見出し画像

参政党「非国民」発言は「第3の赤狩り」ののろし

参院選終盤の7月18日、参政党の神奈川選挙区候補、初鹿野裕樹氏=当選=は、演説中ヤジを飛ばす人々に対して「ああいうのは非国民ですから」と発言しました。

あの件、蒸し返してやろう、と。

実際、特に左翼メディア方面で、騒動は収まってないですからね。


この「非国民」発言について、神谷代表は注意したと言っていましたが、初鹿野氏自身は、訂正も謝罪もしていません。


非国民とは国民意識が低いという意味なのですが、一部のメディアは意図的に戦争を絡めて差別的要素を含んだ言葉をつくり出し、お門違いな反論を繰り返し、国家に殉じた警察官や自衛官を侮辱することを正当化しています。 私は国家に殉じた御霊に寄り添います
(初鹿野浩樹 2025/7/27 18:02)


訂正する必要なし
(初鹿野浩樹 2025/7/28 20:48)


東京新聞は、8月1日にも、この「非国民」発言を、初鹿野氏が南京事件を「捏造」とした過去にからめて、追及しています。


7月の参院選で初当選した参政党の初鹿野裕樹氏(神奈川選挙区)が参院選前の6月、Xで旧日本軍による南京事件を否定する書き込みをしていたことに交流サイト(SNS)などで批判が広がっている。初鹿野氏は参院選の街頭演説で、抗議する人らに向かい「非国民」とも発言していた。


初鹿野氏の「非国民」発言は、彼が元警察官であったことからも、問題視されました。

7月26日のTBS「報道特集」は、再び参政党批判の番組を作り、その中で日下部正樹キャスターは、以下のように述べました。


非国民、という言葉はね、権力側が気に入らない人物を排除する際に使う最強の言葉ですね。戦前、警察や軍がですね、非国民といっては、権力に異を唱える人たちを、次々と拘束、弾圧しました。人々は非国民よばわりされるのを恐れて、口をつぐむか、他人を密告した。そんな社会になってしまったわけですよね。こうした反省もあって、戦後少なくとも公職にある人は、この言葉を避けてきました。参政党の初鹿野議員は元警察官ですよね。その彼が公然と非国民と言い放ち、支持者が歓声を上げた。無視できないことだと思いますよね。


しかし、「非国民」という言葉については、東京新聞やTBSがあまり語りたがらない事情があるように思います。

「非国民」が、「赤狩り」でもちいられた言葉だということですね。


「非国民」とは、第一義的に共産主義者やアナーキスト、つまり左翼でした。

単なる「抗議する人ら」「権力側が気に入らない人」「権力に異を唱える人たち」というわけではない。


それは、上の初鹿野氏のXについたコミュニティノートで、「一方的に共産主義・無政府主義を認定された」京大滝川事件などが挙げられていることからもわかるでしょう。

たしかに、同じくノートが挙げている天皇機関説事件もふくめ、左翼ではない、ただの自由主義者も攻撃されました。しかし彼らは「アカに違いない」と見られたわけですね。


その意味では、初鹿野氏の「非国民とは国民意識が低いという意味」という説明も、欺瞞的です。はっきり「非国民とは左翼」と言えばよかった。


以前、書いたように、これまで赤狩りは、大きく3度ありました。

第1の赤狩りは、1920〜30年代。ロシア革命直後。

第2の赤狩りは、1950年代。冷戦の始まりの時期。

そして今、第3の赤狩りの時期を迎えていると言われています。


日本の「第1の赤狩り」で、「非国民」の言葉で人々を検束したのは、いわゆる特高と憲兵でした。

私も初鹿野氏に投票したので、元警察官の初鹿野氏の心中を忖度すると、

「特高や憲兵は、やみくもに人々を拘束したように言われるけど、ちゃんと理由があってやってたんだ」

と言いたいんじゃないでしょうか。

戦後、ドラマや映画で、特高や憲兵はナチス並みの悪役になってますが、彼らのために弁護したいという気持ちがあったのでしょう。


日本の「非国民」で私が連想するのは、英語の「Un-American」ですね。

アメリカの「第2の赤狩り」の主役になったのは、ご存じ「House Un-American Activities Committee」でした。

「下院非米活動委員会」と訳されますが、文字どおりには「非国民活動(調査)委員会」です。

この委員会も戦前、ロシア革命後の左翼を監視するために作られました。


この「Un-」は、ただの「Anti-」とは違うわけです。

アメリカが嫌いだ、という主張は、普通「Anti-Americanism 反米主義」と呼ばれますが、「反米」と「非米」は違います。

「反米」は、一般に思想・言論の自由で許されます。でも、「非米」は許されません。

それは、「反日」と「非日(非国民)」に置き換えても、同じだと思います。

「抗議する」と「裏切る」の違いです。


「第3の赤狩り」は、トランプとともに始まったと言われていますが、日本では参政党とともに始まったのでしょう。(浜田聡氏の活動もありましたが)

神谷代表はよく「特定の思想の人(がメディアを歪めている等)」と言いますが、それは「左翼」を指しているのでしょう。


それは、たぶん彼らの中で、「スパイ」や「破壊工作員」とも、ニアリーイコールです。

参政党は、「スパイ防止法」を作りたいと言ってるわけですから、左翼が許容範囲を超えて日本の脅威になっている、と認識しているのでしょう。


赤狩りは、その度に「コラテラルダメージ」を生み、社会に恐怖を与えたのは確かです。

しかし、それに恐怖した範囲には濃淡があり、当然ながら左翼に近い人からおびえたでしょう。


今回の「非国民」発言についても、「怖い」と思う人もいれば、「別にそれほど・・」と思う人もいるはずです。

私自身は、不適切な言葉だと思いますが、あの左翼に妨害されまくった選挙戦で、終盤の疲れもあり、つい出てしまった言葉なんだろうな、と酌量しました。


でも、「左翼」はビビっている。当然です。恐れるべきです。


参政党議員団は、8月15日に、有志で靖国神社に参拝することを予告しています。

靖国神社には、あまり知られていませんが、「憲兵の碑」があります。


憲兵は軍隊内部の秩序維持、戦争中は占領地の行政にも関わりました。大正12年の関東大震災、昭和20年の大空襲の際にも、社殿を命がけで守ったのも憲兵隊でした。戦争に起因して命を落とされた憲兵たちの奉慰顕彰のため、昭和44年全国憲友会より奉納されました。
(靖国神社HP)


私は、東京の会社に勤めていた時、よく靖国神社に参拝していました。

そして、森の中に隠れるように、ひっそり立つこの「憲兵の碑」の前で、たたずむ時間も多かったです。

文字どおり、戦後は日陰者あつかいされた彼らの霊が、初鹿野氏に「非国民」を言わせたのかもしれません。

初鹿野氏は、「国家に殉じた御霊に寄り添います」と言ってましたからね。

初鹿野議員は、靖国に行ったら、忘れないように「憲兵の碑」の前でぬかづいてください。

(あと、千鳥ヶ淵にも行ってほしい)


<参考>


いいなと思ったら応援しよう!