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時間割を作ったのに守られない|巡回健診を15分単位で分けても混雑する理由

巡回健診の時間割は、総人数を受付時間で均等に割れば完成するものではありません。

例えば、100人を9時から11時までに受け付けるとします。15分ごとの8枠へ12~13人ずつ割り振れば、表の上ではきれいに収まります。しかし、勤務の都合でその時間に来られない人が多ければ、実際の来場は一部の時間帯へ集中します。

当社では、15分または30分単位で時間を区切り、健診内容や実施時間に応じて1枠7~15人程度を案内することがあります。ただし、この人数はすべての巡回健診に共通する基準ではありません。検査項目、スタッフ数、機材数、会場、受付方法によって、無理なく受け入れられる人数は変わります。

大切なのは、人数を均等に並べることではなく、従業員が実際に守れる時間割を作ることです。この記事では、時間割を作っても混雑した現場例から、企業担当者が医療機関と確認したいポイントを整理します。

表の上で均等でも、勤務実態に合わなければ守られない

ある工場では、企業側があらかじめ部署ごとの時間割を作ってくれていました。しかし、製造ラインの一部の従業員だけを順番に健診へ出すと、残った人員ではラインを動かせません。

その結果、時間割どおりに少人数ずつ来場するのではなく、ラインの従業員全員がまとまって会場へ来ることになりました。

時間割の人数配分だけを見れば問題はありません。守れなかった原因は、従業員の協力不足ではなく、時間割が現場の業務単位に合っていなかったことです。

部署や製造ラインごとに案内する場合は、表を作る前に次の点を確認する必要があります。

  • その部署を少人数ずつ健診へ出せるか

  • 一部の人が抜けても業務を継続できるか

  • 交代勤務や休憩時間に合わせる必要があるか

  • 部署全員が同時に動かなければならない時間帯はあるか

  • 管理者が当日の呼び出し順を調整できるか

少人数ずつ出せない部署があるなら、最初からそれを医療機関へ伝えたうえで、ほかの部署の来場を抑える時間帯を作るなどの調整が必要です。

最初に詰まりやすいのは受付

一度に大人数が来ると、最初に混雑しやすいのが受付です。

受付は、名前を確認して書類を渡すだけではありません。受診する健診コースによっては、複数の問診票を確認し、尿などの検体を回収・照合し、予定された検査項目に漏れがないか確認します。確認する書類や検体が多いほど、一人あたりの処理も増えます。

そのため、同じ人数を割り振った枠でも、一般的な健康診断だけを受ける人が多い場合と、問診票や提出物が多いコースを受ける人が多い場合とでは、受付に必要な時間が同じとは限りません。

時間割を作るときは、総人数だけでなく、健診コースごとの受付作業も医療機関へ確認してください。受付を通過できなければ、その先の検査に空きがあっても受診者を送り出せません。

検査ごとの処理能力と来場人数のずれについては、別記事「巡回健診で採血待ち約40人」でも詳しく紹介しています。

https://note.com/junkai_kenshin/n/ne0cc59f0ef5d

男女別の運用を反映しないと、後工程で混雑することがある

人数だけを基準にして、男女別の運用を考慮せず同じ時間帯へ割り振る場合にも注意が必要です。

心電図やレントゲンでは、着替えや受診者のプライバシーへの配慮から、男女を分けて案内する運用があります。受付で予定人数を処理できても、後工程で男女の切り替えや待機が発生すれば、そこで流れが止まります。

また、混雑を避けようとして、受付とレントゲンなど複数の場所を出発点にする時間割を企業側だけで組むと、別の問題が起こります。

例えば、一部の受診者をレントゲンから始めるよう案内した場合、その人たちが到着した時点で別の性別の撮影時間になっていれば、すぐには進めません。受付から順番に回ってきた人とも重なり、結果として待ち時間が増えることがあります。

複数の検査から開始する運用がすべて不可能という意味ではありません。ただし、検査順序や開始場所は、スタッフ配置、機材、会場動線、男女の時間帯を把握している医療機関と相談して決める必要があります。

男女で受付時間を分ける理由は、別記事で整理しています。

https://note.com/junkai_kenshin/n/n8b03b7a33d99

早着・遅刻を断る時間割にはしていない

当社では、案内時刻より早く来た人は、受け入れ可能であればそのまま受付します。遅れて来た人も、全体の受付時間内であれば受け入れます。

時間割は、指定時刻を外れた人を一律に断るための予約表ではありません。一時的な集中を避け、会場内の人数をならすための案内です。

ただし、早着や遅刻が多ければ、時間割を作った効果は小さくなります。医療機関側が当日調整するだけでは限界があるため、企業内で案内時刻の意味を伝えることが重要です。

作成期限より「本人に伝わっているか」が重要

時間割をいつまでに完成させるかは、企業が従業員へ十分に周知できる時期であれば問題ありません。

一方で、早く作成して掲示しただけでは、従業員が自分の時間を把握していないことがあります。時間割は作成することが目的ではなく、対象者が案内時刻を知り、その時間に動ける状態を作るためのものです。

企業担当者は、社内の実情に合わせて次のような方法を組み合わせます。

  • 個人または部署ごとの案内時刻を明示する

  • 掲示やメールだけでなく、上司やライン責任者からも伝える

  • 当日の勤務場所や休憩時間と重なっていないか確認する

  • まとまって移動する部署には、集合場所と移動開始時刻も伝える

  • 変更が生じた場合の連絡先を決める

周知する時間があっても、本人が把握し、勤務上その時刻に会場へ行けなければ、時間割は機能しません。

守られる時間割を作る5つの手順

1.医療機関へ1枠の受入人数を確認する

15分または30分の1枠に何人を案内できるか確認します。人数だけでなく、健診コース、受付書類、検体、男女の切り替えも伝えます。

2.部署やラインから人を出せる単位を確認する

表を作る前に、少人数ずつ出せる部署と、まとまって動く必要がある部署を分けます。

3.業務上動かせない時間を先に除く

製造ラインの稼働、朝礼、休憩、交代勤務などと重なる時間には、実際に来場できる人だけを割り振ります。

4.受付を基本の出発点にする

企業側の判断だけで複数の検査を出発点にせず、受付後の順路は医療機関と相談します。男女を分ける場合は、受付だけでなく後工程まで含めて時間帯を確認します。

5.作成後に各部署の責任者へ確認する

人数が均等かだけを見るのではなく、その時間に本当に従業員を出せるかを現場の責任者へ確認します。守れない枠があれば、周知前に組み直します。

まとめ

巡回健診の時間割は、人数を均等に割り振っただけでは機能しません。

100人を9時から11時までの8枠へ分けても、一部の製造ラインの従業員がまとまって来場すれば、受付で混雑します。問診票や検体が多い健診コースでは、同じ人数でも受付処理に時間がかかります。男女別の運用を反映せずに割り振ったり、医療機関と相談せず複数の検査から開始させたりすると、後工程で待ち時間が生じることもあります。

企業担当者が確認したいのは、「1枠に何人入るか」だけではありません。「その人たちは本当にその時間に来られるか」「受付で何を確認するか」「その後の検査まで流せるか」を、医療機関と各部署の責任者の両方に確認することが重要です。

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※1枠7~15人、100人を9時から11時までに案内する例は、時間割の考え方を示すための運用例です。実際に受け入れられる人数や適切な区切り方は、健診コース、スタッフ数、機材数、会場、受付方法によって異なります。依頼する医療機関へ事前にご確認ください。

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