【Netflix】「ヴィーラッパン:山賊王の興亡」インドのドキュメンタリーに外れナシ!
<概要>
Netflixの新作ドキュメンタリー。約50分×4回。
密輸から殺人まで数々の凶悪犯罪に手を染め、南インドを震撼(しんかん)させた山賊ヴィーラッパン。この悪名高き男の盛衰と、20年にわたる警察の追跡捜査の詳細に迫るドキュメンタリーシリーズ。(Netflix公式サイトより)
https://www.netflix.com/jp/title/81111279
<評価>(ネタバレなし)
Netflixのインドの犯罪ドキュメンタリーは、「ブラリ事件」「インド凶悪殺人事件録」など、これまでもいくつか取り上げてきました。
残酷、残忍、凄まじい内容で、どれもトラウマ級でした。
本作も、そうとうにショッキングな内容だから、覚悟して見る必要があります。
しかし、面白さは保証つき。こんなことが、つい最近、この世界で本当に起こっていることに驚きです。
「殺しても怒りが収まらなかった。だから首を土産に持ち帰った」
これは、本作の主役、山賊王ヴィーラッパンの言葉です。
首のない死体の写真も映ります。
私は、最近のススキノの事件を連想せざるを得ませんでした。
人間は、怒りのあまり、首を切り取る、ということがあるんですね。
南インド、カルナータカ州とタミル・ナードゥ州で、1980年代後半から2000年代初めまで暴れまくった山賊王、ヴィーラッパン。
もともとは、ゾウの密猟や白檀の密売などで稼いでいましたが、警察官を殺したことから指名手配となり、深い森の中を逃げながら、身代金目当ての誘拐などの重大犯罪に手を染めるようになります。
もとは密猟者だけあって、動物のように人を殺します。
敵に対しては残虐極まりないですが、味方には優しく、義賊的なところもあります。カーストで人を差別しなかったので、「森の天使」と慕う人もいました。
一方のインド警察は、これもドラマなどでおなじみ、人権など知ったことかと、被疑者・参考人を虐待・拷問しまくりの「ダーティ・ハリー」や「ランボー」だらけです。
ドキュメンタリーは、ヴィーラッパン側、警察側、それぞれの動きを交互に紹介しながら、犠牲者100名以上、10年以上にわたる攻防を描いていきます。
ヴィーラッパンが暴れていたのは、日本ではちょうどオウム真理教事件が起こっていた頃です。
ヴィーラッパンと麻原彰晃とは、まるで違うタイプのようですが、似ている点もあります。
年齢は、麻原が5歳ほど上のようですが、ほぼ同世代です。
どちらも、貧しく、差別される境遇だったこと。
どちらも、不思議に警察に捕まらないことで、カリスマ性を高めていったこと。
敵と味方、自分たちの世界と外の世界を峻別し、外界の敵は「人間」扱いせずに殺すこと。
本人にはそれなりの「哲学」があって、真面目な点もあること。
マスコミに出るのが好きで、自己宣伝をしたがったことなどです。
インドのドキュメンタリーは、何を見ても、カースト制や民族差別を背景に感じずにはいられません。
ヴィーラッパンの事件でも、タミル人差別の問題があり、ドキュメンタリー後半では、スリランカ内戦を起こした「タミル・イーラム解放の虎(LTTE)」などが絡んできます。
勉強になりますし、そこらの映画やドラマより断然面白いので、オススメです。
<参考>
