「ごはんですよ最強説」を信じた薬剤師ママの、壮絶な自爆テイスティング
最近まじめな記事が続いているので、
少し、素の自分を出してみようかなと思います。
普段のHONOは病棟でそれなりにちゃんとお仕事をしています。
が、ママとしては本当に試行錯誤中。
今回の話は、試行錯誤の末に盛大に失敗したお話になります。
学びがあるのかないのか、それは読者の皆様にゆだねたいと思います。
突然ですが、「ごはんですよ」って
なんか安心感ありませんか?
白いごはんにちょんっと乗せれば、
とりあえず一食はどうにかなる。
仕事でぐったり帰ってきた夜でも、「ごはんですよ」があれば命がつながる。
少なくとも私は、そう信じて生きてきました。
だからこそ、その「ごはんですよ」によって、
薬剤師ママがほぼ吐きかけるとは、このとき思っていなかったんです。
プレドニゾロン地獄と「ごはんですよ様」降臨
話は、子どもの入院中までさかのぼります。
点滴を早く外すために、プレドニゾロンを飲まなければならなくなりました。
プレドニゾロン。
薬剤師として出会うたびに「うわ、きた…」と心の中でつぶやいていた、あのステロイド。
大人でも「これ、ほんとに飲むの?」と聞きたくなるレベルの、しっかりした苦味をお持ちのあのお薬です。
そんなプレドニゾロンを、
入院中のわが子に飲ませることになった私。
プリンもダメ。
ヨーグルトも拒否。
アイスも「いらない」。
服薬ゼリーも「これじゃない」。
そもそも、うちの子は甘いものが嫌い…(泣)
病棟で服薬指導をしている薬剤師が、
自分の子ども一人に薬を飲ませられない。
なんとも言えない敗北感とともに、
「母ってつらいな」と遠い目をしかけた、
そのとき。
病院のごはんに、
なぜか「ごはんのり」がついてきました。
まるで、「ごはんですよ」。
一瞬でひらめく、薬剤師ママの脳みそ。
「これだ!」
ごはんを少しだけとって、
そこに「ごはんですよ」をちょん。
その上に、プレドニゾロンをそっと乗せて、
さらに「ごはんですよ」でサンド。
“プレドニゾロンごはんですよサンド”の完成です。
ドキドキしながら、ひとくち分をスプーンですくって、子どもの口元へ。
「はい、あーん。」
……食べた。
……飲み込んだ。
……泣かない。
え、いけた?
その瞬間、私は確信しました。
プレドニゾロンを制した。
うちの子の服薬は、『ごはんですよ』でいける。
※もちろん、主食に薬を混ぜるのは好き嫌いがつくリスクもあるので、一般にはあまりおすすめされません。そこはちゃんと、薬剤師としてはわかっているのですが、このときの私は藁にもすがっていました。
そして出会ってしまった、ワイドシリン細粒
無事に退院してからしばらくして、
子どもが熱を出しました。
溶連菌だったこともあり、
小児科で処方されたのは
抗菌薬の「ワイドシリン細粒」。
「あ、ワイドシリンか…。」
薬の袋を見た瞬間、
なんとなく嫌な汗がにじみます。
ワイドシリン細粒。
いわゆる“子ども向け抗菌薬”のひとつで、
ミックスフルーツ系の味がついているタイプです。
フルーツの甘い香り。
子どもが好きそうなオレンジっぽさ。
でもその奥に、抗菌薬特有のちょっとした苦味と薬っぽさが、しっかり居座っている。
私はワイドシリンの味を知っています。
薬剤師として。
そして、一人の味覚を持った人間として。
「これ、“ごはんですよ”でいける…?」
プレドニゾロンを倒した実績があるせいで、心の中の私はちょっと調子に乗っていました。
嫌な予感はだいたい当たる
とはいえ、
さすがに「ワイドシリン×ごはんですよ」を、
子どもの口でいきなり試す勇気はありません。
薬剤師としての最低限の理性は残っていました。
「まずは、自分で味見してからにしよう。」
そう決めて、私はスーパーへ走りました。
ミックスジュース(オレンジ+アップル+他いろいろ入っていそうなやつ
いつもの「ごはんですよ(減塩)」
ワイドシリンは、子どもにはまだ飲ませない。
まずは「ミックスジュース×ごはんですよ」の相性チェックからです。
キッチンに立ち、コップを用意。
ミックスジュースを少し注いで、
その中に「ごはんですよ」を、少量ぽとり。
スプーンで混ぜながら、私は自分に問いかけます。
ほんとにやるの?薬剤師だよね?
