利益って実は5種類あるねん。〜知ってるだけで経営の見え方がガラッと変わる!〜
どうも、EC業界歴10年以上のいけぞーです。
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「最近はそこそこ営業利益も出せるようになってきたけど、経理や財務の話になるとイマイチピンとこない…」「もうちょっと経営について学んだ方がいいのかな?」そんなお悩みを持つEC事業者さん、実は多いんですよね。
今回は、**売上総利益(粗利)、営業利益、経常利益、税引前当期純利益(税引前利益)、当期純利益(純利益)**の5種類の“利益”にフォーカスします。経営の数字がわかると、意思決定のスピードも上がるし、会社としての目標設定もしやすくなりますよ。
この記事では、それぞれの利益がどんな意味を持つのか、ざっくりした大枠を解説していきます。年商1〜5億円規模のEC物販の経営者さんなら、知っておくとめっちゃ役立つはず。ぜひ最後まで読んでみてください!
1. 売上総利益(粗利)って何?
1-1. 一番身近な“利益”
まず最初に出てくるのが、売上総利益、いわゆる“粗利”。これは、
売上高 ー 売上原価
で計算されます。
ECで言うところの「仕入れコスト+仕入れに伴う直接的な費用」を引いたあとに残るのが、この“粗利”。たとえば、仕入れ値が1,000円で2,000円で売れたら、粗利は1,000円。送料や決済手数料を原価に含めるかどうかは、業種や会計のやり方にもよるけど、とにかく**「商品を売るために直接かかったコストを引いた利益」**と覚えておけばOKです。
ここで大事なのが、どこまでを”原価”に入れるのか?というところ。
うちの経営塾では管理会計を推奨しているのでAmazonの販売手数料や販売可能になるまでの海上運賃などは原価に入れるようにお伝えしています。
粗利に関しては以下の記事に自分なりの考えを書いてあります。
関連記事>管理会計とは?
1-2. なぜ粗利を意識するべきか?
EC事業では、まず粗利率が高いか低いかが勝負どころ。ここが低いと、いくら頑張って売上を伸ばしても、全然お金が残らないんですよね。
粗利率が高い:利益を残しやすく、広告や物流費に投資しやすい
粗利率が低い:売上に対して仕入れコストや原価がかかりすぎていて、手元にお金が残らない
なので、まずは「粗利率を上げるにはどうする?」と考えるのがEC経営の第一歩。売れ筋商品の単価アップや仕入れコストの見直し、物流コスト削減などが定番の施策ですね。詳しくは、「小さなEC事業者が実践する在庫・物流費削減のコツ」(関連記事)も読んでみてください。
2. 営業利益は“本業の稼ぎ”
2-1. “経費”まで含めた利益
営業利益は、
売上総利益(粗利) ー 販売費及び一般管理費(販管費)
で求められます。販管費には、広告費・人件費・家賃・水道光熱費・通信費など、いわゆる経費がいろいろ含まれます。
つまり、営業利益は“本業(主な事業活動)で稼いだ利益”。
EC事業で言えば、商品を仕入れて販売し、それに伴う各種コストを引いたあとの数字です。これがプラスなら、「少なくとも本業で稼げている」ことになるし、マイナスなら「仕入れはうまくいってるけど、経費が大きすぎる」など、何か見直しが必要というサインになります。
2-2. 営業利益を見るメリット
営業利益を追うと、**「本業にどれだけの利益体質があるのか?」**がひと目でわかります。
広告費をかけすぎていないか
人件費や外注費が適切か
家賃やシステム利用料を抑える余地はあるか
こういったチェックをする際に、営業利益の動きが大事な指標になるんですね。もし「営業利益は出てるけど、実際のお金が足りない…」と悩んだら、在庫管理やキャッシュフローも見直す必要があるかもしれません。詳しくは**「EC事業者のための月次・四半期決算のポイント」**(関連記事)もあわせて参照を!
