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闇 459(ゾク子供に学ぶ編)

闇 459(ゾク子供に学ぶ編)

2026/01/21 wed
前回の章


二千十九年六月十六日、日曜日赤口。

今日は楽しい楽しい休みの日。
プーさんの缶を開け、中に入っている一万円札を眺めた。

2019/06/16 プーさんの缶 一万円札

中々いい感じでプー缶貯金ができている。
日々節約まではいかないが、競馬をそこまでやらず、パチンコも熱くならずにいれば、俺もこのぐらいは簡単にできるのだ。

実家から真っ直ぐ行った先の立門前通りの角にあったポケットマネー。
そこのマスターは癌で入院の為、店を手放してしまい、別のお店が新しくできた。
ブッフェスタイルの『カントリーファームキッチン』という長い名前の店だ。

俺が川越に帰って来た二千十六年にはオープンしていたようだが、あまり新しい店を近所で増やしても面倒なので顔を出していなかった。
さすがに家から徒歩一分の場所にあるのに、それはないだろうと今回初めて入ってみる。

元ポケットマネーの敷地内という事もあり、店内は手狭で一階でブッフェ、二階にテーブル席という造りになっていた。

2019/06/16 カントリーファームキッチン ブッフェ

中々料理の種類も豊富で、バイキングというのは俺の胃袋には嬉しい。
すぐそこの岩上家の長男だと自己紹介すると、店側ともすぐ打ち解ける事ができた。

2019/06/16 カントリーファームキッチン ブッフェ

持ち帰りの弁当もできるようなので、これから重宝しそうな店だ。
試しにと親父の分の弁当を持って帰る。

部屋でゴロゴロしてから夕方になると、ピザ屋のロッコへ向かう。

2019/06/16 ロッコ 店頭

気付けばこの店もすっかり常連になっていた俺。

2019/06/16 ロッコ 入口

入口にある大きな釜戸を眺めながら中へ入る。

2019/06/16 ロッコ 店内

店内は複数の客がいて、オープン当初の暇な雰囲気などとっくにない。
続けていればきっと大丈夫と言い切った俺も、面目躍如といったところか。

2019/06/16 ロッコ ソーセージのグリル

ソーセージのグリルをつまみながら酒を飲む。

2019/06/16 ロッコ ピザ

ピザが焼けると赤ワインを嗜みつつ、味を堪能した。

夜になるとアイノー皇帝を使ったチャットで、ひろみと恋人のような会話を楽しむ。
様々な人間がこのゲームに参加する中、二人で密かな逢瀬の時間を作るのは現実的に考えても興奮した。

しばらく眠っていた男女間の恋心。
日々次第に燃え上がっていくのが分かる。


二千十九年六月二十一日、金曜日大安。

アイノー皇帝内での連盟チャット。
これは一つのクランのようなもので、個々に出入り自由の選択がある。
もちろん俺とひろみも同じ連盟。
このグループ内のみでやり取りできるチャットもあり、俺が所属する『ジャパン』連盟は女子率が高かった。

