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都会は社会的役割ですら「大人の厨二病」であることを許可している:前回記事の補足として【ショートひとりごと】

前回の記事にて「都会(東京)は地方に比べ〈年齢役割〉が薄いから、中年以降の人々も男女問わず若見えしやすくなる」と語った。

読み返して、少し補足をしたくなった。前回は

●40代でもバンド
●50代でもDJ
●古着漁り
●サウナマニア
●VTuber

のような、比較的「プライベート側の話」を中心に(高円寺在住者視点で)書いてみたのだが。

実際には、東京という街の特異性は、私生活というよりもむしろ「仕事」のほうに強く表れている感じがする。東京とは「大人の厨二病が許される街」、なだけではない。もっと正確に言うと「厨二病的欲望を公的に職業化できる街」なのだ。

※前記事と同じく、あくまで「傾向」の話です。
「都会暮らし/地方暮らしが全員そう」
とは言っていないのでご留意くださいね。

――――――

地方共同体では、良くも悪くも各職種・業種が「ちゃんとした大人」の役割に収束しやすい。

一次産業。公務員。教員。医療。建設。土木。地元企業。その他インフラ。

もちろんそれらは社会に不可欠だし、地域社会を支える極めて重要な仕事である。

というより、人口自体が都会と比較すると少ないので、労働力リソースの割合が「不可欠産業」に集中する。構造上どうしても。

一方、東京には

●YouTube運営
●音楽ライター
●映像作家
●ゲームシナリオライター
●カードショップ経営
●ライブハウスオーナー
●古着バイヤー
●広告クリエイター
●サブカル系編集者
●テレビディレクター
●専業配信者

みたいな、「人格や趣味の延長線」と呼んでも差し支えない仕事も大量に存在する。

私も恐らくこのカテゴリに属するひとりだし、大学時代の友人にも大量にいるし、高円寺の夜を飲み歩いていても簡単に遭遇できる。

仲良くさせてもらっている飲み仲間の顔を思い出すと、「某キー局の制作会社のテレビディレクター」だとか、「アメコミグッズを輸入販売しているショップの社長」だとか。私の故郷では、まず生活圏で出会わないタイプの人々だ。

冷静に考えると、「人類が最低限生きる」だけなら不要な職業も多い。「大事にしたい無駄や余白」とされるものたちだ。だが現代都市は「文化」「感情」「暇」「無駄」「娯楽」「自己表現」そのものを巨大産業化している。

だから都会では「厨二病」が趣味ではなく、「社会的に認知された仕事そのもの」になりうる。

――――――

実例になるかどうかはわからないが、昔、20代の頃に故郷で開かれた同窓会で、私が「広告代理店でクリエイターをやっている」と話をした時、

「こうこくだいりてん? 何それ?」

と言われたことがある。

もちろんその言葉を発した個人の知識量の話でもあるのだが、今思うと、あれは単なる「無知」なのではなく、「その共同体で接触する職業の種類」の差だった気もする。

地方では、「広告代理店のクリエイター」という仕事、及びその概念を使うシチュエーション自体が、生活圏へ比較的現れにくいのだ。たぶん。

――――――

ということで、前回書いた内容は「私生活における自由意志の話」に寄り過ぎたかもしれない。

プライベートな「若い」趣味は、ある程度個々人の「意識的な自由活動」を必要とするから。

だがパブリックな社会活動はそうもいかない。自由意志だけでない「半公的な義務」が発生する。

つまり、東京(都会)とは「社会的役割そのもの」が多種多様に増殖していることで、「社会的に厨二病を許可する」前提がある街なのだ。

だから、髪を明るく染めた40歳も、VTuberの素晴らしさを部下に語る広告人も、朝〜昼酒巡りが趣味!と嬉々として上司に公言する社会人も、「変人」ではなく「まあいるよね」になる。

上記は私のことなんですけど。

都会は逸脱を許可しているのではない。逸脱を吸収し、社会的役割へ変換してしまうのだ。

改めて。だから私はここでの呼吸が苦しくない。

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