だいたいの赤字の事業者さんでやってしまっているのは”広告費のかけすぎ”ですね。正直、簡単に売上UPを達成できてしまうので調子に乗りやすいところです!これこそ禁断の果実。。。一回突っ込んでしまうと下げるときに躊躇してしまいがちです。
3. 経常利益は“トータルの儲け具合”
3-1. 営業外収益と営業外費用が加わる
経常利益は、
営業利益 + 営業外収益 ー 営業外費用
で求められます。営業外収益っていうのは、具体的に言うと受取利息や投資の配当金、あるいは為替差益など、本業とは直接関係ないところで発生する利益。営業外費用は、支払利息や為替差損などのことですね。
したがって、経常利益を見ると**“会社が本業以外も含めてどれだけ儲かっているか”**がわかる。たとえば、銀行からの借入金が多いと支払利息が増えて経常利益を圧迫するかもしれないし、一方で余剰資金を投資していれば配当金で経常利益が増えることもあります。
ECで多いのが為替差損ですね。eBay輸出やOEM輸入などをされているときにはどこのタイミングで円転するのかが大事なのでしっかりと把握しておきましょう。
3-2. 経常利益を意識するタイミング
EC事業を一定以上の規模(年商1〜5億円くらい)でやっていると、融資を受けたりする機会も増えてきますよね。そうなると、支払利息の影響が気になってくるし、場合によっては為替レートの変動(海外仕入れしている場合など)も無視できなくなります。
ここで経常利益を見ておくと、「本業外の費用・収益も含めて会社の実力はどうなんだ?」がわかるんです。特に借入金が多いと利息負担で経常利益がガクッと下がることがあるので、経常利益を定期的にチェックする習慣があると財務バランスの崩れに気づきやすいですよ。
関連記事>リファイナンスの勧め
4. 税引前当期純利益(税引前利益)で“もう一歩先”を読む
4-1. 特別損益を考慮する
**税引前当期純利益(税引前利益)**は、
経常利益 + 特別利益 ー 特別損失
で求められます。ここでいう特別利益と特別損失とは、例えば「固定資産を売ったときの損益」や「災害による損失」「大きな投資の売却益」など、通常の事業活動とは一線を画すイレギュラーな収益・費用を指します。
この段階で出てくる数字は、まだ税金を払う前の状態。つまり、**会社として“今期どれだけ実質儲かったか”**をさらに客観的に見るための数字と言えます。
ここもECでやりがちなのが除却ですかね。
例)消費期限が切れてしまった食品とか不良在庫化してしまって処分したものを一括で赤字計上する場合に入れ込むことが多いです。
4-2. なぜ税引前利益を知っておくといいのか?
年に1回、決算書をじっくり見るときなんかに、「あれ、経常利益はプラスなのに、最終的な数字が違うぞ?」となることがあるんですよ。それは特別損益で大きなマイナスが出ていたり、逆に思わぬ売却益でプラスが出ていたりするから。
税引前利益を把握しておくと、「大きなイレギュラーが起こったときにどれだけ最終利益がブレそうか」が予測できるんです。たとえば、物流拠点を移転するときの解約費用や設備投資の売却処分なんかで出る特別損益は、EC事業においてもちょくちょく起こりえますからね。
5. 最終的には当期純利益(純利益)が会社の“本当の取り分”
5-1. 法人税などを引いた“最終ライン”
最後に、当期純利益(純利益)。これは、
税引前当期純利益(税引前利益) ー 法人税等
で算出されます。つまり、会社が1期(1年間)を終えて、税金や各種控除を引いたあと、最終的に残る利益。
ここがプラスなら、シンプルに「儲かった!」と言えますし、マイナスなら「赤字で期を終えた」ということ。会社にお金を残したいなら、この純利益を積み重ねる必要があります。
5-2. 純利益が増えるとどうなるのか?
