53才 空きの巣 を改造2LDK→1LDK
好きな物に囲まれて埋める寂しさ
皆さん空きの巣症候群という言葉をご存知ですか?
私は最近知りました。
〜以下Googleより〜
空の巣症候群(エンプティ・ネスト・シンドローム)とは、子供の進学や就職、結婚による自立をきっかけに、親が強い喪失感や孤独感、無気力感に陥る状態です。特に40代〜50代の女性に多く、更年期障害の時期とも重なりやすいため心身の不調が悪化しやすいのが特徴です。
これからも続くと思っていた息子との暮らしが突然終わる
私はありがたいことに3人の子どもに恵まれました。
上の2人は結婚が早く、42歳の頃から約10年間、一番下の息子と2人暮らしをしていました。
その息子は、「俺は結婚できないかも」と口にするほど、女性とお付き合いする機会のない青春時代を過ごしてきました。
だから私は、この先もずっと2人で穏やかに暮らしていくのだろうと思っていたのです。
大人2人の静かで平和な毎日。
心がざわつく事もなく、仕事が終わると食事の準備を2人でする。
たまにクスッと笑わせてくれる息子、重い物は持ってくれ、瓶の開封は息子担当。
特別な出来事はなくても、それが当たり前の日常になっていました。
ところがある日、「彼女ができた」と聞かされたのです。
歯を磨く時間と鏡を見る時間が長くなり、週に何回か帰ってこない日が増え、そこからは驚くほど早く、お付き合いは進みました。
そして、それから数ヶ月、息子はするっと家を出ていきました。
兄弟3人の中で1番おっとりして、行動も早くない息子。
兄弟からも心配されるくらいスローな息子が、彼女が出来たと言う報告から本当にあっという間。
「立つ鳥跡を濁さず」という言葉がぴったりなくらい、本当に何一つ残さず、部屋から荷物はすべてなくなり、そこにはきれいに片付いた空間だけが残っていました。
寂しさと驚きの中、それ以上に、幸せに向かって自分の人生を歩き始めた息子の背中を見送ることができたことを、親として嬉しく思ったのです。
そして2LDKの家に私1人の生活が始まりました。
4人用の小さめのダイニングテーブルに2人が寝転んでくつろげるゆったりしたソファ。
そこに1人。
これからさて、どうしよう。
そんな時に知った「空きの巣症候群」という初めて聞く言葉。
15年前長女が18歳で自立
もしかしたら、あのとき感じていた喪失感は、後から知った「空の巣症候群」と呼ばれるものだったのかもしれません。
その言葉を知ったとき、「ああ、あれはこの事だったんだ」と、あの頃の自分の気持ちがすっと腑に落ちたのです。
長女が家を出たあとに残されたのは、思春期真っ盛りの弟たち2人。
もともと息子たちは家では口数が少なく、家族の会話の中心はいつも娘でした。その娘もアルバイトで家を空けることが多かったのですが、それでも「ただ、そこにいる」という存在は大きかったのだと思います。
娘がいなくなると、これまで怒涛のように子育てをしてきた毎日から、突然ぽっかりと一人の時間が増えました。
何を失ったのか自分でもよくわからないまま、言いようのない不安だけが胸に残っていたのを覚えています。
作ったおかずが「今日は食べない」と連絡もなく余ってしまう日も増えました。
そして、家ではほとんど話さない息子たちが、友達の前では驚くほど楽しそうに笑い、おしゃべりをしている姿を見かけるたびに、少しだけ寂しくなりました。
「私って、何なんだろう。」
「ご飯を作るためだけの存在なのかな。」
そんなことを何度も考え、憂鬱に過ごした時期がありました。
息子が出た後の家
一人になって、私が一番不安だったこと。
またあの頃のように不安と虚無感に襲われ、やる気を無くしだらしない生活になってしまうのではないか、ということでした。
これまで私は、子どもたちのために家をきれいに整え、毎日食事を作ってきました。
冷凍食品やお惣菜に頼らないことも、私の中で誇りでした。
もちろん、疲れて簡単な献立の日もあります。でも、「できるだけ手作りで食べさせたい」という気持ちだけは、ずっと変わりませんでした。
これは私なりの愛情表現だったのだと思います。
だから、その相手がいなくなったとき、自分一人のために同じような暮らしを続けられるのだろうか。
部屋は散らかり、食事は適当に済ませ、気づけば毎日がただ過ぎていくだけ──そんな生活になってしまうのではないか。
それが、私には何より怖く、そんな姿を子供達に見せるわけにはいかないと思ったのです。
1人でも居心地のいい家にしよう
そうして私は、一つの決心をしました。
今ある家具をできるだけ生かしながら、本当に必要なものだけを新しく迎えよう。
孫が遊びに来たら、みんなで食卓を囲める空間に。
子どもたちが遊びにきたとき、「やっぱり実家は落ち着くな」と思える場所に。
そして何より、私自身が一人で過ごす時間を楽しめる部屋にしよう。
ちょうどその年に見た運勢にも、「模様替えは運気を上げる吉」と書かれていました。
「これはもう、やるしかない」と背中を押された気がしたのです。
こうして、私の小さな改造計画が始まりました。
まだ53歳だからこそできたこと。
あと数年遅ければ、体力的にも気力的にも「やってみよう」とは思えなかったかもしれません。
このタイミングで良かった、という事だったのではないか?
神様はまだ、この未熟な母の背中をそっと押してくれている、そう思うようにして「空きの巣症候群」に立ち向かうのである。
