「俺たちの若い頃は…」と語るおっさんは、今の自分で勝負できていない
「俺たちの若い頃はな…」
職場でこの言葉が出た瞬間、だいたいロクな話にならない。
始まるのは、仕事のアドバイスではない。 昔の残業時間。 昔の飲み会。 昔の上司がどれだけ怖かったか。 昔の自分がどれだけ耐えてきたか。
そして最後は、だいたいこうなる。
「今の若いやつは恵まれてるよ」
いや、知らんがな。
こっちは今の仕事の話をしている。 あなたの平成労働史を聞きに来たわけではない。
8回転職していろんな職場を見てきたけど、この「俺たちの若い頃はおじさん」は本当にどこにでもいた。(Gのように沸いていた)
しかも厄介なのは、本人はいい話をしているつもりでイタイところだ。
でも、聞かされる側からすると、あれはアドバイスではない。
昔話の皮をかぶった苦労マウントである。そしてもっと言えば、だいたい自己弁護である。
あれは昔話ではなく、苦労マウントである
もちろん、昔話そのものが悪いわけではない。
学生時代の友達と集まれば、誰だって昔話をする。
「あの時ああだったよな」
「あいつマジでやばかったよな」
「あの店よく行ったよな」
こういう話は普通に楽しい。
人間は、自分の過去を誰かと共有したい生き物だし、自分の人生を物語として確認したい生き物でもある。
だから、昔話をすること自体は別にいい。
問題は、それを職場の若手や後輩に向けてやるときだ。
特に、
「俺たちの若い頃はもっと大変だった」
という形で語り始めると、話の意味が変わる。
それはもう、ただの思い出話ではない。
「俺はこれだけ苦労した」
「俺はこれだけ耐えた」
「お前らはまだ楽している」
「だから文句を言うな」
というメッセージが乗る。

つまり、本人は経験談のつもりでも、聞かされる側からすると苦労マウントに聞こえる。
昔の残業時間。
昔の飲み会。
昔の上司の理不尽さ。
昔の職場の厳しさ。
それらを並べられても、若手からすると、
「で?」
である。
今の悩みを話しているのに、過去の苦労で上からかぶせられる。 今のしんどさを言っているのに、「俺の方がしんどかった」と返される。
これがうざい。
昔話が嫌なのではない。 自分のしんどさを軽く扱われる感じが嫌なのだ。
人は、自分の苦労を「無駄だった」と認めたくない
では、なぜおっさんは若手に苦労マウントを取ってしまうのか。
僕は、ここに一番大きな理由があると思う。
人は、自分が耐えてきた苦労を「無駄だった」と認めたくない。
昔の働き方は、今の価値観で見るとかなりおかしい。
長時間労働。
休日出勤。
飲み会の強制。
上司の理不尽。
謎の根性論。
意味不明な上下関係。
当時はそれが普通だったのかもしれない。
でも今の感覚で見ると、
「いや、それ普通におかしくないですか?」
となるものが多い。
ただ、それに耐えてきた人たちからすると、その一言はけっこうきつい。
なぜなら、自分の若い頃の頑張りが、急に別のものに見えてしまうから。
努力ではなく、搾取。
根性ではなく、洗脳。
成長ではなく、我慢。
武勇伝ではなく、被害報告。
そう見えてしまう。
これは、けっこう残酷だと思う。
20代、30代の大事な時間を削って働いた。 理不尽にも耐えた。 飲みたくもない飲み会に行った。 家族や自分の時間を犠牲にした。 それでも「これが社会人だ」と思ってやってきた。
なのに、時代が変わって、
「あれ、別に美徳じゃなかったよね」
「むしろ非効率だったよね」
「普通にブラックだったよね」
と言われてしまう。
そうなると、自分が積み上げてきたものが揺らぐ。
だから彼らは言う。
「いや、あれがあったから今がある」 「昔はみんなそうだった」 「今の若いやつは恵まれている」 「俺たちはもっと大変だった」
そうやって、
若手に昔の苦労を語ることで、自分の過去を守っている。
「俺は無駄に苦しんだわけじゃない・・・!」
「俺たちの時代は間違っていなかった・・・!」
「俺はちゃんと頑張ってきた・・・!」

そう確認している。
つまり、「俺たちの若い頃は」は、若手への説教に見えて、実は自分への慰めでもある。
(かわいそう)
昔話が多い人ほど、今の自分で勝負できていない
そして、もう一つある。
昔話が多い人ほど、今の自分で勝負できていない。(つまり雑魚)
これはかなり残酷だけど、わりと本質だと思う。
本当に今の仕事で信頼されている人は、あまり過去の武勇伝を語らない。
今の判断で尊敬される。 今の言葉で納得させる。 今の行動で背中を見せる。 今の成果で周りを黙らせる。
だから、わざわざ「昔の俺」を引っ張り出す必要がない。
逆に、昔話が多い人ほど、今の手札が弱い。
今の成果で語れないから、昔の残業時間で語る。 今の人望で勝てないから、昔の修羅場で語る。 今の仕事ぶりで尊敬されないから、昔の苦労で自分を大きく見せる。
要するに、過去を語っているようで、実は今の自分の空白を埋めている。
これが一番痛い。
「昔はすごかった」
「昔は大変だった」
「昔は俺も無茶していた」
そう語れば語るほど、聞いている側は思う。
今は?
