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絵を短時間でスラスラ描くのとじっくり丹念に取り組むとではそれぞれ良さがある


はじめに


 このところ早描きするのが性に合う。せっかちなわけではないし、あせっているわけでもない。じっくり描けないわけではない。時間を分ければそれも可能なはず。そうはせずに早く描き終えてしまうのは。

きょうはそんな話。

数年がかり


 油絵をよく描いていたのは20年以上むかし。ひとつを手がけると、乾くまでしばらく手をつけられないので、ほかも同時に着手する。そうして交互に時間をみつけて描いていく。ひとつにかける時間はそんなに変わりない。もちろん大きいとそれなりに時間を費やすが、サムホールサイズならば何度かで完成する。

したがって小さな絵が多くなり、てもちの作品をおさめる額縁は小さなものばかりに。あまりチマチマした小品ばかりだとのびのびした線が描きたくなるし、広い風景の場所にスケッチに向かいたくなる。たいてい忙しいときほどそんな気分になってしまったもの。

とはいえうっかり大きなキャンバスに着手して数年かけてようやく完成という例も。年をまたぐとその絵に対するモチベーションを維持するのもむずかしい。ほかへと興味や関心が移ってしまう。

そのかわり


 より忙しくなったときはむしろ人物のクロッキーデッサンに取り組むように。時間をみつけては身近な方に声をかけてモデルになってもらう。そうして休み休み1時間ほど集中して5,6枚描く。

まわりの協力いただける方々のおかげと、都合よく画家の先生にしばらく教われて、なんとかそこそこ描けるように。何度かの中断があり、そのたびにもう一度手を動かせるように立ち上げ直す。それでなんとか維持してきた。

すこし早くなった


 それで身についたこと。クロッキーは5分とか10分のポーズの早描き。それを何度も繰り返す。日課のようにできるのが理想形。やはり継続は力となり、はじめた当初よりもかたちの捉えられるように。

それとともにどこをしっかり描けばよいかとか、バランスや質感などいろいろな視点に目が行き届きはじめる。ちょうどそんな時期がいちばんたのしい。もちろん思うようにいかないほうがまだ多いが、それはそれとして紙の上に日付を書き入れておく。のちに見返すとここがおかしい、もうすこしこうすればがすこしずつ見えてくる。

早くとじっくり


 こうして早描きに慣れてくると、今度はじっくり取り組むのもいいなと思えるからニンゲン勝手なもの。油絵はそんな要求にそこそこ答えてくれるし、最近は色鉛筆がけっこう画材として優れていると気づいた。

手もとに置いておいてすぐに取りだして描け、時間が来たらすぐに仕舞える。そのくりかえしで作品ができ上がる。全体を毎回手を入れて描くやり方と、すこしずつ部分ごとに仕上げるやり方の両方を試してみる。どちらもおもしろい。

おわりに


 今回は絵を描くことと、絵を見ることの両方をやるつもりでいる。画家の作品の鑑賞を通じてその方々から、よし自分もというきもちを毎回いただいて帰る。

それがつぎの絵をはじめるきっかけに。それでいいと思う。思いもまま、気の向くままにやろうと思う。


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