詐欺被害と借金問題で法律相談へ。それでも弁護士を選べなかった僕の本音
元不動産会社の営業だった知人に、なりすましでカードローンを組まれていた。
自分で申し込んだ覚えはない。
それなのに、借入残高だけが現実として積み上がっている。
最初は、何かの間違いだと思った。
「事情を説明すれば、すぐ解決するはずだ」
「これは詐欺被害なんだから、返さなくていいはずだ」
そう信じたかった。
けれど、カードローンのサービスを提供したネット銀行は事実だけを見る。
申込情報は揃っている。
本人確認も通っている。
「なりすまし」という言葉だけでは、借金は消えなかった。
借りた覚えのないカードローン。
それでも利息は静かに増えていく。
詐欺被害と借金問題は、別々に扱われる現実。
その重さに耐えきれず、僕は法テラスを通じて法律相談、そして弁護士相談へ向かった。
これでようやく終わると思っていた。
でも――
相談が終わったあと、
僕はもう一度、決断を迫られることになる。
1. ネット詐欺となりすまし被害。専門外と言われた瞬間

弁護士相談の場で、事実関係を説明した。
元不動産会社の営業だった知人によるなりすまし。
勝手に組まれたカードローン。
詐欺被害であること。
そして膨らんでいく借金問題。
弁護士は資料に目を通し、静かにうなずいた。
そして、こう言った。
「これは少し特殊ですね」
一瞬、空気が変わった気がした。
続けて説明されたのは、専門分野の話だった。
刑事事件として扱うのか。
民事で争うのか。
貸金業者との交渉なのか。
弁護士にも得意分野があり、
全員がすべての案件に強いわけではないという現実。
頭では理解できる。
でも、そのときの僕には
それが“距離”のように感じられた。
ネット詐欺やなりすまし被害の話をしているのに、
どこか温度が噛み合わない。
僕は必死だった。
でも、相手は冷静だった。
もちろん、それが仕事だとわかっている。
それでも心のどこかで思ってしまった。
「この弁護士さんは、本気で一緒に戦ってくれるだろうか」
責めているわけではない。
ただ、揺れていた。
詐欺被害で不安定になっている状態で、
弁護士選びという新しい判断を迫られている。
その重さが、じわじわと胸に広がっていった。
2. 法テラスで知った「弁護士にも得意分野がある」という現実
後日、改めて法テラスの説明を読み返した。
弁護士にも専門分野がある。
刑事に強い人。
債務整理に強い人。
消費者被害に詳しい人。
企業法務が中心の人。
当たり前のことだ。
医者に内科や外科があるように、
弁護士にも得意不得意がある。
でも、詐欺被害と借金問題で追い詰められている側からすると、
そんな“常識”を考える余裕はない。
目の前にいる弁護士が、
自分を助けてくれる人なのかどうか。
それしか見えない。
法テラスは、相談の窓口としては心強かった。
法律相談や弁護士相談への入り口として、
確かに救いだった。
けれど――
「誰に依頼するか」は、自分で決めなければならない。
ここから先は、自己責任。
その現実が、思った以上に重かった。
専門分野が違うと言われたわけではない。
はっきり断られたわけでもない。
でも、どこかで感じた。
“完全に任せられる”という確信が持てない。
詐欺被害の傷がまだ生々しい状態で、
もう一度、大きな判断をしなければならない。
それが、想像以上に怖かった。
3. 着手金と成功報酬。その言葉だけで手が止まった
弁護士相談の終盤、費用の説明があった。
着手金。
成功報酬。
その言葉を聞いた瞬間、
僕の頭の中は真っ白になった。
金額は、法外というほどではなかったと思う。
相場の範囲内だったのかもしれない。
でも、詐欺被害と借金問題で揺れている状態で、
さらに“支払う側”になる現実が重かった。
着手金は、結果に関わらず発生する。
成功報酬は、回収できた場合にかかる。
頭では理解できる。
でも心が追いつかない。
もし回収できなかったら?
もし思ったような結果にならなかったら?
このお金は戻らない。
その可能性を考えた瞬間、
体のどこかが強くブレーキをかけた。
正直に言うと、支払い方も怖かった。
一括なのか。
分割は可能なのか。
それを聞くだけでも、
「また大きな決断をする」という感覚が襲ってきた。
詐欺被害で傷ついた直後に、
もう一度リスクを取る。
その構図が、どうしても怖かった。
着手金と成功報酬。
ただの契約条件のはずなのに、
僕にとっては“覚悟を試される言葉”だった。
4. 「この弁護士でいいのか?」決めきれなかった夜
相談が終わり、事務所を出た。
外は明るかったのに、
僕の頭の中だけが重かった。
詐欺被害の整理は少し進んだ。
借金問題の道筋も、うっすら見えた。
それでも――
「この弁護士でいいのか?」
その問いだけが消えなかった。
費用のこと。
専門分野のこと。
言葉の温度の違い。
どれも決定的な不安ではない。
でも、どれも小さく引っかかっている。
帰り道、またスマホで検索した。
「弁護士選び 迷う」
「法律相談 そのまま依頼しない」
「弁護士 相性」
情報は山ほど出てくるのに、
自分の答えはどこにもない。
依頼しなければ前に進まない。
でも、急いで決めるのも怖い。
弁護士に正式に依頼するということは、
契約を結び、契約書にサインをし、
着手金を支払うということだ。
その瞬間を想像するだけで、胸がざわついた。
弁護士に依頼の電話をかけるかどうか、
そのボタン一つが押せない。
もしまた、信じる相手を間違えたら。
詐欺被害の直後だったからこそ、
「任せる」という行為そのものが怖くなっていた。
これは弁護士の問題だけではない。
でも、その夜の僕には、冷静に切り分ける余裕がなかった。
決められない自分が情けなく思えた。
早く動かなければ状況は悪くなる。
頭ではわかっている。
それでも、依頼の連絡をするところまで踏み切れなかった。
もう一度、大きな判断をする。
その重さに、心がついてこなかった。
その夜、僕は決めきれなかった。

