スペースX(SPCX)上場が意味すること
目論見書を読んだ。というより、見た。そして、驚いた。世界の株式市場をライブで30年以上見てきて、このレベルの会社の上場は、前例がない。
上場時価総額が推計$1.75Tという圧倒的規模。いきなり世界トップ10の時価総額に名乗りを上げる。
累積赤字$41B。将来黒字の目途が全く立っていない状態で上場する。
イーロン・マスクが経済株の42%、議決権の85%を持つ。たった一人の人間が超巨額の資金を独占的な判断で動かせる(に近い)状況を作る。
目論見書を見ると分かるが、この会社の事業内容、過去の実績、現在の財務状況は、この際どうでもよい。これは大袈裟でもなんでもなく、実際、どうでもよい。この会社を一言で表すならば、例えば「宇宙開発の会社」とでもなるのだろうが、それは大きな間違いだ。この会社は、地球規模、宇宙規模で、イーロン・マスクが正しいと思ったこと、やりたいと思ったことを、誰にも干渉されずに実現するための会社だ。上場はその重要な第一歩だ。
彼の壮大なものの考え方と実行力が、常人には及びもつかないことは、今更言うまでもない。その常人には理解し得ない、制御し得ない人物に、テスラが上場した時とはケタ違いの「力」を与えるのが、今回の上場だ。そのリスクを、果たして世界はどれだけ認識しているだろうか。

