闇 594(華より団子編)
闇 594(華より団子編)

2026/06/25 thu
※闇シリーズは不細工で片輪の知恵遅れみたいなガキだ。文学界では異端で、多くの人から愛されない。せめて成人(完結)するまでは親である俺が面倒を見ないとな。
※スキ二度押しユーザーは本当にウザいのでブロックする事にしました。
前回の章

二千二十三年一月十七日、火曜日先勝。
そういえばでったんが九州からこっちへ来るのって、いつだったっけ?
インカジ『レディ』のシフト問題もあるから、早めに聞いておこう。
『二月はいつ頃来るの? 岩上智一郎』
『うんとね、二月二十六日から二十八日あたり。 出口貴行』
二月の前半シフトではなく、後半になるのか。
まだ先の話だけど、予め早めに分かっておいた方がいいよな。
『決まったら早めに教えてね。休み取る都合で。 岩上智一郎』
仕事を終え、帰る前に名義社長になった倉敷が明日は食事会をすると言われ、叙々苑に行く事が決定した。
下手に魚類しかない寿司屋や、すき焼きになるぐらいなら、純粋に焼肉のほうが無難なので、俺が提案して湯浅が合わせてくれる形になる。
本当にこの辺の気遣いは、大場系列の凄さの一つ。
定期的に行う食事会は、すべて組織持ちで従業員は一切金が掛からない。
宮古島旅行のように強制的なものは困るが、三ヶ月で二回ほどの間隔である食事会は美味しいものが食べられるので有り難かった。
但し過去を振り返るとコロナワクチンの半ば強制的な接種もある。
あれで俺は心筋梗塞になったのだ。
あれは二千二十一年…、今から一年以上も前の事。
十月分前半のシフト表を入口のドアに貼る。
片屋敷はワクチン二度目の摂取を十日に打つのか?
何で連休なんだろ?
湯浅もそうだ。
十一日と十二日を連休にしている。
「片屋敷さん、二回目のワクチンって二日も必要なんですか?」
「違いますよ。一日だけだけど、腕が痛くなったり副作用があるんですよ。だから念の為に連休にしたんです。あ! 岩上さんとホッシーだけじゃないですか、まだワクチン打ってないの。早く打たないと、また小西さんの小言始まりますよ」
「今日出勤前に接種券、家から取ってきたから、あとは予約を入れるだけですよ」
「早くしたほうがいいですよ」
本当はワクチンなんて打ちたくないよなあ……。
まあ組織の方針だし働いている以上、しょうがないか。
赤心堂病院の担当医塚越先生は、ワクチンと心筋梗塞の因果関係は無いと言った。
医学的根拠ではそうなのだろう。
だが、自分の身体だ。
明かにおかしな部分はある。
あの時で五十歳になったばかり。
入院歴も扁桃腺や盲腸であるものの、それ以外で医者へ行ったのは試合で骨を折った時ぐらい。
ワクチンを打った翌日突然心筋梗塞になり、当時はその症状に気付かず心臓が痛いだけで済ませ、一週間後に二度目の心筋梗塞で死に掛ける。
それから一年と三ヶ月が過ぎたが、カテーテル後の後遺症で右脚の痺れと若干の麻痺のみ以外、五体満足で健康な身体。
つまり五十一年間生きてきて、ワクチンを打った一週間の期間で都合よく二度も心筋梗塞になるものなのかという疑問。
たらればは過ぎたからこそ言えるが、確率的にどう見てもおかしい。
結局入院費四十二万と、三ヶ月に一度ある定期健診と薬代でこれからも続く約三万円ぐらいの金は、俺は生涯払い続けねばならない十字架。
本当に厄介で面倒なものを抱え込んでしまった感じだ。
だからこそ明日は、生命の源である高級肉をガンガン胃袋へ詰め込んでやろう。
二千二十三年一月十八日、水曜日友引。
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