薬を飲んでくれない…!薬剤師ママがわが子に実践したリアルな飲ませ方
「また吐き出した…!」
子どもに薬を飲ませようとして、
そんな経験をしたことはありませんか?
うちの子の場合、まず口から薬を吐き出す。
そして泣く。私をバシバシ叩く。
次からは、薬を見ただけで両手で口を押さえてイヤイヤする。
「服薬コンプライアンスの向上が大切です」
なんて患者さんに伝えている私が、
わが子の前では完全なる敗北。
病棟では「この患者さん、どうすれば薬を飲んでくれるかな」
と冷静に考えている私が、
自分の子の泣き声と平手打ちの前では何も考えられなくなる。
そうか、これが現場か。育児が現場だったか。
…薬剤師なんですけど、まったく通じませんでした(笑)。
専門知識は、4歳の前には無力……痛感しました(泣)
今日は、そんなリアルな経験を経て、
薬剤師ママの私が実際にたどり着いた
「子どもへの薬の飲ませ方」をお伝えします。
教科書通りではない、わが家のリアルも包み隠さず書きます。
そもそも、なぜ子どもは薬を嫌がるの?
子どもが薬を嫌がる理由は、大きく3つあります。
①味・においが強烈
子どもの味覚は大人より敏感です。
大人が「まあ飲める」と感じる苦みも、
子どもには強烈に感じられます。
特に粉薬は水に溶けやすく、
口の中に苦みが広がりやすいという特徴があります。
②「嫌だった記憶」が残りやすい
一度「まずい!」と感じた経験は、
子どもの記憶に強く残ります。
次回から薬を見ただけで泣いたり、
口を閉じたりするのはこのためです。
③剤形の問題
粉薬・シロップ・錠剤それぞれに難しさがあります。
粉は溶けて苦みが出やすく、
シロップは甘すぎて嫌がる子もいます。
錠剤は飲み込めない子もいます。
薬剤師ママが実際にやってみた!飲ませ方「実践編」
① 何に混ぜる?食べ物・飲み物の選び方
一般的には
「プリン・アイス・ヨーグルトに混ぜる」がよく紹介されます。
でも、うちの子は甘いものが嫌い。それが全部使えない。
そこで試したのが…「ごはんですよ。(減塩タイプ)」です。
きっかけは子どもの入院でした。
点滴を外すために、「プレドニゾロン」という薬を
飲まなければならなくなりました。
プレドニゾロンは、ステロイド薄の中でも特に苦みが強い薬。
甘いものが嫌いなわが子に、
どうやって飲ませるか本気で悩みました。
そのとき頭に浮かんだのが、
「塩気+うま味で苦みをマスキングできないか」
という薬剤師としての発想。
試しに「ごはんですよ。」に混ぜてみたら、
あっさり飲んでくれました。
塩分が気になったので、減塩タイプを使ったのがポイントです。
混ぜてOKな食べ物の例:
・アイス・プリン・ヨーグルト(甘い系)
・ごはんですよ・味噌・佚煎(塩気・うま味系)
→甘いものが苦手な子に!
・ジャム・ハチミツ(1歳以上)
② 口腔内塗布法(粉薬の裏技)
粉薬を少量の水で練ってペースト状にし、
上顎の内側(臼歯のあたり)に塗りつける方法です。
その後すぐ水や好きな飲み物を飲ませます。
口の中で溶けにくく、
苦みを感じる前に飲み込めるのがポイントです。
③ 子どもに「選ばせる」自主性作戦
「お水で飲む?ジュースで飲む?」
「このカップにする?あのカップにする?」
など、飲ませ方の一部を子どもに選ばせると、
自分で決めた感覚から飲んでくれることがあります。
④ タイミングの工夫
お腹が空いているとき(食前)に飲ませると、
食べ物への意欲が後押しになることがあります。
また、薬を飲んだ後に
好きなシールを貼る・好きな動画を見るなど、
ご褒美との組み合わせも有効です。
⑤ 服薬補助ゼリーを使う
薬局やドラッグストアで購入できる「服薬補助ゼリー」。
薬をゼリーで包んで飲ませるもので、
苦みをかなりカバーできます。
また、市販のゼリーではなく専用品を選んでください
薬剤師として伝えたい「やってはいけないこと」
× 混ぜてはいけない食べ物がある
・牛乳・乳製品:抗生物質(テトラサイクリン系など)は、牛乳に含まれるカルシウムと結合して吸収が低下することがあります。
・グレープフルーツ:薬の代謝酵素の働きを隋害し、血中濃度が上がりすぎる薬があります。決して混ぜないでください。
・スポーツドリンク:カルシウム・マグネシウムが含まれるため、抗生物質の効果が弱まることがあります。
・オレンジジュースなど酸性の飲み物:マクロライド系抗生剤(クラリスロマイシンなど)と混ぜると苦みが増すことがあります。
何に混ぜてよいか迷ったときは、どうぞ薬剤師に相談を!
× 量を勝手に減らす・途中でやめる
「もう元気そうだから」と薬をやめるのは危険なことがあります。
特に抗生物質は途中でやめると耐性菌ができる原因になります。
用法・用量は必ず守ってください。
× 「騙して」飲ませ続けない
騙して飲ませることが続くと、
子どもは「信頼できない」と学習し、
次からますます拒否するようになります。
できるだけ「これは体をよくする薬だよ」と、
年齢に合わせて正直に伝えることが大切です。
おわりに
薬剤師でも、わが子への投薬は試行錯誤の連続です。
「ごはんですよ。に混ぜたら飲んだ」なんて、
教科書には載っていません。
大切なのは、その子に合った方法を見つけること。
そして、困ったときは遠慮なく薬剤師に相談することです。
「こんなこと聞いていいの?」と思わなくて大丈夫。
そのための薬剤師です。
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