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Netflix「ブラリ事件」のもやもや【ネタバレなし】

Netflixで楽しみにしていた「ブラリ事件」が今日から配信された。

2018年、インドのデリー北部で、一家11人全員が変死体で発見される。その事件の真相を追ったドキュメンタリー。「ブラリ」はこのデリー準州の地名だ。

80歳の祖母の下に、3人の息子、それぞれの嫁、それぞれの子供が住む3世代同居家族。最年少は14歳。女が7人、男が4人。

祖母を除く10人は、手を縛られ、目隠しをされ、耳に綿を詰められて、首を吊っていた。祖母はベッドの脇に横たわって息を引き取っていた。

大量殺人か、一家心中か。遺書は残されていない。

インドということで、貧困が背景にあると考えるなら、的外れだ。一家は高学歴の中流家庭で、商売も順調だった。娘の一人の婚約が決まったばかりで、幸福に包まれていた様子を周囲の人は見ていた。

10人の首吊り死体が垂れ下がった現場が、まずシュールだろう。ミステリーでも、こういう状況はなかなか書けまい。

しかし、事件の真相は、見かけ以上に、想像を超えている。

実際に起こった事件で、日本でも報道されたから、覚えている人もいるだろう。

だから、ネタバレも何もないのだが、事前情報のない幸福な人のために、ここでも真相は書かない。多分、予測不可能だろう。

netflixのドキュメンタリーによくあるように、引き延ばしすぎて冗長に感じる部分がある。

とはいえ、演出を控えめにして、淡々と事件を追う姿勢は好感が持てた。

最終的に、ある「犯人」が指し示されるのだが、このドキュメンタリーは、「犯人」に寛容だ。

それにも理由があるのだが、それでいいのかどうか、私にはもやもや感が残った。

私にはどうしても「加害者」と「被害者」がはっきり分かれ、「被害者」があまりに気の毒に思える。

しかし、このドキュメンタリーは、「加害者」「被害者」全員を等しく扱って、死を悼んでいる。そこには、インドの宗教的な風土もあるだろう。

それに、このドキュメンタリーには、事件を扇情的に扱ったマスコミへの批判も盛り込まれている。だからこそ、事件を冷静に、なるべく誰も傷つかないような形で描いたのだろう。

それはそれで、立派な姿勢とは言える。

でも、僕はやっぱモヤモヤしたな。他の視聴者はどう感じるのだろうか。



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