時たまヤキモチを焼くひろみ。
最初の頃はまだ可愛く感じたものの、度を超すような感情の押し付けになると、どうしても過去を思い出してしまう。

朝苦しくて起きると、百合子が馬乗りで俺の首を両手で締めていた。
慌てて跳ね除ける。
「何だよ、朝っぱらから」
「誰? 春美って?」
百合子の口から春美というキーワードが出て驚く。
俺が寝言で「春美」と呟いたらしい。
百合子と付き合う前の話だし、俺は彼女の為にピアノを弾き、小説を書いた事を正直に伝える。
「ただ、百合子と付き合ってからは連絡一つしてないよ」
「そんなの私聞いてない! そんな思い出があったなんて」
そこを突っ込まれたら、自分はどうなのかとなってしまう。
百合子の娘の里帆と早紀。
あの子たちは百合子が前の旦那とセックスしてできた子供なのだ。
それでもそんな事を突っ込んだらおしまいだ。
だから俺は気にせずちゃんと愛情を持って接したし、あの子たちの為にと生きてきたつもりだ。
俺は冷静になるよう説く。
「じゃあ望って誰? ちゃちって子は? うめって人もそう。あなたは色々な子に本当格好をつけている」
今出たブログ仲間の女性陣の名前。
俺の小説を色々読んでくれ、長い感想になるからと、俺は携帯電話のメールアドレスを教えた。
つまり勝手に俺が寝ている時に、百合子は携帯電話を見ていた訳である。
「やましい事はしていない。俺にとって小説を読んだくれた人の感想ってどれだけ大切か分かるだろ? それに勝手に人の携帯電話を盗み見て、それで怒り出してさ……」
「智ちんは変わった! 前ならそんな携帯見たくらいで、そんな事を言わなかった!」
「これから百合子、仕事の時間でしょ? とりあえずもう止めよう。俺も整体があるし、百合子も仕事。揉めててもいい事なんて何もないよ」
そう言って百合子を見送る。
波長が合わなくなったな……。
整体にいても、その事ばかり考えてしまう。

軽度のヤキモチなら愛情表現の一つかもしれない。
しかし自制できないほどの感情の高ぶりは、相手の意思を奪い従わせたいだけの我儘。

百合子と別れた原因は岩上整体へ乗り込まれ罵倒された事だ。
しかしそれより前に自身の生み出した作品『忌み嫌われし子』と激しく蔑み三流お笑い芸人以下と嘲笑された事がきっかけ。

二千六年の時だから、もう十数年経つ。
それなのにあの当時を思い出すと、未だ眩暈を覚えるようなほどトラウマとして根底に根付いていた。

ひろみのズルい部分は、現在結婚して旦那も子供も四人いる状態で尚且つ俺の恋人という欲張った思考。
淋しかったという隙間があった頃まではいい。

しかし連盟内で誰々と楽しそうに話していた、本当は陰でコソコソやり取りしているんじゃないのなどと疑惑を向けられても正直息苦しくなるだけ。
お互いの顔も素性も知らないのに、そんな面倒な真似などしないと説明をしたところで、一旦火がつくと止まらなかった。

俺は四十七歳とはいえ、一度も離婚歴もなく独身できているのだ。
何かのきっかけでより好みの女と知り合えるなら、男として格好つけたくなるのも仕方ない。
但しゲーム内でできる事などたかが知れている。

今週は春最後のGⅠ宝塚記念開催があるので、俺は羽振り良さそうなところを連盟の女たちへ見せるべく、フェイスブックとツイッターへ写真を公開した。

2019/06/21 宝塚記念 小江戸号

宝塚記念なので3-11に馬連十万一買いか、ワイド馬券で半分ずつ。
十万円の札を広げ、口元を隠すように自撮りした写真を見たアイノー皇帝の女たちからは、結構な数の友達申請があった。
この投稿を見て大激怒したのはひろみのみ。

競馬は元々しているし、目立つ為にやった訳ではないと説明してもひたすら責めてくる。
うんざりした俺は、業務中というのもありゲームからログアウトしたまま過ごす。

二千十九年六月二十二日、土曜日赤口、夏至。

この日は朝方までずっと客が引かず、忙しかったのが逆に良かった。
余計な事を考えずに済む。
早番が出勤して仕事を終えると、俺は一目散に新宿のウインズへ向かう。

当初は3番エタリオウ、11番スワーヴリチャードと思ったが、出馬表を見ている内に2番レイデオロもいいんじゃないかと思いだしてくる。
12番リスグラシューは牝馬なので今回は切る事にした。

よって馬連、ワイドで2-11と3-11の四点に十万円を突っ込む。
馬券を持った状態で写真を撮り、フェイスブックへ投稿

2019/06/22 宝塚記念 ウインズ新宿

アイノー皇帝にはログインしていないままだが、何の為に十万も賭けたのかこれでは意味がない。
帰りの電車の中でログインすると、ひろみから猛烈な文句が残っていた。

俺は気にせず連盟チャットで宝塚記念へ十万賭けた事を書くと、一斉にみんなの話題が集中する。
個人的なチャットで連絡を取ろうとするひろみ。
あえて返事をせずにみんなとワイワイ過ごす方向に専念した。

