見出し画像

ライブの記憶(13)〜時はまた飛んで、1984年のサザンオールスターズ

(承前)

時系列に記憶を辿るとし、1978年に戻したのですが、再び時を飛ばします。こればっかりは、流れがあるから仕方がない。

1984年4月は、大学を卒業し就職、一応独り立ちするという大きな節目の時でした。その前夜とも言える、同年1月30・31日、2月1日の3日間、サザンオールスターズは“SASたいした発表会・私は騙された!!ツアー‘83“の最終公演を日本武道館で開催したのでした。

大学時代の私は、高校時代の延長で洋楽を聴きつつ、ジャズの世界に入り、国内ではRCサクセションに熱狂していました。友人とのアメリカ旅行では、ロサンゼルスでブルース・スプリングスティーンのコンサートを体験するという幸運も。

そんな中、昨日書いた流れで、このコンサートに行くことになったのです。

アリーナではなく1階席でした。

その時の印象を失礼承知で書くと、「なんだか、幕の内弁当のようなライブだったなぁ」。総花的で、芯になるものがないと。。。。

決して的外れではないと思います。なぜなら、サザン/桑田佳祐は、幅広いジャンルの音楽を取り込み、それを彼らなりに消化して、サザン/桑田にしか産み出せない音楽をアウトプットする。挙げ句の果てには、「ひとり紅白歌合戦」までやってしまうのですから。それが、誰もが自分にとってのサザンを持つことになるのです。

ただ、当時の私はそれを素直に受け止める能力がなかったのです。ライブと言えば、スプリングスティーンやRCのように、私の中にあったなにかを解放するカタルシスを求めていたのでしょう。サザンのライブは、「ちょっと違うな」と感じたし、“いとしのエリー“が演奏されなかったことも残念でした。

今改めてセットリストを眺め、順に再生していくと、なかなか素晴らしい流れです。アルバム「綺麗」からの作品が続いた後は、“Ya Ya“、後半は「ステレオ太陽族」「NUDE MAN」からの作品に加え、83年の紅白で披露した“東京シャッフル“や、“ボディ・スペシャルII“。アンコールでは、“夏をあきらめて“そして“旅姿六人衆“。悪かろうはずがないのに、私の印象は上記の通りだったのです。

スージー鈴木「サザンオールスターズ 1978−1985」(新潮新書)の1983年の章にこんな箇所があります。その年の夏、サザンはさまざまなアーチストとジョイント・コンサートを開くのですが、北海道でRCサクセションと共演する。最初から観客総立ちのパフォーマンスを目にして、桑田佳祐は<『誰も気がつかなっただろうけど、オレ、涙出ちゃった』と打ち上げの席で言った>(前著より、「たいした夏」からの引用)。

スージー鈴木は、「綺麗」以降、サザンの<「コンテンポラリー」色を強めていく>路線は<「ロックンロールではRCサクセションにかなわない」という意識も作用したのかもしれない>と書いています。この記述は、当時の私の気持ちを表しているように思えます。

結果的に、これ以降の私とサザンの関係は、再び“つかず離れず“となるのですが、“国民的バンド“となったサザンは武道館では手狭となり、スタジアム・コンサートへと。私は、少し気にしながらも、チケット取るのも大変そうだし「まぁ、いいか」と。

年月は流れたのですが、ここに来て、妻から「サザンのライブに行きたい」。私も、「やっぱり見とかないと」と。

ということで、2022年12月10日、桑田佳祐のソロ・ライブ@東京ドームに。なぜか、どうしても記事にまとめられなくて、何も記録してないのですが。

ようやくサザンの番も回ってきました。5月28日、サザンオールスターズの東京ドーム公演、なんと41年ぶりに彼らの姿を観に行きます!


*1984年のセットリスト(収録アルバム)
**Apple Music プレイリスト

かしの樹の下で(「綺麗」)
マチルダBABY(同)
星降る夜のHARLOT(同)
MICO (同)
サラ・ジェーン(同)
EMANON (同)
Ya Ya〜あの時代を忘れない(シングル)
My Foreplay Music(「ステレオ太陽族」)
ラッパとおじさん(「ステレオ太陽族」)
赤い炎の女(「綺麗」)
匂艶 THE NIGHT CLUB(「NUDE MAN」)
朝方ムーンライト(「ステレオ太陽族」)
思い出のスターダスト(「NUDE MAN」)
横浜Lady Blues(シングル)
NEVER FALL IN LOVE AGAIN (「綺麗」)
DJ・コービーの伝説(「NUDE MAN」)
東京シャッフル(シングル)
Big Star Blues (「ステレオ太陽族」)
ボディ・スペシャルII (シングル)
YELLOW NEW YORKER (「綺麗」)

アンコール

夏をあきらめて(「NUDE MAN」)
旅姿六人衆(「綺麗」)






いいなと思ったら応援しよう!