純利益を積み重ねていくと、会社の内部留保(自己資本)が増えます。自己資本が厚くなると、銀行からの信用も上がり、いざというときの投資や広告拡大に踏み切りやすくなる。要は“事業を大きく育てるための筋肉”になるんですよね。
こう聞くと、「配当や役員報酬で大きく持っていくのもいいけど、会社にもしっかり利益を残したほうがいいんだな」と思いません? その通り。年商1〜5億円規模に成長してきたら、“自分がいくら持っていくか”と“会社にいくら残すか”のバランスを考えるのが経営者の腕の見せどころです。
詳しくは、「自己資本比率を高める財務戦略」(関連記事)を参考にしてみてください。自己資本比率が上がると、本当に会社の攻め方が変わりますからね。
こういった指標を簡単に分析できるシートを用意してあります。
6. これらの利益をどう活かす?
6-1. “どの利益を目標にするか?”を明確に
EC事業者さんが数字目標を立てるとき、売上や粗利ばかり追いがちです。でも、経営全体をバランスよく見るには、5種類の利益それぞれがどう動いているかを把握するのが理想。
「まずは粗利率を上げよう」→仕入れ・在庫管理・物流コストの改善
「広告費や人件費を調整して営業利益をキープしよう」→毎月の費用チェック
「借入金の利息が増えすぎてないか、為替差損がないか確認」→経常利益の動き
「大きな設備投資の前に、税引前利益への影響をシミュレーション」→特別損益の確認
「最終的に会社にいくら残すか?」→純利益を年次で積み重ねる
こんなふうに、それぞれの利益ラインを頭の片隅に置いておくと、判断がブレにくくなるんですよね。
6-2. 定期的に“決算”や“月次レポート”でチェック
「利益って5種類もあると面倒くさそう…」と思うかもしれません。でも大丈夫、最初はざっくりのイメージでOK。月次や四半期ごとの決算レポートを作る流れができてくれば、自然と「今期は営業利益が増えてるけど、支払利息も増えてるから経常利益はそんなに変わらないな」といった感覚が掴めるようになります。
もし「数字周りを整えるのが苦手…」という方は、税理士さんやコンサルにサポートをお願いするのもアリ。また、「EC事業者のための月次・四半期決算のポイント」(関連記事)もあわせて参考にしてみてくださいね。
7. 他にも知っておいた方が良いもの
「小さなEC事業者が実践する在庫管理術」
粗利とキャッシュフローを直撃する“在庫”をどうコントロールするかで、利益構造はガラッと変わる。
「EC事業者のための月次・四半期決算のポイント」
数字は月単位・四半期単位で追いかけると、赤字転落や資金ショートを防ぎやすい。
「ECで失敗しない新商品テストマーケのやり方」
新商品投入で売上をドカンと伸ばしたいとき、テストマーケを挟むと粗利率や在庫リスク管理がしやすい。
「自己資本比率を高める財務戦略」
最終的に純利益を積み重ねて自己資本を増やすと、安定と攻めの両方が可能に。
8. まとめ
最後にもう一度、5種類の利益をおさらいしておきましょう。
売上総利益(粗利):仕入れや直接コストを引いた利益
営業利益:粗利から広告費や人件費など経費を差し引いた、本業の稼ぎ
経常利益:営業利益に加え、支払利息や受取利息など“本業以外”も含めた利益
税引前当期純利益(税引前利益):特別利益・特別損失を考慮した上で、税金を支払う前の利益
当期純利益(純利益):最終的に税金を払って残る“会社の取り分”
「どれも同じ“利益”なんじゃないの?」と思っていた方、こんなに違いがあったんです。
これを理解しておくだけで、経営判断の軸がクリアになるし、目標設定も明確になります。特に年商1〜5億円規模で「もっと利益を伸ばしたい」「会社を安定させたい」と考えるなら、ぜひこの5種類の利益を意識してみてください。
もし「数字周りや在庫管理、販管費の見直しをサポートしてほしい…」という方は、当社のコンサルティングや物流代行も検討してみてください。EC事業の“利益体質”を強化するお手伝いができると思います。
それでは今回はこのへんで。
5種類の利益を頭に入れて、あなたのEC事業がますます潤うことを願っています!また次の記事でお会いしましょう。お疲れさまでした!
