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懐中電灯は、全部を照らさなくていい|足元の明かりだけで歩く夜に


心に、ひと呼吸の余白を。


こんにちは、ゆきのです。


深夜、部屋の電気を消したまま、スマホの光だけで過ごす時間があります。

明日のこと。
来週のこと。
来月、来年、その先——。


考えようとすると、出口が見えない場所に、ひとり置かれたみたいに感じることがあります。

どこまで続くのかわからない道を、ひとりで歩いている気がする夜は、ありませんか。


そんな夜、ふと思い出すことがあります。
子どもの頃、停電した夜に握りしめた、小さな懐中電灯のことを。
手のひらの中で、スイッチのプラスチックが少しだけ冷たかったのを覚えています。
 


次の一歩だけ、照らせたら


あの懐中電灯は、部屋全体を明るくはしてくれませんでした。
遠くの壁までは、光が届かない。

でも、足元の数十センチだけは、はっきりと見えました。

トイレまでの廊下。
階段の最初の一段。
テーブルの角。


全部は見えなくても、次にぶつかりそうな場所だけは、避けられた。
それだけで、少しだけ怖さが和らいだのを覚えています。

心の暗闇も、似ているのかもしれません。
あなたの懐中電灯の光は、今、どのあたりを照らしているでしょう。


来年どうなるか、わからない。
この不安がいつ終わるか、わからない。

自分が正解の道にいるのか、わからない。

でも——

今夜、眠る場所だけは、わかっている。
明日の朝、最初に何をするかだけは、決められる。

それだけで、今夜の心が少し守られることもあります。

懐中電灯はもともと、遠くを照らすためのものではないのですから。
 


「先が見えない」のは、暗いからじゃない


「先が見えない」という言葉を、私は何度も使ってきました。

でもあるとき、気づいたことがあります。
 


先が見えないのは、未来が暗いからじゃない。

懐中電灯で遠くを照らそうとしすぎて、光が拡散してしまっているだけなのかもしれません。
 


懐中電灯を遠くへ向けると、光は薄くなり、ぼんやりとします。
でも足元に向けると、小さな円が、くっきりと明るくなる。

私の心も、同じ仕組みなのかもしれません。


「5年後どうしよう」と遠くを照らすと、何も見えなくなる。
でも「今夜、温かいお茶を飲もう」と手元を照らすと、湯気の向こうに確かな温もりが見える。

その差は、能力の差ではなく、光の届く範囲の違いなのかもしれません。
 


照らす範囲を、選んでいい


「もっと先を見据えなきゃ」

「将来のことを考えなきゃ」

そう言われることがあります。

そう思って自分を責めることもあります。


でも、手元の懐中電灯に「もっと遠くを照らせ」と言っても、届く光には限りがあります。
それは、あなたが足りないのではなく、道具の役割が違うだけ。

そして、足元を照らすことは、視野が狭いということではないと思うのです。


今夜、安全に眠れる場所まで歩くこと。
明日の朝、顔を洗うこと。
その次に、靴を履いて玄関を出ること。

その小さな一歩一歩が連なって、気づけば遠くまで来ている——。
人生とは、そういうものなのかもしれません。
 


電池が切れそうな夜は


懐中電灯は、電池で動いています。
心にも、きっと似たような電池があるのだと思います。

電池が弱っている夜は、光も弱くなります。

足元さえおぼつかなくなることがあります。

そういうときは、照らすことをやめて、その場にしゃがみこんでいいのだと思います。


暗闇でじっとしていることは、動けないことではなく、「電池を使わない」という大切な選択です。


目が慣れてくると、真っ暗だと思っていた部屋にも、うっすらと輪郭が見えてくることがあります。

窓の外の街灯。
家電の小さなランプ。
月明かりが届いているカーテンの端。

自分の光だけで歩かなくてもいい夜が、あってもいいのだと思います。
 


【今夜のひとかけら】


もしよければ、今夜、ひとつだけ試してみませんか。

まず息をひとつだけ、ゆっくり吐いてみて——


それから
「明日の朝、最初にすることは何だろう」と、心の中で呟いてみる。

答えは何でも大丈夫です。

「顔を洗う」でも。

「カーテンを開ける」でも。

「布団の中でもう5分だけ」でも。


その小さな一つが、今の懐中電灯の光が届く範囲。
それだけ照らせたら、今夜はもう十分なのです。

全部を照らせない夜があっても。

足元の小さな円がひとつあれば、今夜はもう、それだけでいい。


咲かなくても、立ち止まっていても、しゃがみこんでいても。

あなたは、美しい。


ココミチは、あなたが握る懐中電灯の、そばにいたいと思っています。

照らす方向を一緒に迷ってもいいし、電池が切れた夜には、隣でしゃがみこんでいてもいい。

ここは、足元の円が小さくても、大丈夫な場所でありたい。

また、息が戻るタイミングで。


ゆきの
 



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この記事が、あなたの心に少しでも余白を届けられたなら幸いです。
「ココミチ」では、これからも心のゆとりと小さな気づきをお届けしていけたらと思います。


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【 あなたの心に近い枝葉 】

□  揺れていた身体が、やっと声を出せる場所──最初の一歩
[ 身体という、最初の安全基地 ]

□ 電池が切れそうで、声さえ出せない夜なら
[ 助けてと言えない夜に ]

□ 「また沈んだ」と感じても、それは振り出しじゃない──波の途中にいるだけ
[ 回復は、螺旋階段のように ]

□ 身体の声を後回しにしてきたのは、それだけ必死に歩いてきた証
[ 過去という部屋の鍵を、そっと置く ]


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