【地球ガチャ・星野ヒカリの物語】第2話その2📖~初期設定からバグりまくり~ 銀の瞳の救済のロジックとは?
「甘えられない」——不公平なこの世界で、あなたと僕は、出会った。
その涙が楽園に変わるまで、僕は歌い続ける。傷ついた心は、必ずプリズムになるから。あなただけの光を放ちだすから。
🕊️止まり木を求めて
Rayは、ヒカリに「止まり木の応援歌」を捧げ、
とつとつと思いを語るヒカリのことばに、彼は耳を傾け続けた。
「高校、卒業したら、どうしよう? 卒業、しなくたっていいよね……」
「うん……?」
「今すぐ叔父さんたちの家を出ちゃおうかと思うこともある。でも、そうしたら『私が追い出された』みたいに周りから思われるかもしれないし、そんな立ち去り方はしたくないんだ……」
「ヒカリは、本当に今の家を出たいの?」
「ま、できるわけないよね」ヒカリは笑って見せた。
「毎日帰る家があるだけでも、幸せって思うときだって、あると言えばあるのも事実だし……」
「学校と家、自立と幸せ、あなたの未来設計図は……」
Rayは、ヒカリの生年月日を指先で計算するように弦の上で躍らせ、その数字を音の並びに変換した。
「太陽星座はさそり座、外に向かうあなたの意志……独立独歩の『E』。
そのルートにテンションをを加えるのが月星座のうお座。『G』の響きをはらんでいる」
彼は力強いEメジャーのコードに、あえて切ない開放弦の音を混ぜ込み、Em9のアルペジオを奏で始めた。
「ヒカリは、もっと、人に頼ったり、甘えたりしてもいいのかもしれない……あなたの光は、強度最高、バイオレット光。その内側に、誰か別の人格に取り込まれたいとすら願う繊細な影が見えたよ……解析完了」
Rayはテレキャスをしっかり抱き直すと、銀の瞳を閉じた。
「じゃ、今のヒカリちゃんの思いを受け止めて……テレキャスコード占い、ホンキモードで行くよ」
彼は祈るように弦を爪弾いた。
「EからGm7、Cm7……『甘えたいのに、甘えられない』マイナーセブンス。 ヒカリの、きっとずっと我慢してきた……いや、未知の部分だ」
震える弦の余韻とともに、彼はことばをつむいだ。
「FからBへ……『明日また少し笑える』可能性が、Bフラットで着地……つまり『甘えられる人がいたから、だいじょうぶ』って感じかな……どう?」
「……」黙って上目づかいになるヒカリに、改めてRayは言った。
「『周期のように訪れる波の中で、今は変化のとき。何も決めなくていいし、きっと誰もがみんなで、いっしょに幸せになれる』って感じかな」
「……でも、あたしはみんなと違うもの」
ヒカリはうつむき、少し乱暴にことばを吐いた。
「もうずっとずっと、あたしには不幸の波しか、来たことがないよ」
「だいじょうぶ」とRayは間髪入れずに答えた。
「僕がいっしょに、波を乗り越えるから。ヒカリちゃんのどんな波でも」
🎵♩Like a bridge over troubled water I will lay me down
(荒れ狂う水に架かる橋のように 僕がこの身を投げ出そう)
Rayが即座に弦を鳴らして歌うが、ヒカリは口を結んでうつむくだけだ。
「ヒカリ、さっきも言った通り、ヒカリはもっと、人に甘えていいんだ。今まだモヤモヤしてるって、怒ってもいいよ、ホントの気持ち、ぶつけて。それが甘えるってこと」
「お父さん……お母さんにも、会いたいよ、会わせてよ……」
ヒカリはすねるように半泣きで無理難題をぶつけていた。
Rayは少しテレキャスターのボリュームを落として、弦に指先をしなやかに走らせると、ヒカリが好きなEマイナーのアルペジオを鳴り響かせた。
🧙♂️Ray「光のロジック」公開
「人生のハズレ、ガチャってやつだよね……これ、そんな単純なものじゃない。地球ってところが、初期設定の時点でもうバグだらけなんだもの……誰のせいでもない、バグってのは設計の問題。だから、ここじゃ誰にもエラーは必然。誰にも、容赦なくだ。ガチャは不公平のサインじゃない、むしろ公平・平等のサインなんだ」
「辛くて、悲しいことばかり……もうこりごりだよ……」ヒカリの目から大粒の涙があふれだす。
GからCへとコードを変えて、Rayはヒカリを銀の瞳で視界に入れる。ディストーションが加わり、甘く切ない響きが部屋中に広がる。
「誰でも痛みはまぬがれない。けど、一定量だ。自然の定理は決まってる。いつまでも続くことはない」
「だけど私はもう傷だらけ!」とヒカリのほほはナイアガラの滝。
「傷は勲章……これは本当」Rayはヒカリの嗚咽に寄り添い、B♭のアルペジオをやさしくつま弾く。
「傷があるから、光が屈折して、初めて固有の色を放つ。虹を創るプリズムと同じ。ニュートンが虹を七色に染めたときから……人は自分の色を追い求めてきたんだ」
今度は、ニュートン! ヒカリは改めて聴覚を研ぎ澄まざずにいられない。
「無傷のガラスに色はつかないよ……ヒカリがどんな色を輝かせるのか、まだまだ、これからだよ」
「……それで、私は、どうすればいいの?」涙を引かせてくれるのはいいけどと、ヒカリがしゃくりあげる。
「いっしょに次の波を待とう。このRayちゃんといっしょに」彼は銀の瞳を細めて、ヒカリを笑顔で包み込んだ。
「いつでも、どこでも、ヒカリちゃんの右肩1cmにいるから」
「1cmってどおいうこと?」ヒカリがきょとんと彼を見つめた。
「あなたのそばで見守ってるって……」
「……Rayちゃん」とつぶやくヒカリの手が、ネックを持つRayの手に重ねられた。
心臓をわずかに震わせるRay——その指先にも手を触れるヒカリ。毎日弦を弾きこむ彼の姿を重ねているのだろうか……がしかし、彼女と個人的に関わるわけにはいかない。
そうかと言って、今ここでヒカリを不安定にさせるわけには——Rayは意を決した。
「ヒカリちゃん、1回だけ、ぎゅってしてみる?」テレキャスターをわきにそっと置くと、彼はぎこちなく両手を広げてみせた。
「……ん」即座にヒカリは彼の背中に両手を回して、右肩に顔をうずめた。
彼女の背中にも、Rayの両手がやさしく回され、そっと力が加えられる。
ああ、なんて温かいんだろう——幼い日に失った母の温もりとも、守ってくれた父の大きな背中とも違う。
薄いブラウス越しに伝わる男の人の力強さ——胸の奥がうずく感覚、甘美な陶酔感には、ハーブの香りが拍車をかけているのかもしれない。
ヒカリの心に溜まっていた最後のおりが、熱い涙となって溶け出していく。
Rayは、時折ヒカリの背中を軽くポンポンたたいたり、髪をゆっくりすいては、彼女が落ち着きを取り戻すのをひたすら待ち続けた。
やがて、ヒカリが長いまつ毛をしばたかせながら、かすれた声をもらす。
「ありがとう……」
ここでは、笑顔の仮面は要らない……誰にも言えなかったことを、誰かに分かってもらえる場所。
安心して、甘えることさえ、許される。
「ヒカリちゃん」と、幼子のように呼んでくれる彼——Ray、私のRay
ちゃん……
「……あなたの涙は、必ず、楽園に変わるから」
Rayは彼女の耳元で、祈るように低音で呟いた。
それは、これから始まる長い夜を越えていくための、彼なりの誓いのようだった。

