なぜ「自然に学び、模倣する」ことが大事なのか(農文協の主張)
本主張では、吉田太郎著『シン・オーガニック――土壌・微生物・タネのつながりをとりもどす』を紹介しながら、「無化学肥料、無農薬、ほんとうにできるの?」という疑問、「農と食をめぐる難問」に答えようとしています。
完熟堆肥は土の中、未熟堆肥は土の上
「『土から出たものは土にしてから土に返せ』だ。『完熟堆肥は土の中、未熟堆肥は土の上』。大声で叫びたいような衝動に駆られて、私は香ばしい大気を深く深く吸い込んだ。緑の木々は讃歌をうたって祝福してくれるようだった」(奈良県五條市の医師、有機農業実践者で慈光会を設立した梁瀬義亮氏)
「有機物は土壌中の腐植質となって微生物の繁殖を盛んにするとともに土壌を団粒化し、通気や保水をよくし、作物のための物理的条件を向上させ地力を培養する。土壌中の腐植質の増加に応じて微生物や昆虫が繁殖する。ミミズ自身が土地改良をして沃土を造成する。クモは偉大な天敵であって、害虫駆除に最もよく貢献する。そこで、有機農業は、ミミズやクモを重視する農業であると表現することもできる」(日本有機農業研究会初代代表幹事の一樂照雄氏)
自然に学び、模倣する
「自然は、そして生きものたちの共生する様は、まさにレジリアンス《しなやかな復元力》に満ちている。『自然に学び、模倣する』ことで、『食と農をめぐる難題』の解決の糸口に近づける」
消費者が有機農産物を望んだとしても、多くの農業関係者は「無農薬、無化学肥料では、農業は成り立たない」と考えていると思います。
しかし、持続可能な農業を目指すのであれば、自然のありようを丸ごととらえ、そこから農のあり方を再考する必要に迫られています。
そして、画一的な農業技術を全国に広めるのではなく、「農民の主体性を伸ばしながら、ローカルな解決策を目指す方向」で、地域の特性を活かした技術開発が求められていると思います。