金持っているんだぜアピールを終えた俺は、アイノー皇帝のログアウトしたまま。
宝塚記念さえ当たれば問題ないのだ。

ひろみから着信が何度も鳴ったが、無視して夜に備え寝る。

夜になると新宿歌舞伎町へ向かういつものルーティン。
今日もラッキーハウスは忙しい。

二千十九年六月二十三日、日曜日先勝。

業務を無事終えると、山下が飲みに行かないかと誘ってくる。
ひろみのしつこさに対する愚痴も言いたかったので、付き合う事にした。

「岩上さんの金をどう使おうと自由だし、周りに迷惑掛けている訳じゃないすからねー。それに人妻で旦那と別れる気はないけど、岩上さんを拘束したいって、何すか、それ?」
「だろ? 何都合いい縛り方をしようとしてんだよって」

「あ、もう一杯ビールいいすか?」
「何だよ、結局おまえも俺にタカり目的じゃねえか。まあ好きなだけ飲め」

「へへ、ちゃんと相談に乗ってんじゃないすか」

休みなので家に帰ってから睡眠を取った。
起きると夕方、宝塚記念のレース結果を見てみる。

「……」

一着12番リスグラシュー、二着1番キセキ、三着11番スワーヴリチャード
十万円が一瞬でパーだ……。

深い溜め息を吐いて、アイノー皇帝の女性陣に慰めてもらおうとログイン。
しかし俺が競馬で十万円を失った事など、さほどみんなにとってどうでもいい事のようで話題はすぐ別方向へ行く。

何となく苛立ちを覚えた俺は、自分のせいなので怒る訳にもいかずジャパン連盟を脱退という意味不明な行動をしてみた。
課金をそこそこしている戦力値の高い俺が抜けると、みんなが追い縋ってくる。
裏を返せばみっともない承認要求であるが、少しは俺のイライラを理解してほしかった。

セブンスターに火をつけながら、四十七歳になってやっている事がガキそのもので何の成長もないなあと自己嫌悪に陥る。

本来ゲームとは暇潰しの為であり、また本人が楽しむ為にプレイするもの。
携帯電話を使った気楽なオンラインゲームは、この要素に加わりリアルな人間関係も加わってくるので質が悪い。

一人一人に意思があり、自分の思うように動いてはくれないのだ。
俺の身勝手な行動はやがて一人ずつ離れていき、孤独感を深めただけに終わる。

見栄を張って競馬で金を溶かし、ゲームでも金を掛け、結果相手にされなくなるという愚直な行動。
こんな世界から辞めてしまえばいいだけの話であるが、課金額も七万円以上継ぎ込んでいた。
つまりプレステーション4の本体を二個ほど買える金額を使っていたのである。

壊れた部屋にあるプレステ4を見た。
スイッチを押すも会い変わらず動かない。
俺は乱暴に蹴飛ばして、またアイノー皇帝へログインした。

『だいすき』

個人用チャットに届いていたひろみからのメッセージ。

うん、せっかくここまで金を賭けたのだ。
人妻だろうと何だろうと一度は抱いておくか。
じゃないとすべてのこれまでの行動が無に帰してしまう。

ここ数日で起きた事。
整理するとひろみにうんざりして顔も知らない大勢の女に格好つけようとした。
結果大金を失い、ほとんどが去って行った。
孤独になった俺を癒してくれたのはひろみ。

何を俺はやってんだかなあ……。

元の木阿弥とはこういう事をいうのか?
仕方なく俺はひろみへ返事を返した。

『ツイッターのほうで言ってよ』
『やだ』

即答で断られる。
当たり前だ。
現役の人妻がゲーム内で俺たち二人だけの間だけならともかく、インターネットを使って旦那以外の男が好きですよなんてあえて公言する奇特な女などいるはずがない。