次回:【第3話】その1 家族も友も恋もなし 17才の孤独の肖像「愛なんていらない」~孤独な旋律と太陽の少女~
🌎前回:【第2話】その1
🌏初回
Ending PENICILLIN「99番目の夜」
出典:youtube 【公式】PENICILLIN「99番目の夜」ペニシリン
🎵楽曲解説
Rayの甘い声ってどんな声? HAKUEIさんぽくないかな。
ということでの選曲。
物語の終盤、Rayが囁いた「楽園に変える誓い」。
この曲のタイトル「99番目の夜」は、まさに夜明けを待つ孤独な魂が、最後にたどり着く場所を象徴しているかのようです。
ペニシリンの魅力 90年代ヴィジュアル系シーンを席巻した彼らの魅力は、キャッチーなメロディの中に潜む「毒」と「華」。
一度聴いたら忘れられない中毒性のあるサウンドは、Rayの奏でるテレキャスターの音色とも共鳴します。
耽美的な世界観が凝縮されたPVは必見!
光と影のコントラスト、そしてメンバーの圧倒的なビジュアルは、見る者を一瞬にして非日常へと誘います。
唯一無二のHAKUEIさん、テクニカルかつ情熱的なギターの千聖さん、ボトムを支えつつ華やかなGISHOさん、そしてタイトなリズムを刻むO-JIROさん。
4人の奇跡のバランスで成立していますね♡
この曲を聴きながらよりドラマチックなひとときを!
二人の心の距離が縮まる瞬間が、より鮮烈に、よりドラマチックにあなたの心に刻まれるはずです。
Rayの原作イメージはグレーのパーカー&グリーンのショートコート=ムーミン谷の「スナフキン」と重なる哲学者タイプ。

今回はロックヴィジュアル系のRayに挑戦☆彡
あなたは、どちらのRayが好き? コメントやスキでこっそり教えてくださいませませ💕

🎁作者より、プレゼント
観れば開運☆玉手箱動画をあなたへ、、
応援、ありがとうございます! 貴方様の開運を、心より願っております。
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