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【事例記事マニア】第0回 すばらしい事例記事の世界

わたしは、BtoBの事例記事を作る人間です。毎週どこかの会社に取材して、「こうしてDXがうまくいきました」「××を導入し、課題を解決しました」という導入事例を、記事に仕立てています。

そんな仕事をしていると、職業病が出ます。他の事例記事が、気になって仕方がない。 良い事例を見れば「うまいなあ」とうなり、惜しい事例を見れば「あー、もったいない」とつぶやく。気づけば、頭の中で勝手に点数をつけている。

ときどき、参考になりそうな事例をまとめて、お客さんにお渡しすることもあります。「こういうやり方、参考になりますよ」と。そうやって何百本と事例を浴びているうちに、良し悪しの見分け方が"型"になってきました。

その"ものさし"を、このシリーズで明かします。良い事例を紹介しながら、その記事がなぜ良いのか——あるいは、どこが惜しいのか——を、10点満点で分解していく。第0回では、どんな視点で評価するかを紹介します。

5つのものさし(各2点・合計10点)

  • 再現性……他の企業・他の業種が「うちでもできそう」と思えるか。自慢話は0点、ある程度の設計図があると2点。

  • DX構造性……ただのIT導入か、それとも仕事の前提そのものを変えたか。ツールを買っただけだと点は伸びません。

  • 組織変革……人・組織・文化が動いたか。トランスフォーメーション・変革のない事例は寂しいですね。

  • 定量成果……指標の変化――つまり数字があるか。「効率化しました」ではなく「◯%減らしました」。ここが一番、差がつきます。

  • トレンド性……生成AI・エージェント・データ基盤——いま話題の潮流を盛り込んでいるか。これは工夫次第のところもありますが、新たなやり方は積極的に紹介したいですね。

点数の読み方

8.5点以上なら「文句なし、すぐ紹介したい」。8点そこそこでも、十分に面白い。この連載で取り上げるのは、基本は8点以上。ただ、たまに6点台とか7点台も混ざるかもしれません。点が高いから紹介する、とは限らないんです。 スコアに関係なく、独断と偏見で「これは特筆すべき」と唸った事例は、遠慮なく紹介します。"惜しい"事例にこそ、共通の落とし穴と、妙に光るものが同居しているんですよ。

ついでに白状すると、ものさしは一律じゃありません。物理世界のDX(工場・ロボット)なら組織変革より"現場への実装"を重く見るし、ベンダーにも癖がある。数字が出やすい発表元と、出にくい発表元がある。そのへんの裏側も、解説できるといいですね。

これは、誰のための連載か。

事例記事の紹介記事……この連載はだれのためなのか。BtoB事例を出したいあなたの会社が、自社の事例を強くするための解剖です。作り手が、作り手の目線で、事例をひらいていく。だから毎回、最後に「あなたが事例を出すなら、ここに着目してほしい」というヒントを、置いていきます。

事例は、ワインみたいなものです。同じ畑でも、仕込み方ひとつで格が変わる。わたしはワインの味は評価できませんが、事例記事の良し悪しは少しはわかります。

これから、気の向くまま不定期に紹介していきます。第1回は、どこの事例でしょうか。しばらくお待ちください。

そうそう。この連載は事例を「見る目」の話ですが、「作る手」のほうも書いています。AIとともに、事例記事そのものを内製化するやり方について連載しています。簡単にできるところからステップアップしていくシリーズです。気が向いたらぜひお試しください。

事例記事のつくりかた、連載中


この記事を書いているのは……


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アンジー森(森 英信) 面白い、役にたったと思ったら、応援をおねがいします。手首もげ、老眼、浅い睡眠……ジジイに愛の手を〜