穀雨|やがて芽吹く、その時を信じてみる
春のそぞろ雨が、田畑を潤している。きょう20日は、二十四節気の「穀雨(こくう)」。穀物の成長に欠かせない恵みの雨は、農作業が本格化している北の大地に染み込み、黒い土はしっとりと汗ばむように湯気を立てる。3月の風と4月の雨が交じり合い、やがて美しい5月を生む――そんな季節の通り道だ。
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桜前線はいま、東北の各地を駆け、津軽海峡越えをうかがう。海辺から高原へ、気温を手繰りながら北上する姿は、直線というより曲線を描く。自然が示す遠回りは、急がずとも届くという助言のよう。
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雨に打たれるままの田畑に目を凝らすと、畦(あぜ)が青みを帯び始めた。雪を肥やしに変え、野焼きを終えると、やがて土を軟らかくすき起こす「耕(たがえ)し」の時を迎える。
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農業に携わる人の手は、気温や風向きを読み取りながら、命の循環に寄り添う。豊凶を占う言い伝えが各地に残るのは、空と大地のわずかな変化を見逃さぬまなざしが、暮らしを支えてきた証しだろう。
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年度が替わって3週間。新しい環境に身を置く人の胸にも、雨雲のような不安が滞る頃かもしれない。だが田畑は、いま休みなく雨を受け入れ、種子は暗い土の中で静かに膨らむ。見えないところで進む成長を信じ、もうひと呼吸、腰を落ち着けてみたい。
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間もなく訪れるゴールデンウイークは、春と夏の境目に差す一条の光とも言える。その頃には、きょうの雨が若葉を押し上げ、遅い桜が北海道を染める。自分の歩幅で耕し、水をたたえ、時が来るのを待つ――そんな穀雨の作法を胸に、揺れる心の畦道を、ゆっくりと青くしていこう。


今金町住吉 Imakane 20250420
▽追記

見えるようになりました。映えるような美しさでした
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