見出し画像

アレの不足

《今週の三題噺》
1.鍵の閉め忘れ
2.免疫力
3.ポイントを貯める
【チャレがやテーマ:怨念】

 その街には、ひょっとこ面の男の主宰する、謎の会員制クラブがある。過去には文車妖妃が夜な夜な現れたという、まことしやかな噂も流れている。
 その名も、放課後ライティング倶楽部。
 今日も文章の虜になった亡霊たちが、その扉を叩いていく。


 ひとつ、ふたつ、みっつ……

 男の震える声がする。


 いちまい、にまい、さんまい…

 女のすすり泣く声がする。

 ことん。

 ピシッ。

 ガラスの首が折れた音だろうか。

 「首に、こうやってガリガリ傷を入れて。そうしたら、ためらわず、ひといきにバキッと」

「今どき、わざわざこんなやり方するなんて……」

「あら、こんなところにまた、染み込んでるわね」

「また誰かが、鍵を閉め忘れたのね」
「困ったわね、今、アレは不足しているのに」


ことん。
 
ピシッ。

ガラスの首が、またひとつ、折られた。

「あなたじょうずになったわね。そうしたら、ソレを早く頂戴」

女はシリンジの針でソレを吸い上げた。

「さあ、ここへ早く……そう、そこに」

そして声の主は満足そうに笑った。


「ねえ、あなた、あといくつ?」

「僕は、あと……よっつ」


「あなたは、あといくつ?」
「もう、ないんです」
「ポイントカードは?」
「……あと……いちまい」
「ポイント貯めないと、アレを打てないのよ」
「免疫力つけないと……怨念にやられ……」

その声に、不意に不協和音が混ざる。


お前はもう、書かずには、いられない――






#なんのはなしですか
#木曜日は3ースデイ
#チャレがや



只今充電中ですがどうしても書きたく。

……出直して参ります〜

©極夜


いいなと思ったら応援しよう!

極夜 / Kyokuya いただいたサポートは紙の本の購入費として使わせていただきます✨😌✨