入院日記②刑務所みたいな環境&グルテンフリー病院食
救急搬送されて即入院が決定!!
その様子を記した前回がこちら ↓
強制ファスティング
腸の詰まりを正常に戻すため、食事は禁止。
しかも初日は水も飲んではいけない。
水も!?
砂漠かよ。
水分は全て点滴から摂取するとの事。

針を刺したまま生活するのってめっちゃ怖い……!
どっかに引っかかってブチッてなるんじゃないか?
という想像をしただけでもヒヤッとしてしまう。
だがそこは慎重に動くしかない。

不思議な事に、何も飲んでないのにトイレには行く。
それが点滴というものなのか。500mlの水分が自然と吸収されていく。
今まで健康の為にファスティングをした事はあったが、急な空腹で苦しまない為の「準備食」という徐々に少食にしていく段階を経ていた。
しかし今回の場合、前日は少食どころか大盛りカレー3杯の爆食だったので、ぶっつけ本番のファーストテイク断食だ。
親に電話してノートパソコンやポケットWi-Fiとか生活用品を持ってきてもらい、ベッド周りをカスタマイズ。
備え付けのテレビを観る為には専用カードを購入しなければいないのだが、気持ちはZ世代だったので必要なかった。
TVerとNetflixで事足りる。
しかし、コンセントを使う場合は500円だと言われ、畜生と思ったが最終的に請求されなかった。
そこまでのチェックを業務に入れるのはさすがに面倒なのかもしれない。
そんなこんなで入院初日、自分のエリアを完成させて、最長1週間の生活に向けて覚悟を固める。
鼻チューブ地獄part2
腸のガスや消化液を外に出す為に、鼻から入れられたチューブ。
これこそ点滴よりも天敵だった。
割りと太いのだが、鼻自体はそんなに痛くない。
でもデリケートな喉が常に異物の圧迫を受け、その蓄積によりどんどん痛みを覚えてくる。
ツバを飲み込むとすごい苦痛。
にもかかわらず、喉に違和感があるから反射的に飲み込む動きをしてしまい、悪循環。
初日の夜は前日の不眠が影響して睡魔が襲ってきてくれたが、2日目は体も動かさないので疲れもしないから、あんまり眠くならない。
ちなみに2人部屋だったが、隣のじいさんはいびきがうるさいので余計に睡眠妨害。
看護師にお願いして綿をもらい、耳に詰めた。
ようやく寝そうになるが喉の痛みで眠れない。
何でこんな目に遭うんだと運命を呪った。
だって自分以外にも爆食する人はいるだろうし、今まで同じくらい食べた事もあったのに、なぜ今……。
辛くて泣きそうになる。
これは何かの罰なんだと、今までした悪い事を思い浮かべる。
……まあ、これでチャラになるんだったら頑張るか。
ほんとにあった総回診from白い巨塔
朝、院長と部下、看護師や研修医が集団で各病室を訪れて1人1人の患者と話して回る時間があるのだ。
「財前教授の、総回診です」
というドラマでよく聞いたアナウンスが思い出される。
白髪の院長が僕の前に現れて「調子はどうだい?」と聞いてくる。
やっぱり偉い人を目の前にするとこっちもリクルートの時のようにかしこまって答えてしまう。
3日目の朝はノートパソコンで洋画を観てる途中に来て、慌てて停止して出迎えた。
院長は「勉強でもしてたのかな?」と穏やかな笑顔で聞いてくる。
僕「あ、ちょっと映画を……」
すると中年の女性看護師がパソコンの画面をお茶目に覗き込む。
停止中の画面の上にタイトルが表示されており、さらにその横には (吹き替え)と書いてある。
看護師「吹替版でした」
と謎の報告をする。
確かに字幕版を観てる方がカッコ良いので、僕は恥ずかしかった。
院長「そろそろ鼻チューブも取ろうか」
僕の心に光明が射した。
鼻チューブからの解放
それから1時間ほどして女性の看護師が2人来る。
「じゃあ鼻チューブ抜こうか」
よし!
やっと抜ける!
たった2日間だったが、だいぶ苦痛だったから本当に嬉しい。
ただ、喜びを前に出し過ぎると、看護師が「テッテレー!」と看板を出して「本当は抜きませーん!笑」というドッキリを仕掛けてくるのではないかという突飛な想像が浮かび、あえて冷静に返事をした。
病院にいるせいでこんな思考回路になるのだ。
看護師が僕の両サイドに立ち、左サイド担当が僕の体を優しく押さえる。右サイド担当が鼻チューブを握る。
「こういうのはためらってもしょうがないからね」と言ってドゥルルルルルー!と引っこ抜き始める。
いやいや抜いては欲しいけどそんな勢い良く!?
初めてだったので優しくして欲しい気持ちもあったが、ここは経験者に身を任せた方が正解なのだろう。
スポン!
2メートル弱あった管は消えた。
右の鼻の穴に入っていたから、刺激を受けて右目だけから大量の涙が出た。
チューブと一緒に魂も抜けたように呆然としている僕を見て、
看護師「撃沈……って感じだね」
と言い得て妙な発言をする。
こういう時、普段の僕だったら「死んだ……」みたいに表現しがちだが、やはり病院でそれは不謹慎なのか、看護師の言葉はナイスチョイスだった。
チューブに繋がれたマシンともお別れとなる。
グルテンフリー病院食
入院する際に食事についてのアンケートを書いた。食べ物のアレルギーについて聞かれており、特に無かったが、健康志向が働いて「小麦アレルギー」と書いた。
普段ヴィーガン料理なども好んで食べていたので、欲を言えば五葷(ネギ・玉ねぎ・ニラ・にんにく・らっきょう)を抜いたオリエンタルヴィーガンかつグルテンフリーの料理を注文したかったが、病院食にそこまでのバリエーションは絶対にないだろうと遠慮した。
ただし、鼻チューブを抜いてすぐにバクバク食べられる訳ではなく、最初は流動食との事。
流動食って何だろうと思ったら、こんなのだった。

