脱執着04 録音磁気テープ半世紀の整理
B2サラリーマン現役時代には仕事や日常生活に追われて、趣味ややりたいことが後回しでした。B2は70代前半まで体力気力があれば仕事を続けるつもりでしたが、急なリタイアは良くないので67歳から仕事量を減らして半リタイア状態になりました。高齢者になったらリタイアする予定だったので、M5からはまだ「やめるやめる詐欺」と呼ばれています。
「毎日が月曜日状態から、毎日が土曜日状態になりました。」
暇になり機材の整理も兼ねて、若いころ(半世紀前)のバンド活動の録音音源をデジタル化してみました。表紙画像はGoogle Geminiで生成しました。
磁気テープの処分
30年前にB2は、自作デスクトップPCに内蔵したCDRドライブを使って
「木原一座結成20周年記念CDR」というのを作り関係者に配布しました。
それで過去の記憶(記録)を清算したつもりでしたが、実家(いらない荷物の保管場所=親不孝)の整理で古い機材と磁気テープが出てきました。暇になった昨今、どんなものが録音されているのか気になり処分を兼ねてデジタル化することにしました。

磁気テープのデジタル化(waveファイル化)の道具として、「シニアバンド活動 03
5月コンサート」記事で購入したBOSS microBR(下)を使用しました。
4トラック磁気テープのデジタル化
40年前のTOSCAM PORTA ONEで録音したマスタリング前の4トラック信号を4トラックのままデジタル化したいので、30年前に入手した8トラックデジタルレコーダーBOSS BR-600でデジタルデータに変換することを考えました。ただし「バンドと楽器への執着半世紀5.DTM機材編」で紹介したようにBR-600には経年変化で録音時にカサカサ音が入る問題がありました。
暇にまかせて、オシロと発振器で故障個所を探り当てました。SMCの0.1μFのコンデンサ2か所を取り外して耐電圧の高い積層セラミックコンデンサにはんだ付けで交換しました。カサカサ音が無くなりました。マイクアンプの増幅を兼ねたフィルタ部分(フィードバック)の耐圧マージンが足りなかったものと考えられます。昭和のオーディオ機器で良く経験(S/Nを稼ぐために直流電源電圧を高くする傾向があったようです。)しました。

4トラック用録音デジタル変換機材の修理が終わったので、次はTOSCAM PORTA ONEの動作を確認しました。電気系統は正常でしたが、肝心の機構部が不安定でした。(REVは良く回るがFWDは動作したりしなかったり)
本体を分解して機構部を眺めたところ、フライホイールとその周辺の輪ゴムがぶよぶよで動力が伝わりにくくなっていました。それだけなら輪ゴム交換でなんとかなりそうでしたが、もっとシビアな問題があり録音再生が機構的に全く動作しません。ピンチローラと複数磁気ヘッドが一体化したパーツの録音再生時の移動ができなくなっていました。高級感を出すために手動力でなく複雑な機構を使っているため、機構部のサビつきあるいはソレノイドドライブ回路の不具合(マイクロスィッチなど)でヘッドが磁気テープにガイドされず、びくとも動きませんでした。

ベルトドライブの輪ゴム(NBR?)がへたって固くなり動力が伝わりにくくなっていました。
機構部の動力伝達メカが劣化しているため修理は難しい?
Amazonで購入した輪ゴムセットで、弛んだベルトドライブを入替えたのですがうまくいきませんでした。FWD,REV,PLAYの動作は戻ったのですが、PLAYでカセットテープが回りませんでした。原因はピンチローラのローラーゴムと回転シャフトが密着せず1mmすきまがありました。ローラーゴム直径が経年変化で小さくなったようです。ここで修理を断念しました。

結局、4トラック音源のデジタル化は断念しました。
複雑な機構(倍速+片面4トラック+メタルテープ+dbx という
ガラパゴス仕様)は40年の歳月に耐えられませんでした。
無駄な時間を費やしてしまいました。非常に残念です。
オープンリール磁気テープのデジタル化
50年前のAKAI 4000DS Mark-IIは、テープデッキ間の多重録音(ピンポン録音)に使った使用年数の浅い当時最新鋭の機材で、1台だけ処分せずに残して置いたものです。実家に預けていましたが、2011年東日本大震災の折にラックから落ちて左のガイドシャフトが少し曲がったままでした。
正常に動作するか不安でしたが、シャフトの曲がりをペンチで戻して電源を入れて動作させたところ当時のままでした。頑丈さに感動しました。オープンリールテープが12本残っていたので、とりあえずBOSS micro BRでデジタル化しました。

