【大学教員のリアル④】one to oneの学生対応という感情労働
「大学教員のリアル」第4弾です。
大学教員の仕事は、
授業と研究だけだと思われがちだ。
だが、実際には、
その間に挟まれる「個別対応」が、
かなりの割合を占めている。
しかもそれは、
ほとんどが one to one だ。
学生は、同じ場所に立っていない
同じ教室で、
同じ授業を受けていても、
学生たちが立っている場所は、まったく違う。
理解力の差。
学習経験の差。
家庭環境や経済状況。
メンタルの状態。
それらは、
外からは見えにくい。
だが、
個別に話をすると、
必ず浮かび上がってくる。
答えを出す仕事ではない
学生対応で難しいのは、
「正解を教えれば終わり」ではない点だ。
むしろ、
こちらが答えを出してしまうと、
学生の考える力を奪ってしまうこともある。
だから教員は、
問いを整理し、
選択肢を示し、
本人に考えさせる。
時間も、神経も使う。
感情は、持ち帰らないようにしているが
学生と向き合うとき、
できるだけ感情はフラットに保つ。
だが、
それが常にうまくいくわけではない。
深刻な相談。
不安定な状態。
どう声をかけるべきか迷う瞬間。
研究室のドアを閉めたあと、
「あの言い方でよかっただろうか」
と考えることも、少なくない。
大学教員の感情労働は、
表に出にくい。
全員を救うことはできない
これは、
教員を続けていると、
必ず直面する現実だ。
全員を救うことはできない。
できるのは、
その学生にとって、
今、必要な範囲で関わることだけだ。
無理に背負い込めば、
教員自身が消耗してしまう。
線を引くことも、
専門性の一つだと思っている。
one to one が当たり前の仕事
大学教員の仕事は、
実は、とても個人的だ。
学生一人ひとりと、
違う距離感で向き合う。
マニュアルは、
ほとんど役に立たない。
経験を重ねながら、
少しずつ、自分なりの対応を作っていく。
これは、
若い頃より、
年齢を重ねてからのほうが、
うまくできる仕事かもしれない。
おわりに
one to oneの学生対応は、
確かに、消耗する。
だが同時に、
仕事に意味を与えてくれる部分でもある。
学生が、自分の言葉で考え始めたとき。
少しずつ、前を向いたとき。
「相談してよかった」と言われたとき。
その瞬間のために、
今日もまた、研究室のドアを開ける。
大学教員という仕事は、
静かだが、
確実に人と向き合う仕事である。
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