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【#46】映画memo『エディントンへようこそ』

スキマからこんにちは。
 
「今週は劇場に行けないかも」などと言っていた邦画野郎(おばさんです)が、アリ・アスター監督の作品なんぞ観てきました。
 
観ている間も観終わった後も「何を見せられているんだろうか」という気持ちになったのだけれど、あれ、でも後から考えると結構面白かったのか?と思いながら書いていきます。
 
アリ・アスター監督最新作
『エディントンへようこそ』
 
※展開がわかることが嫌な方は、鑑賞後にお読みいただけるとうれしいです。

あらすじ

物語の舞台は2020年、ニューメキシコ州の小さな町、エディントン。コロナ禍で町はロックダウンされ、息苦しい隔離生活の中、住民たちの不満と不安は爆発寸前。保安官ジョー(ホアキン・フェニックス)は、IT企業誘致で町を“救おう”とする野心家の市長テッド(ペドロ・パスカル)と“マスクをするしない”の小競り合いから対立し「俺が市長になる!」と突如、市長選に立候補する。ジョーとテッドの諍いの火は周囲に広がっていき、SNSはフェイクニュースと憎悪で大炎上。同じ頃、ジョーの妻ルイーズ(エマ・ストーン)は、カルト集団の教祖ヴァーノン(オースティン・バトラー)の扇動動画に心を奪われ、陰謀論にハマっていく。
エディントンの選挙戦は、疑いと論争と憤怒が渦を巻き、暴力が暴力を呼び、批判と陰謀が真実を覆い尽くす。
この先はあるのか? エディントンの町と住人は誰も予想できない破滅の淵へと突き進んでいく。
暴力、陰謀論、SNSの暴走がすべてを焼き尽くす“炎上スリラー”エディントンへようこそ。

公式サイトより

一周まわって面白いのかも

最初の方は正直だるい(アスター監督が編集であえてそのようにしている様子)。
主人公ジョーと市長テッドの“マスクする・しない論争”が終わってからは「これ笑って観てればいいんですか?」みたいになってしまい、共感できる人が0パターン(え、『バーン・アフター・リーディング』再び?)なので、面白くないヤツなのかも…またハズレ引いたかも……と思っていました。
 
3つ隣に座っている男性はポップコーンむしゃむしゃ食べながら、時折バカ受けしていて(お前ん家のリビングじゃないんだから、そんな声出さないでくれよ)、後半前のめりで観てるし、映画よりお前の方が気になっちゃうんですけど!って状態だった。
 
それは置いといて、直後は「よくわからんな」だったんですよね。
でも、後半の40分ぐらいは「これどうなるの、どうなっちゃうの?」という感じで予測不能なところが面白かった。
 
あと私は大真面目なお葬式でいろんな人がやらかしていて笑えてくる、みたいな場面が好きなのですが(趣味悪いかよ)、この映画もそんな印象がありました。
物語の渦中にいる人間に大事件が起きていて、“真剣になればなるほど笑えてくる”というのは『ワン・バトル・アフター・アナザー』でも同様です。
 
そうか。私はこういう映画が好きなのかw

ぶっ壊れているのは誰か

とにかく登場人物みんな変。ジョーは真剣だけど、市長にビンタをくらってからスイッチ入っちゃうのは意味不明よねw いや、ホームレスは確かに鬱陶しかったけれども。
 
プッツン嫁・ルイーズのお人形作りとカルト傾倒も怖いし、ずっと訳わからんことを言っている、その母も怖すぎ。
 
あれって、結局、母が企業に買収されていて、最初からジョーがターゲットにされて仕組まれていたってことなのか? 似たようなことが現実にあるんだとしたら恐ろしいし、それを描いちゃう監督の性格、私が言うのもなんだけど、歪みすぎてない?w
 
心の弱い人につけこんで、洗脳していくヴァーノンも何がしたいのやらよくわからないし(私がヴァーノンだったら、あんなプッツン女は嫌だからもう少しまともそうな人を選ぶ)。
 
市長が一番まともかな、とか思ったりもしたけど、そもそもムキになりすぎだし、ジョーにちゃんと接していればこんなことにはならなかったわな。やられる側にもそれなりの理由はある。息子はザ・バカ息子だし。
 
BLM運動に精を出す、グレタみたいな白人女子も申し訳ないが意味不明だしね。彼女に感化されて食卓で意見を言ったら、父親に「お前は白人だ。バカなのか?」って白人男子が言われるところ、面白かったw
 
でも、みんなそれぞれの立場があって考え方も違うけど、一緒にやっていくしかないっていう監督の思いはしっかり伝わってきました。

ホアキンの“ぷるぷる”は一見の価値アリ

市長にビンタされて驚きと屈辱でぷるぷるしちゃうジョー、おずおずと市長とのいざこざを妻に尋ねようとするジョー、攻撃から逃げ惑うジョー……。
本当にジョーが存在していて、それを私たちがドキュメンタリーを観ているかのようにお芝居できるホアキン・フェニックスってすごい。
 
『ジョーカー』も『ナポレオン』もそうでしたね。誰かが演じている〇〇っていう感じではなく、その人がそこにいるかのように思わせてくれちゃうので、私たちはあなたをずっと楽しみに観ちゃうんだよな。

あ、股間はしまっておいてくれても大丈夫だYO。

fuckin idiot多すぎ問題

デパートの通路の真ん中でメイクを始めるヤツ、道の真ん中で自撮りを始めるヤツ、スマホを見ながら歩くヤツ、キャリーケースを引きながら駅や道の真ん中をゆっくり歩くヤツ、3~4人で歩道を塞いで歩くヤつら、バスの中でイヤホンつけたまま奥につめないで突っ立っているヤツ、自分の頭で物事を考えないヤツ……。
 
はっきり言うて(あぁ『シナントロープ』も終わってしまう)、日本にも相当ヤバい輩が増えてきましたが、アメリカも大変そうだね、の一本でした。
大量の情報に踊らされ、スマホに支配され、AIにも支配されて思考を奪われているのは国関係なく世界共通のことなので、ここらで立ち止まる必要があるのかもしれないですね。
 
そんなわけでいろいろ考えさせられたので、やっぱり面白かったということでしょう。
 
とはいえ、これはエンタメ。ドキュメンタリーではないから、残酷な現実だけ見せるのではなく、やっぱりどこかで救いを持たせてやらないと、いつまでも観客はついてこないかもよ?とは思いました。
 
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