二人目の妊娠。喜びの裏で始まった壮絶なつわり|人生の転機㉑
いつも「人生の転機」シリーズを読んでくださり、本当にありがとうございます。
前回の記事はこちらです。
初めて読んでくださった方は、第1話から読んでいただけると、これまでの流れがより伝わると思います。
二人目の妊娠がわかった。
新しい命を授かったことは、
本当に嬉しかった。
家族がもう一人増える。
そんな未来を思い描きながら、
幸せな気持ちでいっぱいだった。
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でも、その喜びは長くは続かなかった。
妊娠して間もなく、
つわりが始まった。
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一人目の時もつわりはあった。
だから今回も、しばらく我慢すれば終わる。
そう思っていた。
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でも、今回は違った。
食べても吐く。
水を飲んでも吐く。
胃の中が空っぽになっても吐き気は止まらない。
何も口にできない日が続いた。
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それでも私は仕事を続けていた。
産休に入るまでは働きたい。
職場にも迷惑をかけたくない。
そんな思いがあったからだ。
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仕事中も気持ち悪さとの闘いだった。
休憩時間にトイレへ駆け込み、
吐いては仕事へ戻る。
そんな毎日を繰り返していた。
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家へ帰っても状況は変わらない。
横になっているか、
トイレへ吐きに行くか。
その繰り返しだった。
「いつまで続くんだろう。」
終わりの見えない毎日に、
心も体も少しずつ疲れ果てていった。
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やがて、
吐くものがなくなっても吐き続け、
とうとう血まで吐くようになった。
産婦人科を受診すると、
そのまま入院することになった。
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点滴を受けながら過ごす毎日。
本当なら、
ここでゆっくり体を休めるべきだった。
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でも、
私の頭の中にあったのは、
まだ3歳だった子どものこと。
「寂しがっていないかな。」
「ちゃんとご飯は食べているかな。」
「泣いていないかな。」
病院のベッドの上でも、
気になるのは子どものことばかりだった。
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少しでも早く家に帰りたい。
その気持ちが強く、
約2週間で退院することにした。
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家に帰れば、
少しは良くなると思っていた。
でも現実は甘くなかった。
つわりはまったく治らない。
仕事へ行っても吐く。
家へ帰っても吐く。
横になっていても気持ち悪い。
眠ることさえ思うようにできなかった。
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ある日、
いつものように吐き気がして、
トイレへ向かった。
その瞬間、
急に視界が真っ白になった。
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次に目を開けると、
夫が何度も私の名前を呼んでいた。
「大丈夫!?聞こえる?」
私は何が起きたのかわからず、
ぼんやり夫の顔を見つめていた。
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「救急車を呼ぶよ。」
そう言われても、
私は首を横に振った。
「もう意識は戻ったし、大丈夫。
救急車は呼ばなくていいよ。」
そう答えた。
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すると夫は、
心配そうな表情で言った。
「そんなことじゃないよ。
急に倒れて、
2〜3分も意識がなかったんだよ。
大丈夫じゃない。
病院に行かなきゃ。」
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その言葉で、
ようやく事の重大さを感じ始めた。
翌日、
夫と一緒に産婦人科を受診し、
倒れたことを先生へ相談した。
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先生からは、
「メニエール病などの可能性もあるので、一度耳鼻科で診てもらいましょう。」
そう言われた。
耳鼻科を受診すると、
さらに大きな病院で脳波などの検査を受けることになった。
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検査の結果は異常なし。
少し安心した反面、
原因がわからないまま、
つわりだけは悪化していった。
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家族も心配し、
私は二度目の入院をすることになった。
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正直、
家にいても病院にいても、
つらさはあまり変わらなかった。
吐き気は消えず、
食べることもできない。
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唯一違ったのは、
点滴で水分と栄養を補えることだった。
それだけが命綱だった。
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何日も点滴を続けるうちに、
血管は細くなり、
針を刺せる場所が少しずつなくなっていった。
看護師さんたちも、
「今日はどこから入れようか…」
と悩みながら、
何度も血管を探してくれた。
腕には点滴の跡が増え、
青あざだらけになっていた。
鏡に映るその腕を見て、
「ここまでひどくなっていたんだ。」
そう思ったことを、今でも覚えている。
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この頃の私は、
自分の体を守ることよりも、
「母親だから頑張らなきゃ。」
そんな気持ちを優先していたのかもしれない。
でも、その無理は、
少しずつ心と体を追い詰めていた。
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そしてその頃、
夫にもまた、
人生を大きく変える出来事が近づいていた。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
この頃は、「母親だから頑張らなきゃ」と思う気持ちが強すぎて、自分の限界に気づけませんでした。
次回は、夫に訪れた人生の大きな転機についてお話しします。
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