こんな調子で結局元の鞘に収まる形になったひろみとの関係。
不本意だが他に自身を慰める要素がない以上、今の与えられた状況で何とかつぎはぎしていくしかないのである。

こんな調子で俺は六月を終えた。


二千十九年七月三日、水曜日赤口。

今日は店長の橋本が休みの為、山下も川崎もダレた感じである。
もちろん俺も人の事は言えない。
一人は休憩し残った二人で店を回すとルールを三人で作ると、交代交代で順番通りこなしていく。

携帯電話ゲームは真夜中になると、ほとんど活動する人間がいない。
基本的にサラリーマンや人妻たちが暇潰しで始めたようなゲームである。
完全夜型の俺のような人間など、普通はいないのだろう。

いつも持ち歩いていたUSBメモリーを店のパソコンに差し、情報を入れる。
昔懐かしいPCエンジンのエミュレータを入れ、ゲームをしていると画面を見た川崎が驚き声を掛けてきた。

「あ、あ、あ、赤崎さん! な、な、な、何でパソコンで昔の、ゲ、ゲ、ゲームができんの?」

説明したところでパソコンの原理を知らない人間では話にならない。
俺の持つ七つのスキルの内の一つだと出鱈目な説明をした。

「え、す、す、す、凄いね!」
「前に話した極限流龍虎乱舞の話をしたじゃないですか。あれと並ぶ俺の特技の一つなんですよ」

「す、す、凄いなあ」

過去この手の会話で俺はいつも川崎を適当にあしらっていた。

「そ、そ、それでさー、お、俺はね、か、角平の唐揚げがさ……」
「それは覇王翔吼拳的なものですね」
「そ、そうだよね。で、でもさー、しょ、しょうが焼き弁当のほうも、す、捨て難いわけよ」
「それは極限流奥義龍虎乱舞ですね」
「お、俺もさー、ス、スロットが調子いい時はね、や、やっぱいいもの食いたいじゃん」
「正に飛燕鳳凰脚ですね」
まるで飴に纏わりつく蠅のような鬱陶しさを覚えつつも、そう邪険にもできず、龍虎の拳ネタで適当に返す。
これでも彼はラッキーハウスで気の合う従業員ナンバーワンなのだから。

俺の休憩交代時間が来ると、川崎は昔を懐かしみながらパソコンでゲームに熱中していた。

再び山下、俺と交代が回ってくる事は、店内も客がかなり引いている。
最後の小久保冬芽が帰るとノーゲストになり、一気にみんなだらけた。

ふと今の心境が頭の中に絵をして浮かぶ。
俺はフォトショップを立ち上げ、久しぶりに絵を描いてみた。

2019/07/03 泡の絵

海底の地面から無数の泡がボコボコと出てくるだけの意味不明な絵。
自分でも何故こんなものを描いたのか分からない。

適当に働き、適当に生きるだけの俺。
それでも時間だけは経ち、寿命はどんどん削れていくぞとでも表したかったのだろうか?

一体俺はどこへ向かい、何をしたいのかまるで分からない。

泡の絵を眺めていて連想するのが、社会に出る前に弾けたというバブル時代。
高校生の俺から見た世の中は、笑顔と活気に満ち溢れていたのだけはぼんやりと覚えている。

それが虚像だったとしても、あの頃の雰囲気は間違いなく幸せそうな人々で一杯だった。
まだ世の中の人間が希望というものを持てた頃だったのではないか。

こんな俺のような生き方の人間が四十七年もこの世にいるのだ。
そりゃいくらだって日本もその分だけ徐々に削り取られ、少しずつでも停滞する訳である。


二千十九年七月七日、日曜日仏滅、小暑。

仕事終わりに山下川崎コンビが、パチンコ屋マルハンが七のゾロ目の日だから出るという怪情報をしきりに言ってくる。

「いや、休みだし帰ってゆっくり寝るよ」
「岩上さんの時間に余裕あるからこそ言ってんじゃないすか」
「きょ、今日は、ヤ、ヤ、ヤバい日だよ!」

2019/07/07 パチンコ屋マルハン 新宿店

七夕の日曜の朝だと言うのにパチンコ屋の抽選に並ぶ俺たち。
雨もそこそこの降りの中、こうまでしてする価値があるのか?