5. 弁護士選びに迷うのは、間違いじゃなかった
あの夜、僕は自分を責めていた。
「優柔不断だ」
「また判断を先延ばしにしている」
「だから詐欺被害に遭ったんじゃないか」
そんな声が、頭の中で何度も繰り返された。
でも、少し時間が経ってから気づいた。
迷うのは、弱さではなかった。
詐欺被害で一度信頼を裏切られた直後に、
もう一度「誰かに任せる」決断をする。
それが簡単なはずがない。
弁護士にも専門分野がある。
費用にも幅がある。
相性もある。
弁護士選びは、
単なる事務手続きではなく、
人生の立て直しを預ける相手を選ぶということだ。
だから迷った。
それは、自然な反応だった。
急がなかった自分を、
あとになって少しだけ肯定できた。
あのとき無理に契約していたら、
後悔していたかもしれない。
一度持ち帰ったからこそ、
自分の中で整理する時間が持てた。
迷う時間も、必要だった。
弁護士選びに迷うのは、
間違いじゃなかった。
6. それでも、僕は「選ぶ側」でいたかった
詐欺被害で、僕は一度「信じる側」になり、判断を誤った。
だからこそ、もう一度同じように流されるのが怖かった。
でも、あの夜に立ち止まったことで、ひとつだけはっきりしたことがある。
僕は、選ばれる側ではなく、選ぶ側でいたい。
弁護士に依頼するということは、
ただ助けてもらうことではない。
自分の人生の立て直しを、
誰と一緒にやるかを決めるということだ。
詐欺被害と借金問題で揺れたあとだからこそ、
その決断は慎重でありたかった。
迷いは、臆病さではなかった。
信じることを、もう一度やり直すための時間だった。
法テラスを通じて法律相談を受け、
弁護士相談まで辿り着いた。
そこから先は、自分の選択だ。
急がなかった。
焦らなかった。
その夜、僕は弁護士に依頼の電話をかけなかった。
でも、それでよかった。
7. 法律相談のあとに、覚えておきたいこと

法律相談や弁護士相談のあと、
その場で契約を決めなくてもいい。
詐欺被害や借金問題で追い詰められていると、
「早く決めなきゃ」と思ってしまう。
でも、弁護士選びは急がなくていい。
・専門分野は合っているか
・報酬、費用の説明に納得できているか
・相性に違和感はないか
そのどれかに引っかかりがあるなら、
一度持ち帰るのは間違いじゃない。
迷うことは、弱さではない。
むしろ、自分の人生を守ろうとする反応だ。
弁護士選びは、
人生を立て直すための第一歩だ。
だからこそ、
自分で納得して選びたかった。
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