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巡回健診で男女の受付時間を分ける理由|心電図とレントゲンの混雑を防ぐ

巡回健診の打ち合わせで、医療機関から「男性と女性の受付時間を分けてください」と言われることがあります。

初めて健診を担当する人からすると、「同じ検査を受けるのに、なぜ分ける必要があるのか」と感じるかもしれません。

これは単なる案内上の都合ではありません。男女が交互に来場すると、心電図とレントゲンで使える検査場所が減り、同じスタッフ数でも受診ペースが落ちることがあるためです。

■ 男女混合で影響が出やすい検査

特に影響が出やすいのは、次の検査です。

・心電図
・胸部レントゲン
・胃部レントゲン(バリウム)

いずれも着替えや肌の露出があるため、同じ検査場所へ男性と女性を同時に案内できない運用が一般的です。

ただし、検査方法や設備、プライバシーへの対応は医療機関によって異なります。実施前に必ず確認してください。

■ 心電図で起きる時間ロス

巡回健診では、1人の検査技師が2台のベッドを使って心電図を取ることがあります。

例えば、1台目のベッドで検査をしている間に、2台目のベッドへ次の受診者を案内します。準備と検査を重ねることで、1人の技師でも受診者を効率よく進められます。

しかし、1台目に男性が入っているとき、同じ検査スペースへ女性を案内できない運用であれば、2台目のベッドが空いていても女性は待つことになります。

受診者が「男性、女性、男性、女性」の順番で来ると、2台あるベッドを実質的に1台ずつしか使えない時間が増えます。

つまり、心電図そのものにかかる時間が長くなったのではなく、プライバシーを守りながら受診者を入れ替える時間が増えたことで、検査全体の処理能力が下がります。

医療機関によっては、検査技師1人につきベッド1台で運用している場合もあります。この場合、男女を分ける効果は異なるため、「ベッドは何台あるか」だけでなく、「実際に同時使用するか」まで確認する必要があります。

■ レントゲン車で起きる時間ロス

胸部レントゲン車には、一般的に2~3人程度の受診者が入れることがあります。

車内では、1人が撮影している間に、ほかの受診者が着替えや撮影準備をします。この流れが続けば、撮影後すぐに次の受診者へ交代できます。

一方、同じ車内へ男性と女性を同時に入れない運用では、男性が車内にいる間、女性は外で待ちます。女性へ切り替えるには、車内の男性全員が撮影と着替えを終えて外へ出る必要があります。

その後に女性が入り、着替えを始めます。

男女が少人数ずつ交互に来ると、そのたびに車内を空にして性別を切り替えることになり、撮影していない時間が増えます。

特に着替えが必要な服装の場合、この時間ロスが大きくなります。女性は胸部レントゲンの撮影前に下着を外すよう案内されることもあり、男性より準備工程が多くなる場合があります。

これは受診者個人の準備が遅いという話ではありません。必要な準備工程が異なるため、その時間を最初から運営計画へ入れておく必要があります。

胃部レントゲンのバリウム車でも、同じように男女の切り替え時間が発生することがあります。

■ 服装案内だけでは完全に防げない

事前に撮影可能なTシャツを着てもらう、必要に応じて下着を外しておいてもらうなど、準備を徹底すれば時間ロスは減らせます。

ただし、勤務中に受診する企業健診では、スーツや制服のまま来場する人もいます。女性に対して、事前に下着を外して待つよう一律に求めることも現実的ではありません。

そのため、「受診者が完璧に準備してくれること」を前提に時間割を作るのは危険です。

服装のルールは医療機関によって異なります。撮影可能なTシャツの条件や下着の取り扱いを確認し、その内容を受診者へ事前に案内します。

■ 医療機関との打ち合わせで確認すること

男女別の時間割を作る前に、次の点を確認します。

【心電図】

・検査技師は何人か
・ベッドは何台か
・1人の技師が2台を同時に使うか
・男女を同じ検査スペースへ入れない運用か

【レントゲン】

・車内へ同時に何人入れるか
・男女を同じ車内へ入れない運用か
・1時間または15分あたりに何人撮影できるか
・着替え場所を車外にも用意する必要があるか
・バリウム車でも男女を分ける必要があるか

「スタッフは何人来ますか」だけでは、実際の受診ペースは判断できません。検査場所を何台同時に使えるかまで確認することが重要です。

■ 男女別にしたうえで人数も分ける

「9時から10時は男性、10時から11時は女性」のように男女を分けるだけでは、混雑を完全には防げません。

9時ちょうどに男性が一斉に来れば、受付や採血で別の混雑が起きるためです。

男女を分けたうえで、15~30分ごとの人数も決めます。

例としては、次のような考え方です。

・9時00分 男性○人
・9時15分 男性○人
・9時30分 男性○人
・途中に遅刻者や検査の遅れを吸収する時間を入れる
・その後、女性の受付時間へ切り替える

○人の部分は、心電図やレントゲンの処理能力を医療機関へ確認して決めます。

遅れて来た男性を、女性の時間帯へそのまま案内すると、再び性別の切り替えが発生します。遅刻者をいつ案内するかも事前に決めておくと、当日の判断がしやすくなります。

■ まとめ

男女別の受付時間は、単に男性と女性を分けるためのものではありません。

心電図のベッドやレントゲン車を効率よく使い、着替えと性別の切り替えによる停止時間を減らすための運営方法です。

ただし、男女を分けるだけで混雑が解消するわけではありません。

・医療機関の検査方法を確認する
・男女別に時間を分ける
・15~30分ごとの人数を決める
・服装を事前に案内する
・遅刻者の対応を決める

ここまで準備して、初めて当日の流れが安定します。

医療機関との打ち合わせ前後に確認したい内容を、初心者向けの無料資料「巡回健康診断 事前確認10項目」にまとめています。

https://docs.google.com/document/d/1dH5-lYd8yPhHFh9WcqZH9I9ib2fVn0UAPtN3AII47wI/edit?usp=sharing

※医療機関によって人員配置、検査方法、プライバシーへの対応は異なります。実施前に、依頼する医療機関へご確認ください。

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