創作系の一人としてAIで何をしているかを語る回~日々是私小説(25)
非エンジニア向け、AI説明記事シリーズが進んでいますが
マガジンにまとめることにした、最近のこのシリーズ。
そもそもなんでそれをやっているかというと、自分がAIやObsidianといったツールを使っていて、「この使い方は創作をやる人にはけっこう便利なのでは」というものがいくつもあって。
これ紹介したいなー、面白いんだけどなー。でもAI使ってる人限定になっちゃうんだよな。まだそんなに、AIをツールとして使ってる人は創作畑だとあんまり見ないからな。需要薄すぎか。
とか思って、気付いたのだ。
増やそう、と。
会話するだけで終わっては勿体ない。とっつきにくそう、ハードル高そうということで触れない人がいるのはしょうがないから、じゃあそのハードル下げるための材料があったらどうなんだろうかなと。
焦って始めたようなものなので、突然始まってしまって導入が上手くやれなかったが。まぁそんな動機から企画がスタートしております。
ちなみに俺が今までAIでどんな仕組みをこれまで作ったか、ここで軽く予告編的に紹介。有料サブスクでないとPC内ファイルを直接操作することが出来ないのだが、多少お金を払う価値はあると思うな。
どれもObsidianというテキスト編集・管理ツール(これまで何度か軽く紹介済み)との連携が前提なのだが、これが実にAIとの相性が良いし、便利なプラグイン(機能を追加する後付ツール)がたくさんあるしで非常に便利だ。AIを使わなくてもこれ単独でオススメしておきたい。
Web記事クリップ蓄積&分析 @ Obsidian
以前の日記で紹介した仕組み。
Obsidianというツールと連携したWebクリップツールで、PCにWeb記事を保存。これだけならObsidianだけで可能だが、蓄積していくクリップを整理分析する段階をAIによって加えた。「クリップをまとめて」とだけ指示すれば、自動的に一日のクリップ記事をインデックス(目次)化、タグ付け分類、ひとこと要約などつけて「まとめファイル」に整理させる。インデックスから読み返す記事を選んだり、タグ付けされた記事一覧から同種の記事を集中して見たり、といったアプローチを容易にする。
創作的には、Webでの資料収集に使える。重要な資料は自分で分かるようにタグ付けしておけば、検索で絞り込んだり、AIでそれらを一気に作業の対象にしたりできる。

外国語記事翻訳(内容によってテイストを自動変更)
クリップまとめの仕組みと併用して、X(Twitter)の自動翻訳記事で面白そうなものがあったら、あえて原文でクリップし、PCでAIに翻訳してもらう。その時、記事内容からジャンル・テイストを判別して、翻訳の文体・雰囲気をある程度使い分けるようにしている(テック系だったら分かりやすい説明が入るように、創作系なら空気感を壊さないように注意する、など)。
上のスクリーンショット、左サイドにあるファイル一覧で、【日本語訳】と頭にあるのが翻訳したテキスト。
これもWebでの資料収集に。ジャンルによっては最新情報は常に海外発だったりするし、歴史的な資料(中世ヨーロッパとか)の資料を現地語で探したものを翻訳すると捗る。もちろん、現地語での検索そのものもAIにやってもらえる。
Obsidian内に個人用(自分が知りたい言葉の)辞書作成
自分の知識や語彙を増やすための辞書を、自分で作る力業。
Obsidianでドキュメントを見ている時、あるいはWebでコンテンツを見ている時、「知りたい言葉」があったら選択して、拡張機能を呼び出す。すると選んだ言葉が所定のドキュメントに「見出し」として追記されていく。これを「辞書」として扱い、その意味するところをユーザーが調べて書き入れたり、代わりにAIに書き入れてもらうことで、後から見返して知識の反芻が出来るようにする仕組み。
スクリーンショットはIT系の技術的な言葉を集めているファイルの例。『ユーザー記述』枠は自分で調べて書き入れたもので、『AI記述』はAIに書入れさせたもの。もちろん裏付けは取ってから書くように指示している。ついでにユーザー記述が間違っていないかのチェックもさせられる。
言葉を範囲選択、ショートカットキー入力、の操作だけで単語が積み重ねられていく。自分で調べるのが面倒ならあとから一括でAIに記入させると楽ちんではある……が、それだと頭には残らなさそうで怖い。

