見出し画像

【私の仕事】異動命令を断ったらクビになる?会社命令(辞令)の限界は【人事の仕事/通勤】


新年度から通勤に1時間かかる場所へ異動を命じられ、その辞令を断ったところ、会社側は「パートへの降格」や給与減少を伴う「時短勤務」を提示し、異動を受け入れなければ、退職を余儀なくされる状況に追い込まれた。


というニュースを読みました。

ーー

年が明けますと、多くの会社で新年度の会社組織の再編成が進みます。

そうすると、業務内容的にも物理的な勤務地的にも、新年度からは新しい職場での勤務をすることになる辞令を受ける方も多いです。

今回の件は、通勤時間&距離の負担が大きくなり、「家庭の事情でやむなく断った」にも関わらず、大きな不利益を受けることになるのはどうなのか、ということについてになります。


まず、前提として社員が理解しなくてはいけないことは、


多くの企業が作成している就業規則には「転勤を命じることができる」旨の規定があり、それを根拠に会社は従業員に転勤や異動を命じることが出来る


ということです。

そして、原則として、正当な理由なく転勤や異動を拒否することは出来ませんし、懲戒処分の対象になります。

社員は「会社運営のために雇用されている」という性質があるのですから、転勤についての考え方は当たり前だと思います。

それを踏まえた上での今回のポイントは、


辞令を受諾した場合、現状よりも将来的に「通常甘受すべき程度を著しく超える不利益」があるかどうか


というところです。

これは弁護士先生の表現で、簡単に言うと、

一般的に・普通に予想できるような、物理的な損害と心身の苦痛を超えるような不利益があるかどうか

ということです。


上記は、社労士的に言う「社会通念上相当・客観的で合理的」と似ているもの


と考えて頂ければ大体合っています。

では具体的にはどのような要件が当てはまるのか、ということなのですが、それを細かく記述しようとしますと、会社・社員の個別の問題なので(何万通りも考えられますので)、記述することはかなり難しいです。

しかし、一つの目安としては

「既に会社内に同じような状況の社員がおり、その社員はその状況を受け入れている」

かどうか、ということは言えます。

他の社員は出来て、あなたは出来ないとなると、「あなたが特別扱いされている」ということになりますので、こういった場合には、辞令の内容は社会通念上相当なもの判断されます。


ここからは「会社側視点」での話になります。

辞令というものは、会社として当然な理由があって発するものですから、上記に当てはまるようなことは(普通は)ありません。

しかし、第三者からみると、その辞令内容が

業務上の必要性が無い

不当な動機・目的が認められる

と見なされてしまうことがあります。

業種的に・その会社的に重要な事は、会社の内部にいる方々しか分かりませんので、仕方の無いことと言えてしまいます。

ですので、こういった・難しい辞令の場合には、一つだけでなく代替案を出す、ということが必要になります。


前述したように、会社には社員に対する転勤や異動を命じることが出来ます。

しかしそれは、会社の発展のために必要なものであって、社員に対して会社の優位性を知らしめるため、のようなものではあってはいけません。

会社運営に支障が出るような辞令は問題外です。

代替案を示したり、辞令内容をきっちり説明する、ということが必要です。



☆他の人事労務関連記事☆


今回の画像は【ちーぼー】さんからお借りしました。ありがとうございます。

いいなと思ったら応援しよう!

人事労務 StarVise | グルメと各種イベントも 読んだ方に、何かしらのプラスを届けることをいつも考えています。少しでも「読んで良かった」と思われる記事を書きます!