破壊的ゲームチェンジャーとなり得るスペースXの衛星通信構想 VZなど通信株の重荷に
21世紀の株式市場で、「破壊的ゲームチャンジャー」の影響を受けた象徴的な2社といえば、RIM(リサーチ・イン・モーション)とNokia(ノキア)だ。2007年当時、RIMが展開するBlackberryは、企業向けハンドヘルド・デバイスのデファクトを握っていた。Nokiaは、欧州の消費者向け携帯電話で圧倒的なシェアを誇っていた。この両社は、2007年に登場したiPhoneによって、僅か数年で株価は1/10以下になった。最終的に、両社がトップを誇っていた市場シェアはほぼ「ゼロ」になった。まさに、iPhoneは「破壊的ゲームチェンジャー」だった。
ARKのキャシー・ウッドやBaronのロン・バロンがイーロン・マスクに心酔しているのは、まさにこの「破壊的ゲームチェンジャー」の資質だ。
この日経記事にあるスターリンクは、全世界(というより全宇宙の)通信のドミナントとなる可能性を秘めている。極論すれば、これまでの「鉄塔を立てて」「基地局を立てて」といった地上インフラに依存した通信システムの大半を、あっという間に無用のものにしてしまう可能性がある。
今のVZやTは、5G投資が一巡し、FCFは安定した黒字を維持し、無理のない高配当を実現している。が、それも「キャッシュカウ」のサブスクビジネスあってのもの。それが根底から覆される、すなわち「破壊的ゲームチェンジャー」の餌食になってしまうとすれば、配当も何もあったものではない。
VZやTの、ここもとの株価低迷は、スペースXの上場成功と無縁ではない。マスクの一声で全てが決められる超巨大企業が誕生したこと。それが伝統的通信企業のリスクとして意識され始めたからだ。
日本も無縁ではない。楽天の三木谷社長はおそらく分かっている。が、サラリーマン社長のNTT、KDDIは、そこまで大きな、近い将来のリスクと感じていないかもしれない。それこそがリスクだ。
日米の通信会社株を「安定高配当」と安心して持ち続けられるかどうかは、今後のスペースXの本気度にかかっている。