「おい、何か一番街通りのほうまで人が並んでねえか?」
「そりゃあそうすよ。今日は七七で一年に一回しかないですからね」

2019/07/07 パチンコ屋マルハン 新宿店

結局ゴジラホテルを回る形で銀だこのある店舗の前まで行く。
他にする事がないのかコイツらは……。

数千人が並ぶ抽選を終え、順番通りに店へ入る。
そこまでして俺は三万負け。
さすがにブチ切れて帰った。

セブンイレブンで七百円くじを実施していたので、大量にセブンスターボックスを買う。

2019/07/07 セブンイレブン 700円くじ

全部でニ十個の当たり券を引き、これはどこのセブンイレブンでも商品と交換できるようだ。

二千十九年七月八日、月曜日大安。

また元の彼女気取りになった人妻ひろみ。
現在自分が何を求め、どうしたのかまるで分からない俺。

一つだけ確実なのが、淋しい思いをするのだけは嫌だという気持ち。

四十七歳、金も無い。
こんな男を誰が好む?
何か実績がある訳でもない。
裏稼業で日銭を稼ぐだけの男。

ひろみは定期的な連絡を俺に望んでくる。
どこで何を食べたか。
どこへ行ったのか。
誰と会ったのか。

元々人を束縛するのが好きなのだろう。
面倒だが、また揉めるのも嫌だし孤独を味わうのも嫌な俺は、大人しく彼女の要望へ従う。

セブンイレブンで当てたくじを商品と交換し、弁当を買う。

2019/07/08 セブンイレブン くじ引き換えと弁当

帰り道大正浪漫通りを通り、化粧品加賀屋のおばさんと世間話。

2019/07/08 大正浪漫通り 加賀屋

続いて隣りのスガ人形へ入り、栄治さんと会話。

2019/07/08 大正浪漫通り スガ人形店

このような些細な事すら報告すると、ひろみは喜んだ。

仕事時間になりゆっくりチャットをする為、特急小江戸号に乗る。

2019/07/08 西武新宿線 小江戸号

どんな電車なのか九州にいるひろみには何も分からない。
俺は指定席ありのただ西武新宿駅へ向かう電車なだけだと説明。
それでも車内の様子を見たがるので小江戸号内を撮影。

自我というものが欠けた状態のまま、今日も俺は新宿歌舞伎町へ向かう。


二千十九年七月九日、火曜日赤口。

夜中になり客足も途切れた頃、番頭の香川から連絡が入る。
今から事務所へ来てほしいとの事。

場所が分からないと言うと、電話で説明するからそのまま来いと言う。
花道通りを真っ直ぐ歩き、区役所通りを超えてもまだ真っ直ぐ。

目の前には裏ビデオ屋メロンの倉庫があった九州ラーメン『博多っ子』の看板が見えてくる。
歌舞伎町浄化作戦の終わりに俺のせいで警察へパクられた野路。
あの日本で一番不潔だった男がかつて住んでいたマンション。

野路が亡くなった今、あの不潔な部屋はどうなったのだろう?
さすがに見に行く気にもなれないが。

左手には今はもう閉店してしまった食事処『とよま』があった場所。
そこを左に曲がりホテル街へ入った。

2019/07/09 新宿 九州ラーメン

香川の説明が分かりづらく、近くのマンションへ入ろうとする。

2019/07/09 新宿 事務所間違え

言われた通りの配置がまるで分からない。

2019/07/09 新宿 事務所間違え

入口がオートロックで開かないと伝えると、そこは違うマンションで隣りだと言う。

「似たような建物ばかりで分からないですって! 何か店の看板があるとか何かしらないんですか?」
「虎家だったかな? 和食の店が看板出ているところですよ」

2019/07/09 新宿 事務所前虎家

本当に香川は説明が下手だ。
はなっからこう言ってくれればスムーズに行くものを。

2019/07/09 新宿 事務所前

茶色のレンガのようなデザインのマンションは、オートロックもなくすぐ入れた。
エレベーターで四階へ上がり、指定された部屋へ向かう。

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