僕は日々美容師として仕事していて、
どこまでも成長したいって意欲が、尽きる感じがありません。
反省的や改善点がまだまだたくさんあって乗り越えたいと本当に思うからです。
技術も、提案力も、人としての深みも、まだまだ伸ばしたい。人間カみたいなものも。
昨日より今日、今日より明日、確実に良くなっていたいと思っています。
ただ、昔のように「上に行くこと=正解」とは思わなくなりました。
売上、予約数、SNSの数字。追いかければキリがない世界です。一時期は僕も、そこに必死でした。
愛知県の片田舎から東京にでてきて、
カリスマに魅了された何も知らない何もできないただの若者でした。
ただただ疑うこともなく、ひたすら頂上のみを目指し登り続けて、純粋に追いかけ続けていました。
でもある時気づきました、
数字やそれらを追いかけ続けるほど、
心が削れていくことに。
少なくとも僕にはそう感じました。
正直、どこか諦めみたいな気持ちもあったと思います。
あらためて自分を振り返ってみると、
余裕がなくなるほど、お客様の小さな変化に気づけない。
言葉が雑に、そして作業になる。
提案がワクワクのない安全なものや考えが浅めばかりになる。
それって、本当にいい美容師なのか?と。
だから、今の僕はこう考えています。
人生を整えることが、結果的に仕事の質をより良く上げてくれる、と。
よく休み、よく食べ、よく笑い、家族と過ごし、心が動く時間を持つ。
それは甘えじゃない、感性を磨く時間だと。
今のサロンのコンセプトにも、
"豊かで健康的なライフスタイル提案"を掲げています。
コロナ前までは特に定期的に、様々なワークショップをサロンにて開催していました。
(茶道、フラワーアレンジ、靴磨きなど)
人生を取り巻く美しいものなどの感性に触れてみる、自分たちなりの向き合い方で楽しんでみる。
そんな、やり方の先になりたい自分や、
在りたい自分がいるのだと思います。
人を綺麗にする仕事だからこそ、自分の心がいつでも動いていないといけない。
誰かの心に届くことや、誰かに心踊るような充実を贈ることはできないと思います。
美しく、良く響く楽器のようになって、
協奏して共鳴していく、深い感性が動きだす。
家族との何気ない会話や、日々のなげない時間、友人との他愛ない話。
そういう時間の積み重ねが、すっと気持ちを満たすような提案の引き出しを増やしてくれる。
言葉の温度を増やしてくれる。
そんな気がします。
不思議なことに、
自分の生活が整うほどに、
仕事の集中力は上がっているのに気がつきました。
予約を詰め込みすぎないのも、楽をしたいからじゃない。
一人ひとりに集中するための設計でもあります。
余裕や魅力ある美容師は、手を抜いている人じゃない。
余裕、余白を作る努力をしている人だと思っています。
もちろん、
成長意欲は今も強い、
新しい技術も学びたいし、
表現の幅も広げたい。
まだ見たことのない自分にも出会いたい。
でもそれは、誰かに勝つためじゃない。
長くこの仕事を好きでいるためであったんだときがつきました。
僕はカリスマじゃなくていい、
でも、「またお願いしたい」と思われる人でいたい。
派手な成功も素敵だと思います、
静かな信頼を積み重ねた喜びに、
僕は触れ続けていきたい。
人生が充実している美容師の言葉は、提案にも無理がない。
柔らかい空気をつくれる人。
美容師は短距離走じゃない、
長距離走の仕事です。
充実して走り続けるために整える。
止まらないために、無理をしない。
その先に、信頼も、成長もついてくると信じています。
時間が経っても任せてよかったと思える、
その人の「これから」に似合う髪をつくりたい。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今日もいい一日を。
