Episode 152 訓練次第で出来るのです。
フォークリフト免許を取ったのはこのころです。
私が工場の包装部門に移り、どうしてもフォークリフトの運転が出来ないと困る状況になったのです。
と、言うのも…
出荷できるように包装された商品は、段ボール箱に梱包されて「パレット」と呼ばれるプラスチック製(または木製)の板の上に積み上げられます。
その板ごとトラックで出荷するワケですが、その時にどうしてもパレットに載せられた商品を運んだり積み込んだりするフォークリフトを運転できる人が、部署に最低1人以上常駐する必要があるのです。
「日配」と呼ばれる商品群の食品メーカーは定休日がありません。
当然です、毎日配られる商品なのですから、毎日製造しなければならないのです。
だから、工場が稼働しない日は、よほどのことがない限り発生しません。
会社は週休二日が原則…となれば、みんなで交代して休むしかありません。
更に…繁忙期になれば工場の稼働時間が伸びます。
当然のことながら、朝から深夜まで仕事なんてできませんから、状況に応じて2交代とか3交代の勤務が組まれるわけです。
3交代で1週間だと、最大で21勤務ブロックが発生するわけで、ひとりで出来るのは週5日稼働で5ブロックまで…となれば、工場でフォークリフトが運転できる人が最低5人は必要になるわけですよ。
だからね、工場の「親方」以上の人間は基本的にフォークリフトの免許を持ってるんです。
稼働している工場には「草木も眠る丑三つ時」でも最低1人以上の管理者がいます。
時間を取り仕切る管理者がフォークリフトを扱えないワケにはいかないのです。
フォークリフトの運転をマルチタスクとみるかどうかは意見が分かれるところです。
基本的にはマルチタスクが苦手な私ですが、私の感覚ではクルマの運転を覚えるのとさほど大差はないという感じでした。
それは、左利きの私が右手で文字が書けるようになるのと同じレベルの話だったと思います。
小さいころにそのような「覚える感覚」を身に付けていたからそう思うのかもしれません。
例えば、遊びの中で自然と野球に親しみ、「投げる」「打つ」などの特定の動作を訓練で習得し、ヘタクソながらもバッティングセンターで遊べるレベルにまで知覚統合や処理速度を上げることは私には可能だった…とか。
もちろん、これは「訓練された特定の動作」での話です。
どんな動作も一発で出来るのはスポーツ万能の天才で、私はそうではないのです。
キャッチボールは出来るけどリフティングは出来ない。
それは、ボールを投げる、受けるという動作は訓練で習得したけれど、リフティングは訓練してないから出来ません…って話です。
クルマの運転やフォークリフトの運転は、この訓練によって「投げる」「打つ」と同じようにマルチタスクの枠から外れたと考えるとスッキリします。
ここで重要なのは「嫌じゃないこと」だと思います。
結局、身についたそういう能力って、苦痛を伴わない訓練だったからだと思うのです。
もちろん個人差はありますが、少なくても私は右手で文字を書くという「考えずに出来るレベル」で運転できる程度にフォークリフトの運転経験を積むことになるのです。
そして、このフォークリフトの運転が私の次の転機になるのです。
旧ブログ アーカイブ 2019/2/13
