【ADHDダイエット実録】10kgリバウンドした僕が、まずやったのは反省ではなく「計器を戻す」こと
夏に向けてダイエットを再開した。
きっかけは、夏服だった。
春に入ったころ、衣替えの準備をしようと、念のために去年履いていたズボンを出してみた。
何気なく足を通し、ボタンを留めようとした瞬間、僕のウエストのあたりでなんだか小さな「会議」が始まった。
「これはいけるのか?」
「いや、これはマズくないか?」
「ボタン糸が悲鳴を上げています!」
「布地としての限界を超えているのでは?」
僕は、その会議から目を背けて息を止め、腹を引っ込めて、ボタンをねじ込んだ。
なんとかボタンは留まった。
でもそれは、辛うじて留まっただけで、ボタン糸はまるで老朽化した吊り橋のワイヤーみたいに、静かな悲鳴を上げていた。
これは、まずい。
そう思って体重計に乗ったら、久しぶりに見る数字が「やあ!」と顔を出してきた。75kgだった。
数年前に、僕は65kgまでダイエットした。その時の詳しいやり方は下の記事に書いた。
念のために言っておくと、痩せた直後にリバウンドしたわけではない。しばらくは維持できていた。だから、前回のやり方が失敗だったとは思っていない。
気合いではなく、観測する。
反省ではなく、記録する。
体重計を裁判官ではなく、体温計のように扱う。
その考え方は、今でもかなり有効だったと思っている。
そこで、僕はこの機会に自分のこのADHDダイエット理論を検証してみることにした。
なぜ太ったのか。
今回のリバウンドの犯人は、AIだ。
いや、AIが僕の口に夜食を詰め込んできたわけではない。ChatGPTが深夜に冷蔵庫を開け、「さあ、もう一品いきましょう」と囁いてきたわけでもない。
ただ、この一年、AIで仕事が捗りすぎた。
新しいアイデアが出る。試す。うまくいく。また次のアイデアが出る。さらに試す。気づけば夜が更けている。
脳内では、ずっと小さな開発会議が続いている。「これもできるのでは」 「こんなアプリ作ったら効率爆上げでは」 「この線も試せるのでは」 「この原稿、もう少し磨けるのでは」
そうして仕事は捗った。アイデアも捗った。執筆も捗った。そして、夜更かしついでに夜食も捗った。
そうしたら、ウエストまで捗ってしまった。
本来なら、夜のどこかで「はい、本日の営業は終了です」と店じまいをしなければならない。でも、AIを使っていると、頭の中の看板がなかなか消えない。
閉店時間を過ぎても、厨房の火が落ちない。まかないを食べ、片付けの途中でまた何かを作り始め、結局、深夜に冷蔵庫の前に立っている。
僕が太る原因の大半は、夜食だ。
それは以前から分かっていた。でも言うまでもなく、分かっていることと、止まることは別。
ADHDの脳にとって、「面白い」はかなり危険な燃料だ。
ADHDの脳にとって、「面白い」はかなり危険な燃料だ。退屈な仕事なら、まだ途中で止まれる。だが、面白い作業は止まれない。止まれないまま夜が深くなり、疲れた脳が手軽な報酬を求める。
食べる。
すると、脳が少し落ち着く。
また少し作業する。
また食べる。
これを繰り返していたら、気が付けば体重が積み増していた。
ある意味では、かなり分かりやすい。AIで仕事が捗りすぎた結果、「夜食ブレーキ」が不具合を起こしていたのだ。
10kgリバウンドした。でも、前ほど絶望していない
というわけで、「AIのせい」で10kg戻った。
とは言え、前ほど絶望していない
65kgまで落とした人間が、また75kgに戻っている。
これだけ見ると、いかにも失敗したように見える。
「やっぱり続かなかった。」
「また太った。」
「結局、自分は変われない。」
そういう言葉が、頭の中で裁判を始める。
以前の僕は、確かにそうだった。
もちろん、がっかりはした。びろーんと伸び切ったズボンのボタン糸も、かなりがっかりしているのが目に見えて分かった。ウエストのぜい肉は、厳然たる現実としてそこに存在していた。
ただ、不思議なことに前ほどは絶望しなかった。
僕は、自分がどうやって痩せたのかを知っている。そして、どうやって太ったのかも、ある程度見えている。
要するに、これは「だらしなさ」とか「自己管理ができない」という人格の問題ではなく、「航路が少しズレた」だけだ。
——そして、この「航路のズレ」という見方こそが、前回のダイエットで僕が手に入れた、いちばん大きなものだった。
船が風で流されること自体は、避けられない。海は動くし、風も変わる。波だって来る。
その時に必要なのは、ワッチ係を怒鳴りつけることではなく、現在地を測り直し、針路を修正できるかどうか。ただ、それだけだ。
だから今回、僕がまずやったのは、「計器を再起動」することだった。
リバウンド後にどう戻していくかの地味な記録
これは、完璧なダイエット成功談ではない。むしろ、崩れたあとに「どう戻るか」だけを書いた、地味な記録だ。
開始時の体重。最初の一ヶ月で見えてきた僕の維持カロリー。目標摂取カロリーの決め方。7日間平均の見方。自炊派や外食やバイキングと言った、「カロリー入力の敵」をどう攻略するか。PFCをどこまで気にするか。そして、ダイエット再開1か月半で、どんな結果になったか。
この先の有料セクションでは、体重やカロリーと言った個人的な記録と、その裏側で僕が何を考えていたかを具体的に書いた。
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