ただし3ヘッド方式で再生ヘッド特有のノイズ(トランジスタのヒスノイズ)は
昔からですが少し気になりました。
昭和のオープンリールデッキは何十年も耐えうる頑丈な設計でした。
まさか性能もほぼ昔のまま動作するとは思ってもいませんでした。
カセットテープのデジタル化
30年前に「木原一座結成20周年記念CDR」を作成した時に、これからはデジタルの時代と頭を切替えました。そのため音質や性能面で劣るカセットデッキ最後の1台:Pioneer CT-980を処分してしまいました。(30年前にカセットテープとは決別したつもりでした。)
なので、普通仕様のカセットデッキは手元に残っていません。しかし上記4トラック録音データが再生できなくなった状況で、ミックスダウンした2トラック録音音源がカセットテープ20巻に残っていたので、音質は悪くてもデジタル化しておきたいと思いました。
Amazonで中古カセットデッキを探したところ、ONKYO K-506FXが見つかりました。残り1台とのことでジャンク品のような外観ですが、1万5千円で入手しました。意外と再生に関しては問題なく動作しました。

機能に制約はありましたが、録音/再生の機構部はしっかりしていました!
しかし専用の付属リモコンがないため、録音ボタン,DOLBY,オートリターンOffは機能しません。運よく古いONKYOアンプA-906が手元に残っていたのでコントロール線とアンプのリモコンを使って録音ができるようになりました。再生時にテープ種類(メタル,ハイポジション,ローノイズ…,バイアス)や周波数ダイナミックレンジ補正(DOLBY,DBX,…)の切替えはあきらめて、とりあえずBOSS micro BRに繋いでデジタル化しました。

問題発生: ONKYO製品の造りは良く、フロントローディングオートリバースのためピンチローラが左右に2つあります。ただしテープの巻き付けテンションが高いため、カセットテープ8本は根本でテープが切れてしまいました。

半世紀以上経過したカセットテープは保管環境などで性能劣化やトラブルが発生します。
温湿度の影響でワカメ状になったテープをデッキが異常検出して停止したり、
オートリバース時にテープが切れることがありました。
教訓
半世紀の実績から、記録媒体として磁気テープ自体は優れている
ことを実感しました。
しかしそれらをドライブする機器が時代とともに断絶しています。
半世紀も待ってデジタル化するよりもっと早く動けるときにデジタ
ル化しておくべきだったと反省しています。
「いつまでもあると思うな 録音機材と 録音メディア」 字余りでした!
バンド活動の録音記録整理
オープンリールテープのデジタル化で10時間,カセットテープのデジタル化で約12時間のデジタルデータ変換ができました。
学生バンドで演奏した曲,オリジナル曲,練習風景,シンセやDTMの習作が録音されていました。重複したものや音質の悪いものや演奏が悪いものを除いて3時間弱のデジタルデータを残すことにしました。

3時間弱のデータを50年後のタイムカプセルに残します!
デジタル化のメリットとして、デジタルリマスタリングができることがあります。ノイズ低減,トーンコントロール,ゲイン/ダイナミックレンジ最適化,エコーなどの効果をデジタル的に加えることができます。

便利です!
まとめと反省
半世紀以上生きてきて、今まで身近に当たり前のようにあったもの
は時間の経過とともに消えていくことを実感しました。ものごとに
固執せずに「できる時にやっておく」ということは重要です。
一方で骨董品の希少価値というのもあり、デジタルリマスタした
録音音源をオープンリールデッキとカセットデッキで磁気テープ
に再録音して、さらにもう半世紀タイムカプセルのように3か所
(B1,B2,K1)で保管しておきます。(どうなることやら?)
そんなもん残してどうなるの?

いいなと思ったら応援しよう!
これからも応援しています。