無茶ぶりはやめて|#アマノ文筆クラブ
「佐藤くん、今日はこいつと釣りに行ってきてくれない?」
あにゅい博士から研究所に呼び出された僕は、またしても新発明の実験に付き合わされることに……。
「人型の釣りロボット。名前は釣男っていうの」
安直な名前だ。
「何を釣ってくればいいんですか。イカとか?」
「いや、それはいかん。魚にして」
「さんまとか?」
博士はにんまり笑う。さんまでにんまり……無視しよう。
「ハマチなんか、どうです? いま高値ですからね」と僕。
「いくらかな? ハウマッチ(はまち)なんちゃって」
今日の博士は調子が悪そうだ。
「やっぱり、カンパチを釣ってきて……」
「無理!」
僕は間髪入れずに断る。カンパチと間髪。うまく返せたと思ったが、博士は気づかずに続ける。
「じゃ、ブリをたくさん釣ってきてね。大根切って待ってるから」
まいった。無理をブリと聞き間違えられた。冗談はこれくらいにして釣りに出かけることにした。
釣り場に着き、釣男は竿ケースからムチを取り出した。「それはムチだ」と指摘したら、「ムチがえ(間違え)ました」と答える。釣男は無知だ。素直でいいが、少し心配になる。
釣男は竿代わりにムチでブリを釣った。本当にブリがたくさん釣れた。腕は確かだった。借りた軽トラの荷台いっぱいにブリを積んで帰る。
ところが、研究所近くまで帰って来て、軽トラが動かなくなった。あまりの重さに道路が陥没してしまったのだ。
どうしようかと悩んでいると、大根が入った鍋を持った博士が迎えにやって来た。状況を説明すると、博士は「しょうがないわね~」と笑って言った。
「ブリが通れば道路がへっこむ、って言うものね」
(了)
それを言うなら「無理が通れば道理が引っ込む」でしょ。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
甘野充さんの企画に参加します。
よろしくお願いします。
#アマノ文筆クラブ #無茶ぶりはやめて
甘野さんのタイトル画像からインスピレーションを得て書きました。
あんにゅ博士と佐藤くんが出てくるお話はこちら。
メンバーシップやってます。
note初心者大歓迎!
では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!