Geminiでメンタルヘルスの悩みに答えてくれるネコのヒーローをつくることはできるのか? 10時間の格闘の末に…(エッセイ / 創作大賞 / 生成AI)
【この記事でわかること】
・自作のオリジナルキャラを生成AIで再現する方法
・キャラが自然に受け答えするための作り込み方
・読者様に向けてQAのサービスを提供する方法
ピンチのときに助けてくれる無敵のヒーロー。
そういうヒーローにそばにいてほしい。
普段から考えているわけではありませんが、その想いは常に無意識下にある気がします。
というのも、作品を書いていると、自然とそういうキャラが出てくるのです。これなんてすごく直接的。
真実。
はたして真実とはなんでしょうか――。
にゃー。
それは「ネコ」でしょうか?
「動物」でしょうか?
「鳴き声」でしょうか?
そう、どこをどう切り取るかによります。
真実が誰かに切り取られるものならば、わたしはカッコよくて、美人で、仕事のできる、完全無欠のヒーローにお願いしたいと思うのです。
さくらさん。
わたしの大好きなトリミングファイターに!
いっけん爽やかな作品ですが、読み進めていくと語り手の妄想日記に近いことが見えてきます。震えてくださいませ。
ヒーローは人間に限りません。
わたしが創った最強のヒーローは、ネコなんじゃないかと思います。
この手書きのイラストを見てください。

これは、オリジナルキャラクターのタビネコさんです。かなり前に書いたもの。
少しだけ当時の話をさせてください。
……………………
小説なんて、書けるわけがないと思っていた。
あんなのは才能に恵まれた一部の人が書くものだ。
試しに何か書こうと思ったら、三行も書けず「ほらね」と思った。
数か月放置したあと、アプローチを変えてみた。
小説を書こうとするから書けないのであって、興味のあることを書き連ねてみたらどうだろう?
すると文章量が増えてきた。
ただ、これは文章ではあっても、物語ではない。
そうだ、ネコに語ってもらったらどうだろう? 各話をつなぐ必要もあるから、ミステリー要素も加えてしまえ。
こうして生まれたのが「タビネコのリラックス至上主義」です。
早くGeminiの話に飛びたい方は下の目次をクリックしてくださいませ。(リラックス科の)ネコが出てくるオリジナル作品があることだけ覚えていただければ大丈夫であります。
【続きを読んでくださる方はこちら】
タイトルのとおり、リラックスについて語ったお話です。
内容はめちゃくちゃ。
リラックスをめぐって、人の心の中で、3匹の白ネコさんと3匹のワルネコさんがバスケで争っているというもの。
思いつきで、霊性に導かれて書いており、医学的なエビデンスがあるわけではありません。
「その辺、大丈夫かしら……」と当初から気になっていましたが、ネコのリラックスなので、人から見たら無理があるくらいがリアルだろうと許容しました。
時は流れ、昨年、意を決してTALESにアップすることに。
捨ててしまうにはあまりに惜しいからです。とにかくエネルギーがある。一作目でなければ出せない魔力がある。
今の技量をもって作品の力を制御できれば、名作になるのでは?
ミスリードしないように申し上げますと、「最初に書いた作品で小説家デビューしそうになった」というのは、最初に仕上がった作品を指しており、本作の次の作品です。
予想はしていたけれど……、たいへんでした。難工事でした。
エピソードを丸ごと削ったり、読んだ人が嫌にならないように言葉の強さを調整したり……。
涙目でなんとか形にしたけれど、本当に大丈夫なものになったのか自信がない。
今年、もう一度全体を書き直してみたときに、ようやく客観的に面白いと思えるようになりました。
作者の気持ちは外に伝わるものなのでしょうか。
なんと、推薦レビューをふたつもいただました!(詳細はこちら)
抜粋してご紹介させてください。
ハイファンタジーの名手、星乃水晴(すばる)さんより
タビネコさんに会いに行く
「とても不思議な物語です。 一面の砂浜。どうやら「ぼく」は死んだらしい。そして現れる「タビネコ」さん。」
「ところが物語の結末は予測のつかないものであり、最後は思わず一気読みをしてしまいました。胸と目頭が熱くなり、それまでの砂浜での「リラックス至上主義」を思い出し、あの不思議な時間をなつかしく思い、しみじみとページを閉じる……。」
ねこがトレードマークの人気noter、YeKuさんより
辛い日々を送っているあなたにこそ、「リラックス至上主義」
「ミステリー。友情。心の痛み。社会の生きづらさ。 重いテーマが交錯しつつも、「タビネコさん」のとぼけたキャラクターが「スーハ―」と息をさせてくれるようで、引き込まれる物語でした。」
「二人に会えなくなるのは寂しくなるけれど、この物語に出会えて、幸せでした🍀」
無からはじまった創作の旅が、紆余曲折を経て、人様の心の中に着地するなんて、ありがたさを通り越して奇跡です。ハッピーエンドです。
ここが終着駅でもいいのですが、まだその先に行けると思っています。現代には生成AIがあるからです。
作品は7.7万字もありますから、Geminiの力を使えば、皆さまのお悩みにOne to Oneで答えることのできるネコをつくりだせるはず!
この先、オリジナルキャラをお持ちの方は、そのキャラに置き換えて読み進めていただくと、より楽しめると思います。
Geminiでタビネコは再現できたのか?
そんなに難しくないと思っていた。
むしろ、かなりうまくいくと思っていた。
というのも、Geminiでつくった岡本太郎軍団の成功例(?)があるから。
コメント欄で相談すると、師団長たちがアートパワーで叱咤激励してくれます(現在も動いてますので、ぜひ遊んでみてください)
つくりかたは、Geminiにサービスのコンセプトを説明して、岡本太郎記念館で撮ってきた写真や解説の画像をインプットしただけ。
これで十分機能してくれるのだから、自分の作品を7万字もインプットしたら、それ以上のものができるはずと思うのは当然でしょう。
7万字インプットはかなり大変だった。
エピソードをひとつひとつ開いて、テキストをコピペする作業を50回以上繰り返した(もっと簡単に受け渡しする方法があるのかしら?)。
それでも、これくらいの手間でAIタビネコがつくれるなら安いものだと思った。
Geminiも「これでばっちりだよー」と言った。
しかし!
まさかだった。
まったく使い物にならない。
タビネコはこんな話し方をしない。
説明がくどすぎる。わかりにくい。
作中に出てきた言葉しか使わない。
この徒労感と言ったらなかった。
さらに……
このAIが完成するものと信じて、noteの記事も書き進めていたのに、ぜんぶ没になるのか!

