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【シロクマ文芸部】初恋の構図 #花びらを #BL
花びらを降らすような、世界中から祝福されるように始まった恋だった。
「いや本当に、桜の精かな? ってくらい愛くるしかったんですよ」
満開の花の下での出会い。
幼い初恋は、今もまだ完璧な構図として脳裏に焼き付いたまま。
もし史郎に絵心があれば、生涯に渡って追い求めるモチーフとなっただろう。そうしてどうあがいても再現出来ないだろう衝撃に、衝動に、芸術家は生涯絶望を抱え続けただろう。
「拗らせてるなぁ」
「自覚はありますよ」
苦笑しながらも否定しないで聞いてくれる友人に、自然と史郎の笑みも深まる。
思うに、卒園して小学校で離れ離れになったのが拍車をかけた。どうしても疎遠になって、そのくせ忘れることなんて出来なくて。いつしか辛い時に寄り添ってくれる心の支えのような存在に昇華した頃、再会したあの子。
「なのに彼、何て言ったと思ます?」
ーーああ、いたいたそういう奴。覚えてるって、久しぶり
軽い。あまりに軽い。
幼くも美しかったかつての初恋に胸を躍らせる、思春期の自意識を滅多刺しにするようなものであった。
可愛さ余って……ということわざを、身を持って実感するに至った瞬間である。
「八つ当たりだという自覚はあったのですが……僕の言動に怒ったり拗ねたりいじけたりする律儀さが可愛くて、つい止められなくなりまして」
「それは分かる」
最近やっと、ようやく、意中の相手と付き合いだした友人も何かしら思う所があるらしい。
「I don't want to miss a thing……映画みたいに綺麗なものじゃないですけど、愛情って極論は執着ですからね」
以上、667字。こちら参加させて頂きました。
こちらの拙作↓の、攻側、仁志史郎くん視点のお話です。
ちなみに友人くんは、こっちの委員長↓