蓄積した文章からワードを取り出してObsidian内に個人Wikipediaを作成
セルフ辞書と同じシステムを使って、「ひとつのファイルに積み重ねて辞書にする」のではなく、「1単語を1ファイルに切り出し、その語を使っているファイルにリンクを貼る」という仕組み。Obsidianの、ファイル名を文中に書くとそのファイルにリンクが貼られるという機能を利用している。
概観するとWikiというか、オリジナルのWikipediaをPC内に作るということだ。
これはまだ未完成なのだが、設定資料集的に、自作の創作世界観の資料が大量にある場合に役立つのではないかと思っている。人物名や出来事名をWikipediaのように「それを説明するページ(ファイル)がある」「その用語を使っているファイルへリンクが貼られて移動できる」という形。
こういうものを作るツール自体は前から少しはあったが、それらの多くは、ツールから手動でちまちまと言葉を入力しデータベースを作って、それからドキュメントを登録して……と、そのツール内で文書を作る手間をかけなばならなかった。このシステムでは、「すでにある膨大なテキスト」を、そのまま対象にできるので手軽。ファイルリンクも手動ではなくAIにやらせれば良い。
さらに一歩進めると、そうして作り上げたファイルリンク関係を保ったまま、まるごとWebサイトとして構築することも可能なはず。Web小説で売れたら自作の設定資料集をこの形式で公開したりするとカッコイイかも。
個人的には、この構造で俳句とそこで使う季語を構造化し、ある季語のファイル(ドキュメント)を見たら、自作のその季語を使った作品へのファイルリンクを一覧できる、みたいなことが出来るなぁとも思ったりしている。もはや忘れられていると思うが俳句好きなんよ。
AIチャットボットから使える機能も作れる
チャットからだとPC内にあるファイル操作ができない制限があるが、作ったドキュメントはダウンロードや、Googleドライブに保存させることでファイルとして入手できる。ドラッグ&ドロップでドキュメントをAIに渡すことも可能だから、そういった手間を惜しまなければ、チャットでも手持ちファイルに何らかの操作を加えられる。
文脈を会話形式で保存
チャットのお引っ越しに文脈を保存するよう指示すると良い、というのはシリーズ本編でも触れたことだが、個人的にそれだけだと気が済まない場面があって別途作った仕組みがある。それがこの「会話形式で保存」するもの。
ただの文脈だと、対話の流れ全体をまるめていくドキュメントになるのだが、もうちょっとだけ具体的な「やりとり、会話」が見たかった。なんなら自分が何を言ったかを残しておきたかった。そのため、会話内容を要約したセリフで保存するこの方式を考えついた。

Obsidian もガンガン試して欲しい
そのままだと小説を書くのには向いていないと個人的には思うが(縦書きが欲しい人)、Obsidianもぜひ使ってみてもらいたい。
このソフトウェア自体は以前の日記で紹介している。
Obsidian - Sharpen your thinking

表示しているのはまさにこの記事の原稿
結構柔軟な使い方が出来て、個人的に気に入ったのはペイン(画面内を分割したパネルみたいな単位)が複数持てること。上の3ペインを基本形として使っている。
左サイドはWindowsのファイルエクスプローラと同じ、フォルダ内のファイルを一覧表示している(ただしObsidianが対応するファイルタイプのみ)。
中央はメインとなるエディター部。タブ形式で複数のドキュメントを並べて編集できる。ここでちょっとObsidianそのものの癖が出てきて、エディターで扱えるファイルタイプは、プラグインなしのデフォルトだとMarkdown形式(*.md)に限られる。
右サイドには、メインで見ているMarkdown文書の見出し構造を、アイデアプロセッサーのようなツリービューで表示させている。
両サイドにどんな情報を表示させるかは、かなり広範に用意された機能から選ぶことができるが、この基本形だけで普通の人には十分に便利だと思う。
また、ペインの構成自体がわりと自由で、

中央ペインをさらに二つに割ったり(正確にはペインを増やしている)、

こうして分割方向を変えたりもできる。違う文書のテキストを見ながら執筆することがObsidianの中だけで可能なので、資料を参照したり比較したり、読書用のテキストを表示しながらサブの文書にメモを書き入れたりといった応用が可能だ。
アイデアプロセッサーを愛用していた人には見出しツリービューが便利だと思う。個人的にも、長らくこの手のソフトで良いものを探していたのだが、しっくり来るソフトが見つからなかった。長年の悩みだったのだが、Obsidianが救世主になってくれた。
テキストの扱いに癖があるのは注意を
Obsidianの難点は、デフォルト状態だと *.txtファイルを基本的に扱えないことだ。いわゆるプレーンテキストファイルのことだ。何も設定しないとそもそもファイルエクスプローラに表示されない。
md形式も実態はプレーンテキストなのだが、拡張子が異なっているこちらはそのまま扱うことができる。なんでや。
いちおう、txtファイルの拡張子をmdに変えてしまえば、Obsidianでも読み込んで操作可能ではある。
拡張子を変えずにテキストを扱うには、まず設定で「すべてのファイル拡張子を認識」の設定をONにし、かつ、テキストを表示・編集できるようにするプラグインをインストールせねばならない。
これらは設定画面からやりきれてしまうとはいえ、普通のテキストエディターと比べれば、一手間かけねば基本的なテキストファイルさえ扱えないというのは面倒ではある。
そのプラグイン、Data Files Editorプラグインを導入しても、見た目はこんな風だ。

最低限テキストを扱えます、というだけに過ぎない。しかも行番号が論理行。行数というより段落数を数えている。
個人的にはこれでテキストを――つまり小説原稿をも扱うのは嫌だったので、いっそのこと、とClaudeを使ってObsidian用テキストエディタープラグインを作ってしまった。
その画面がこれ。

これくらいになるとだいぶ日本語長文原稿を扱っている気分になれる。
フォント種類、フォントサイズの指定や、検索・置換も出来るようにして、個人的な好みでカーソル行ハイライトとしてアンダーラインも入れた。折り返し文字数も指定出来るので、応募体裁を整えて執筆することも可能だと思う。
このテキストエディタープラグインは、まだ製作途中なので表に出せないが、完成したなと思えたら、ここで公開したいなと思っている。
では今日はこんな感じで布教活動でした。AIとObsidianの組み合わせはオススメです。
しかしこれは……日記だったか? AIとツールの記事では。
(了)
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