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グロテスク・レッドに染まった男〜コロナ後遺症かっさで全身オケツだらけになった治療迷走記〜

これは、コロナ後遺症で歩けなくなった元部長が、人生ハードモードの中で
なんとか笑いを見つけた話です。
しんどい状況でも、少しだけ笑って息をしたい人に読んでもらえたらうれしいです。



46歳でコロナにぶっ倒された男の治療迷走記、始めます。

まず、ボクのコロナ後遺症の症状を改めてお伝えすると、4年前にコロナ罹患後、自律神経がバグったような不定愁訴の数々が頻出。細かいものを挙げるとキリがないのだが、一番の悩みは動くと身体が痺れてしまい倦怠感や脱力感が起きてしまうこと=満足に歩けないこと、である。

病院には10箇所以上受診した。特効薬はないと言われ、対症療法がいまの医学にできることなのだ。

なにせ未知の病なもので、西洋医学が頭打ちとなるとさてどうしようとなり、そこで大体の後遺症難民の人は東洋医学に活路を見出したくなる。

ちなみになぜか西洋医学の先生たちは東洋医学を認めたがらない傾向にある。そして東洋医学の何かしらの先生も西洋医学をよく思っていない傾向にある。なぜか仲が悪いのだ。どちらが正しいかではなく、どの場面でどちらが有効か、なのだと思うのだが。まぁそこは深掘ってもしょうがない。


ボクの主治医の先生は、東洋医学に敬意をもって話される。
初期の頃、痺れの悩みを尋ねると「痺れには鍼灸がよい」と言われた。なるほど〜と。鍼灸院を探してみることにした。検索検索。

近所で口コミも悪くない良さげな鍼灸院がみつかった。自律神経専門らしい。有名なアスリートも通っているとの触れこみが信頼感を増し、鍼灸はちょっと怖いけど背中を押される。新しい施術を受けるのは嫌いじゃない。著効して良くなるなんてことがあるやも知れないので、それが怖さより勝るのだ。いざ行かん!

鍼灸は初めてなのでお手柔らかにお願いした。
さばさばしたおばちゃん先生。昔、バレーかバスケなどやってたのかと思わせる長身。初号機を彷彿とさせる。

症状を説明すると親身になって聞いてくれた。
鍼は思っていたより痛くなかった。背中を中心に、足先や頭も。
ポカポカ温かい。うん、悪くないよ。

終わりに先生は言った。
「どんな病気も右肩上がりで良くなるなんてない、上下しながら良くなっていくもの。」
「その下の時に気持ちまで持って行かれないように。あとはこっちがやりますから。」

……OMG。
も〜泣かせないで〜。

この先生は頼もしい。
そりゃ予約が取りにくいわけだ。大体ひと月に1回くらいしか取れないが、しばらく続けてみよう。


SNSを徘徊していると、いろいろと情報は流れてくる。
鍼灸は受けることにしたが、並行して他のもチャレンジしたいという気持ちだった。気になる呟きを発見。

「かっさ」とはご存知だろうか。
女性の方が知っている人が多いかもしれない。美容法として浸透している。

ざっくり説明すると、専用のプレートで肌を擦り、血流やリンパの流れをよくする美容・健康法だ。それがコロナ後遺症に効くらしい。いやいやなんでもコロナ後遺症に繋げるんじゃないよ、いくら難民とはいえ簡単には騙されんぞ、弱みに付け込みやがってこの銭ゲバめ。なんて思いはさらさらなく、新しい情報には常に前のめりだ。だってSNSでは良くなったと呟いている人がいるんだから。自分に当てはまったらラッキーてなもんだ。

まだ金銭的に逼迫はしていない時期だったので、まず治る可能性のある施術は積極的に受けたいと思っていた。今はお金より健康が大事。お金なんて健康な身体に戻してまた稼げばいい。

かっさがコロナ後遺症に効くという説は科学的エビデンスが十分にあるわけではないが、そんなことは関係ないのだ。未知なんだから。とにかく試そう。検索検索。

エステサロンが多いけど、かっさ専門のところも見つけた。よし、行ったれ!
80分22000円。……ちょっと待ってくれ。本当に健康な身体に戻して稼がせてくれるのだろうな。約束できるか?はっきり言おう。高いぞ。思ってたより高かったぞ。お金は大事なんだぞ。…もう少し探そう。検索検索。

いろいろ見ていると相場が掴めてきた。よさげなところを発見。鍼灸院でかっさも施術するところだ。金額もまぁ相場より少し高い程度。いざ行かん!

擦ってもらった。
ゴリゴリと皮膚から5ミリくらい下に溜まった毒素を逃すために誘導するような手捌き。
痛くはないし、かといって気持ちいいわけでもない。
東洋医学には古い歴史があるというが、よくもまぁこんな技を見つけたものだ。最初に気づいた人になぜ擦ってみたか聞いてみたい。

しばらくすると、
背中が、胸が、腹が、腕が、脚が、オケツ。

瘀血=オケツ。
東洋医学において血液の循環が滞り、ドロドロとした「停滞した血液」が体内に溜まっている状態をそう呼ぶらしい。ボクは珍しいほどかなりの瘀血だった。おばちゃん先生が驚いていた。むしろ興奮していた。「こんなひと初めて〜♡」と。瘀血の人ほど擦ると肌が赤くなる。それは文字で〝赤くなる〟だけでは伝えられない赤さ。毒々しく、赤紫のその先の色とでも言うべきか。赤にも200色あるのかどうかは知らないけど、しいて名前をつけるならば、グロテスク・レッド。

ボクの身体は、まるでバイクに繋がれ高速道路を引きずられた人間そのものになっていた。ただ、皮膚が切れたり流血はしていないし、さわってもほぼ痛くない。不思議な状態。一応写真に収めたが、ここに転載はできない。通報案件になってしまう。

カーテンに仕切られた空間で施術を受けていたのだが、別の施術中であろう二人の先生がカーテンの隙間から目を輝かせながら覗いていたほどだ。

そこまで珍しいならなんか良くなりそうな気がしてきた。
たしかにおかしい。いままでたくさん検査をしても悪いところは見つからず、症状だけが存在感を増し続ける身体は、どこかおかしいところがないと納得がいかない。オケツだったのだ。オケツだらけの身体だったのだ。血液滞りまくりのリンパ止まりっぱなしの可哀想なオケチックボディ。

家に帰り、グロテスク・レッドを妻に披露すると大爆笑していた。

身体中のグロテスク・レッドは、日が経つごとに徐々に薄くなっていった。完全に消えるまではひと月くらいかかった。肝心の後遺症の症状はというと、残念ながら変わらなかった。でもオケツは解消されたはずなのだが。

もう一度、施術を受けてみる。
また全身を擦ってもらったが、今度は最初ほど赤く染まらなかった。オケツは解消されてきている。まだ解消されてなかったらオケツが原因の可能性とも考えられたが、解消されていても症状が変わらないというのは、オケツが原因ではないということになる。かっさによる検証は2回で終わった。

効く人もいれば、効かない人もいる。そんなことは、もうわかっている。
さ、検索検索。


もう少しで、いよいよ大殺界の年が始まる。

負けるつもりはないが、強い相手であることは理解している。
「やるな、お前もな」の域までは持っていくつもりだ。



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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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