見た目おかしいし、味の想像、もうこの時点でカオスじゃない?
かき混ぜるほどに、
甘いフルーツの香りと、
磯の香りが混ざり合っていきます。
トロピカルビーチに、
突然波打ち際の磯が出現したような匂い。
頭の中のBGMは、南国リゾートと日本の漁港が同時再生されています。
それでも私は、スプーンにひとさじすくいました。
「子どもに飲ませる前に、親が倒れておくのも仕事。」
そう自分に言い聞かせて、
意を決して口へ運びます。
結果:薬剤師ママ、静かに撃沈する
……。
………。
……っっっっっっっっっっ。
説明が難しいのですが、ひとことで言うならば、
「人間の味覚が想定していない方向の味」
でした。
最初に、
フルーツジュースの甘さと酸味がやってきます。
その直後、遅れてやってくる「ごはんですよ」の塩味と海苔の風味。
甘い・しょっぱい・酸っぱい・磯の香りが、口の中で渋滞を起こしていました。
そして、最後にくるのは、
理由のわからない“強烈な後悔”です。
体中が、「飲んじゃいけない!飲み込んじゃいけない!」と言っているようでした。
ごくん、と飲み込む前に本気で吐きそうになって、慌てて流しに駆け込む薬剤師ママ。
その姿を見ていた家族がひとこと。
「……それ、最初からおいしそうじゃなかったよ。」
ごもっともです。
そして、娘。
「ママ、何やってるの?」
この瞬間、私の中で信じていた
「ごはんですよ最強説」
「迷ったらとりあえずごはんですよ」
という二つの神話は、
音を立てて崩れ去りました。
真面目な話をすると
ここまで散々ふざけましたが、
少しだけ真面目な話も。
そうじゃないと、ここまで読んでくれたあなたの時間を無駄にしてしまうかもしれない。
・薬によっては、酸味のあるジュースやヨーグルト、スポーツドリンクなどに混ぜると、逆に苦味が強くなったり、味が変わって飲みにくくなることがあります。
・粉薬や抗菌薬は、飲み物や食べ物によって相性がはっきり分かれるので、「なんでも混ぜればOK」ではありません。
・また、ミルクや主食(ごはん、おかゆなど)に混ぜるのは、その食べ物自体を嫌いになってしまう可能性があるため、一般的には避けた方が良いとされています。
今回の私のように、「ミックスジュース×ごはんですよ×(ワイドシリンもいくか?)」みたいなカオスなミックスは、どうか大人の口の中だけで完結させてあげてください。
あと、自己流チャレンジをする前に、
ぜひ一度、
かかりつけの薬剤師や医師にご相談を。
「この薬、こういう飲み物に混ぜても大丈夫ですか?」と聞いてもらえれば、相性の悪い組み合わせは止めてくれるはずです。
みなさんの「やらかし服薬チャレンジ」も教えてほしい
というわけで、我が家の
・プレドニゾロン×ごはんですよ=神
・ワイドシリン×ミックスジュース×ごはんですよ=地獄
という、天国と地獄を行き来したエピソードでした。
正直、いま思い出しても笑えるし、
ちょっとだけ胃がムカムカします。
もしよければ、みなさんの
「これはやめておけばよかった服薬チャレンジ」
「うちの子には意外とこれがヒットした」
みたいなエピソードも、
コメントで教えてもらえたら嬉しいです。
次にへんな組み合わせを試すときは、
ちゃんと私もコメント欄を読んでからにしようと思います。
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