現金があるのに落ち着かない。貸借対照表で見る「事業の体力」の正体【副業・スモールビジネス向け】やさしい決算書の読みかた③
副業の口座に、お金が入った月がありました。
でも、カードの引き落としと、サブスクの支払いを思い出したら、
お財布の余裕は、本当は残っていませんでした。
「お金はあるのに、なぜか落ち着かない」。
その感覚が、しばらく抜けませんでした。
この記事は、副業や小さな事業を始めた会社員の方に向けています。
「口座にお金はあるのに、なぜか安心できない」という方に。
その違和感の答えは、貸借対照表に出ています。
貸借対照表は「いくら持っているか」を数える書類ではありません。
「その持ちものを、何で支えているか」を見るための書類です。

🟩 現金があっても、安心とは限らない
前回見た損益計算書は、1年間で「いくら売って、いくら残ったか」を見る書類でした。
貸借対照表(B/S)は、ある時点で「いま何を持ち、いくら借りているか」を見る書類です。
決算日というある一日の、事業の姿を写した1枚と思ってください。
見るのは、資産・負債・純資産の3つ
最初に覚えるのは、3つだけで十分です。
資産:持っているもの(現金・預金・商品・道具・設備)
負債:返す必要があるもの(借入金・カードの未払い・これから払うお金)
純資産:自分のお金で支えている部分(資産から負債を引いた残り)

ざっくり言うと、こうです。
資産は、何を持っているか。
負債は、いくら借りているか。
純資産は、自分のお金でどれだけ支えているか。

持ちものの「裏側」を見る
貸借対照表には、ひとつの決まりがあります。
資産 = 負債 + 純資産
つまり、持っているものは必ず、
「借りたお金」か「自分のお金」のどちらかで用意されています。
だから、資産の大きさだけ見ても意味がありません。
その裏側が借金なのか、自分のお金なのかで、事業の安定感はまったく変わります。
🟩 「数字で見ると、ぐっとわかりやすい
ある事業の貸借対照表が、こうなっていたとします。
資産 5,000万円
負債 3,000万円
純資産 2,000万円
持っているものは5,000万円。
でも、そのうち3,000万円は借りたお金で用意した部分です。
自分のお金で支えているのは、残りの2,000万円。

「自己資本比率」で体力がわかる
ここで見るとよいのが、自己資本比率です。
持ちもののうち、どれだけを自分のお金で支えているかを示す数字。
純資産 ÷ 資産 = 自己資本比率
今回なら、2,000万円 ÷ 5,000万円 = 40%。
この数字が高いほど、借りたお金に頼りすぎていない、と読めます。
もちろん、これだけで良し悪しは決まりません。
でも、事業の「体力」を見る入口になります。
🟩 貸借対照表は「財産の一覧」ではなく「体力表」
10年以上、決算に関わってきた経験から、正直に言います。
制度会計の担当だったころ、貸借対照表は「財産を正確に並べる書類」でした。
でも管理会計を担当して、見方が変わりました。
大事なのは、資産がいくらあるかではない。
その資産を、借金で支えているのか、自分のお金で支えているのか。
同じ「現金1,000万円」でも、
借りて用意した1,000万円と、稼いで残した1,000万円は、まったく意味が違います。
貸借対照表は、その違いを数字で見せてくれる「体力表」でした。
🟩 副業でも、見方はまったく同じ
これは、大きな会社だけの話ではありません。
口座にお金がある。
道具もそろっている。
それだけ見ると、少し安心します。
でも、そのためにカード払いが増えていたり、
サブスクの支払いがこれから来たりするなら、
本当の余裕は、まだ見えていません。
いま何を持っているか。
これから何を払う必要があるか。
自分のお金で、どれだけ支えられているか。
この3つを見るだけで、口座の残高の「意味」が変わってきます。
🟩 この3つだけ、ときどき並べてみる
貸借対照表を使い始めるなら、最初はこの3つだけです。
資産:いま持っているもの
負債:これから返すもの
純資産:自分のお金で支えている部分
決算のときだけでなく、ときどき自分の事業でも書き出してみる。
口座のお金は、借りたお金ではないか。
これから払うものを引いても、手元は残るか。
「お金がある」と「余裕がある」は、違います。
貸借対照表を見ると、その違いが見えてきます。

さいごに
副業を始めて気づいたのは、「お金があること」と「余裕があること」は、別だということです。
口座に入金があった月でも、カード払いと支払い予定を引いたら、ほとんど残っていなかった。そんな月がありました。
あのとき貸借対照表の視点を持っていれば、口座の残高だけで一喜一憂せずに済んだ気がしています。
お金はあるのに落ち着かない、という感覚があるなら、その裏側にある『返すもの』を見てみてください。残高ではなく、その中身を。
あなたは、口座にお金があるのに落ち着かなかったこと、ありませんか?
コメントで教えてもらえると、とても嬉しいです
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貸借対照表で「何で支えているか」がわかると、次に気になるのは「お金は、実際どう動いているのか」です。
利益は出ている。でも、なぜか現金が増えていない。
次は、その違和感を見る書類、キャッシュフロー計算書について整理します。
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