あとから意味が変わる一枚── それでもまた桜は咲く
このときは、まだ何も知らなかった。
だから、だただたきれいだと思えた。
写真を撮ったときと、
今見るとでは、
同じ写真なのに、少し違う。
そう思うこと、ありませんか?
それが自分にとって"特別な一枚"ならなおさら。

青い空。
満開のしだれ桜。
ただただ、きれい。
穏やかな春の日の、静かな美しさ。
この日、わたしは
いまこの瞬間に起きていることなど知る由もなく、
ただ春の光の中に立っていた。
写真はあの日のまま、変わらない。

ただ春の光の中に立っていた
けれど、見るたびに、
胸の奥が少しだけきゅっとなる。
── ぜんぶを言葉にしなくていい。
そんな時があっていい。
あれからしばらく、桜を撮っていない。
ただ、待っている。
撮りたいと思える日を。
時間が過ぎると、
写真の意味は少しだけ変わる。
変わるのは、写真ではなく、
それを見るわたしのほう。
あの日と同じ景色を見ているはずなのに、
見えているものは、きっと少し違う。
桜は今年も咲く。
変わったのは、わたし。
写真は、その日の景色だけでなく、
その日の心も写している。
だから、あとから意味が変わる一枚がある。
それもまた、
心を写す、暮らしフォトなのだと思う。
今年はきっと──。
💬今回もエッセイ寄りになりました。
写真は、2018年にCanon EOS M10で撮影。
※写真の一部を加工しています。
何かあった…というわけでもなくはないんですが(どっちだ?笑)。
撮ったときとその後で「見え方」が変わる写真があることに気づいて、当時のことを思い出し、言葉にしてみたくなりました。
たぶん、年月を重ねることで、その「見え方」や「意味」は、また変化していくんだろうなと思います。
あなたの写真フォルダには、そういう写真はありますか?
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