生成AIによる世界の拡張方法
冷静に考えるとシンプルな課題が浮かび上がってきた。
データ量が圧倒的に足りない。
岡本太郎軍団が機能したのは、AIの学習データが外部に膨大に存在したからだ。つまり、オープンソースが活用できる。

いっぽう、個人が書いた作品なんてクローズドの極み。
感覚的には、20万字の作品だったとしてもキツイと思う。
世界を、大胆に拡張する必要がある。
Geminiに拡張方法を相談したところ、3つの方向性が提示された。
一般的なネコの特性を導入する(⇒ 主人公の属性を拡張)
ネコが旅してきただろう場所を、想像で加える(⇒ 主人公の過去を適当に追加)
「タビネコのリラックス」を一般的なリラックスにまで広げる(⇒ 物語のフレーム部分を拡張)
この拡張方法、皆さまだったら耐えられますか?
設定を勝手にアレンジされるのは、けっこうキツイものがあるのではないかと思う。
が、ひとつでも許容できるものがあったらラッキー。
わたしはタビネコの過去に興味がないというか、「彼にもいろいろなことがあったんだろうなー」くらいにしか思わないので、2番の方法にはOKを出すことができた。
簡単な修正指示と(例:相談者を「あんた」呼ばわりするので、「相談者さん」と呼びなさいと言った)、作品のオートマチックな拡張で、それなりの受け答えをしてくれるようになった。
ただ、相談者からしたらおもしろみがない回答だと思う。
Geminiは育てていくものだ(プロンプト付)
オリジナルのAIをつくるには、正攻法しかないのだと思い知った。
「生成AIの開発には学習データが重要」とは、これまで何度も聞いたことだったが、どこか他人事だった。まさか、これが自分の身に降りかかるとは思いもしなかった。
学習データは、作者が考えて積み上げていくしかない。
たとえば、こんな感じ。
【プロンプト】
質問とその回答例を書きますので学習してください。
相談者さんより:
タビネコさんに相談です。ときどき不要な転職を繰り返してしまう悪夢を見ます。どうすれば心安らかになれますか?
回答例:
もうそうさんが夢の中まで出てきてますにゃ。
日中に倒してくださいにゃ。
ミーコに転職の怖さはわからないにゃ。
でも、新しい世界を旅するのは悪いことじゃないと思いますにゃ。
回答のポイント:
ネコの言葉なので、なるべく短く切ってください。
作品の言葉で「モー・ソーさん」とすると初見の人が理解できないので、「もうそう」とひらがな表記にするくらいにして。
相談者の話を突き放しつつ、別の角度からフォローするのがポイントです。
こういうデータを角度を変えながらインプットすると、どんどん精度が上がっていくようだ。
――いくつくらい必要なの?
Geminiに聞いた感じだと、5個くらいから成果が出る模様。(多ければ多いほどいいのでしょうが、100単位じゃなくてほっとしました……)
読者さんからの質問の受付方法
これは岡本太郎軍団の企画からの学びなのですが、「noteのコメント欄に質問や悩みごとを書いて」はけっこうハードルが高いと思われます。
(コメントしてくださった優しい皆さま、本当にありがとうございます!)
「マシュマロ」などのサービスを使って、匿名で質問を受け付けるのがよさそうです(マシュマロは、誹謗中傷コメントを自動的にカットしてくれるサービスでもあります)。
マシュマロで受け付けた質問を、ときどきnoteで回答するのがよいでしょう。
どうでしょうか?
これで、自作のオリジナルキャラをGeminiで再現できます。読者さんから質問を受け付ける仕組みをつくれば、エンゲージメントもばっちり。
覚悟を決めれば、こなせない工数ではありません。
ぜひ自分の作品を最大限に活用してください。
それでは。
――あれ、君はこのサービスを完成させないの?
なんといいますか、

疲れすぎた。
この記事を書くのも含めて10時間くらい使ったよ。
もう普通にこの作品読んでください。
おしまい。

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