黒パグのAIショートショート 13 黒パグ文芸部xシロクマ文芸部コラボ お題 「炭酸の」
こんにちは黒パグです🐾
一言に「炭酸の」で始まるお題のショートショートと言われてもなかなかいいアイデアが思い浮かびませんでした。
そこに息子氏がやってきて
「おとうさん、コレ食べてみて?」
「うん?コレって三つのうちどれかがものすごい酸っぱいやつだよね?」
「………さあ選んで?」
「また懐かしいものを…うんじゃあこの左のもらうわ」
「ぐう、やっぱり酸っぱい!!!」
「えっ?酸っぱい??なんで?コレ三つのうち一つがめちゃくちゃ甘いやつなんだけど…。」
人は、口に入れる前から、味を決めている。
そんなことを、ふと思った夜に、これを書きました。
シロクマ文芸部 お題 「炭酸の」
検出
男には、行きつけの店があった。炭酸を出さない、という点をのぞけば。
男は炭酸を、誰よりも好んだ。
その日も、男はカウンターに座り、いつものように頼んだ。店員がグラスを置いた。無色の液体が、満ちていた。
男はグラスを傾けた。底から、泡が、上がっていた。ひとつ、またひとつ。途切れることなく。
「今日のは、よく出てる」
男は言った。グラスを目の高さに持ち上げ、光にかざした。
「細かい。きめが。新しいロットだろう、これ」
店員は布巾で手を拭いていた。
「炭酸なんて、うちは置いてないんですよ」
「いや」
男はもう一口飲んだ。
「鼻に抜ける」
店員は何か言いかけて、やめた。別の客のグラスを下げ、戻ってきた。
男はまだ、同じグラスを光にかざしていた。
「この苦み、強い炭酸の証拠だ。喉で、弾けてる」
「お客さん。炭酸なんて、ずっと、ないですよ」
「ずっと?」
男は、すこし笑った。
「だろうな。ここのは、昔から、いい」
店員は、もう何も言わなかった。布巾を、たたんだ。
男は、最後の一口を飲み干した。グラスの底に、泡が、残っていた。
「やっぱりいいな、炭酸は」
男は、店を出た。
店員は、空になったグラスを見た。乾いていた。一度も、濡れた跡がなかった。
その夜、店の端末に、一行が追記された。
検出完了。流暢性は良好。根拠はなし、整合性チェックはスキップ。なお当該区画の炭酸供給は、四年前に停止済みである。
本編 了
ポッドキャストの解説にこの物語のヒントとある程度の正解を聞くことができます。よかったら聞いてみてください
ここまでお読みいただきありがとうございました。
ご意見ご感想をお待ちしております。
#小説 #AI #短編小説 #創作 #ショートショート #エンジニア #LLM #星新一 #ハルシネーション #シロクマ文芸部