重湯という、お粥の汁だけの部分、
ほんのりダシが香るかもしれないお吸い物。
乳酸菌飲料。
つまんないメニューだけど、何もないよりかはマシか?
これが昼夜の食事で、次の日から固形物が登場!

わーい!
五分粥(水の量が多いお粥)と麩と野菜の何かだ!
やわらかめのブロッコリーとカリフラワー!
お吸い物にも具が!
普段は牛乳なんて飲まないけど、唯一の動物性たんぱく質をゲット!
さらに昼は ↓

えっ!
こんなにいいんですかあ?
ありがとうございます!!
魚だー!!
やっぱり美味しいな〜!
病院食ってマズいイメージだったけど、京都料理が好きな自分にとってはこの薄味がドンピシャだった。
刑務所みたいな環境
朝7時起床。
1日3食。
ずっとベッドの上で運動は禁止。
窓の外は別の建物の壁。
入浴はなし。
夜20時消灯。
食事が朝昼晩と出るのはとても良いが、添加物が気になる。
ねり梅のパウチを残している僕を見た看護師が「梅嫌いなの?」と聞いてきて「いや、ちょっと添加物が……」と答えると、相手は「まあ怪しいよね」と言って去る。
摂取したカロリーを燃焼して循環させるための運動をしてはいけないのはプラマイゼロ案件。
どっかの病室から誰かのうめき声が定期的に聞こえる。
4日目にはだいたい3人くらいを聞き分けられるようになった。
気が滅入るし、こんな環境では治る病気も治らないような……。
面会は家族のみ。
マスク着用で15分以内厳守。
おととしの秋はコロナの収束間際だったのでそんな形だった。
まあ刑務所というのは言い過ぎかもしれないが、超模範囚の生活みたいなものだろう。
工場での労働が免除されてるバージョンだ。
テレビが有料なのでそこは病院の方がビジネス傾向にある。
体を大事にしなかったという罪状における、懲役5日の刑と思えばふさわしい。
そんな日々もついに終わりを迎える……!
次回予告
▽3階と4階で大違い
▽ナースからのお誘い
▽ドキドキの入院費はおいくら?
▽天使のお出迎え
最終回はこちら ↓