と。
もちろん、昔の経験に価値がないわけではない。 長く働いてきた人にしか見えないものもある。 修羅場をくぐった人の判断が役に立つこともある。
でも、過去の経験は、今に翻訳されて初めて価値になる。
「昔はこうだった。だから今ならこうした方がいい」
ここまで言える人の話は聞きたい。
でも、
「昔は大変だった。だからお前らは甘い」
で止まるなら、それは経験談ではない。ただの老害ムーブである。
若手が聞きたいのは、昔のあなたではない
職場の若手や後輩が本当に聞きたいのは、昔の苦労話ではない。
今の仕事をどう進めればいいのか。
理不尽な上司とどう付き合えばいいのか。
この会社でどう立ち回ればいいのか。
キャリアをどう作ればいいのか。
そういう話だ。
若手が聞きたいのは、「昔のあなた」ではない。
今の時代に使える話である。
ここを間違えているおっさんは多い。
本人は、良い話をしているつもりなのかもしれない。
自分の経験を伝えているつもりなのかもしれない。
若手のために言っているつもりなのかもしれない。
でも、聞かされる側からすると、
「昔は大変だった」
「俺は耐えた」
「お前らは楽だ」
という話は、何の役にも立たない。むしろ、今のしんどさを否定されたように感じる。
たとえば、若手が残業で疲れているときに、
「俺たちの若い頃はもっと残業してた!」
と言っても、何も解決しない。
その人の仕事量が減るわけでもない。 業務設計が改善されるわけでもない。 キャリアの見通しが立つわけでもない。 気持ちが軽くなるわけでもない。
ただ、
「はぁ、この人に相談しても無駄だな…」
と思われるだけである。
本当に価値がある大人は、そこで昔話をしない。
「それはきついな」 「今の仕事量なら、ここを調整した方がいい」 「上司にはこう伝えた方がいい」 「その状態が続くなら、環境を見直した方がいい」
そうやって、今の状況に使える言葉に変換する。
過去を語る大人より、今に翻訳できる大人の方がかっこいい。
昔話は、今に翻訳されて初めて価値になる
とはいえ、昔話をしたくなる気持ちはわかる。
人は年齢を重ねるほど、自分の人生を誰かに確認してほしくなる。
自分が何をしてきたのか。 何に耐えてきたのか。 どこで頑張ってきたのか。 どんな時代を生きてきたのか。
それを話したくなるのは、たぶん自然なことだ。
だから、昔話をするなとは思わない。
ただ、職場で語るなら、その話を今に翻訳する必要がある。
「昔はこうだった。でも今は違う」
「自分たちはこうやって失敗した。だから今はこうした方がいい」
「当時は耐えるしかなかったけど、今なら逃げる選択肢もある」
ここまで言えたら、昔話は価値になる。
過去の苦労は、ただ語るだけなら自慢か愚痴で終わる。 でも、今の誰かに使える形に変えられた瞬間、それは経験になる。
逆に、
「俺たちの若い頃はもっと大変だった」
で止まるなら、それは経験談ではない。ただの自己弁護だ。
自分の過去を肯定したいだけなら、職場でやらない方がいい。
そういう話は、おっさん同士が居酒屋で勝手にやってくれ。
仕事やキャリアについて、こういう「職場の違和感」をよく言語化しています。面白かったら、他の記事も読んでみてください。
フォローしてもらえると、また似たような本質っぽい話を書きます。
2026年になったので、改めまして自己紹介
— ハリー|自分軸キャリア開発 (@Barry_teizi55) December 31, 2025
【2013.7】新卒3ヶ月で退職
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【2013.8】ゲーセンでバイト
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【2013.10】ハロワに通う
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【2013.11】クソ相談員でメンタルやられる
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【2014.2】飲食店の正社員に
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【2015.5】おつぼねとバチって退職に追い込まれる
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【2015.6】カラオケ店でバイト
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