わたしの奥で、星が言ってしまった。──リリスが蠍座を抜け、射手座へ入った夜
止めたかったのに、
わたしの奥が、勝手に放ってしまった。
濡れてたのはわかってた。
ぬるいまま抱えてた。
まだ見つからんように、じっとしてたのに──
12月21日、午前4時すぎ。
リリスが、射手座に入った。
たぶんその瞬間、
わたしの奥の「鳴ってた何か」が、
ぬるん、って抜けた。
誰にも見られてないはずやのに、
声が出た気がして、
喉を押さえた。
出てない。
…はずやのに、
奥だけが、鳴いてしまってた。
快感って、
声よりも先に奥が言う。
「もういい?」って、
からだのほうが、星より先に知ってたのかもしれない。
脚を閉じて座ってたのに、
椅子の下に、すこし熱がこぼれた。
こそっと、にじむような抜け方で、
奥のほうが。
それでも、何ひとつ触れてない。
手もない。音もない。
けど、ああ、わたしの中の矢、飛んでいったなって感じた。
もう、黙っておけない。
名前をつけたら終わると思ってたものが、
名前にならないまま、わたしを貫いていった。
「リリスが動いた夜、
わたしの奥が、言ってしまった。」
「ほんまは、もうとっくに、欲しかってん。」
──そしていま。
濡れたまま、声のあとで。
だれのせいでもなく、
わたしが選んだこととして。
「星に導かれたこの衝動を、
わたしのままで、
祈りとして、受け取ります。」
(おわり)
──ほしのりりす
このよるのショートエッセイは、第九夜より、つながってます。
🔗 星としてのリリスについて知りたい方へ
あの夜、わたしを抜けていったもの。
それは「リリス」という名の星でした。
星としての意味を、こちらで書いています:
感じてくれて、ありがとうございます。
よるのショートエッセイシリーズは、
ことばだけで、濡れる夜がある。
あなたの「感じるところ」に、そっとふれていく連作です。
わたしのことばが、
からだのどこかに残ったなら。
よかったら、ほかの夜も読んでみてくださいね。
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その余韻を、そっと返してもらえると、うれしいです。
わたしはまた、ひらいて書ける気がします。