【組織のAI活用#166】NotebookLMやカスタムAI(Gem)の「脳みそ」に何を入れるか。迷ったら、とりあえず本屋に行こう。
こんにちは!寺田です。
現在は、デジタル関連会社のAI推進者などのAI活用者のコミュニティである「AI Digital Community (ADC)」の代表理事や、顧客事業の「×AI化」をサポートするFURIKAKE Partners(株)と組織のAI活用を支援するプロダクトを提供するAI Portalize(株)の代表取締役を務めており、様々な側面から組織のAI活用をサポートしています!
また、直近までは法人向け生成AI&デジマ人材育成研修サービスD-Marketing Academy(株)の代表取締役やCARTA HOLDINGSのAI推進室で組織AI活用推進もしており、とにかくここ2,3年はAIでの実務活用支援にどっぷりとつかっております。
AIのナレッジに何を入れるか
ここ最近、仕事の現場で「カスタムAI」や「NotebookLM」といったツールを活用する機会が、劇的に増えてきたという印象です。 これまでは単に、AIとチャットをするだけでした。 ただ今は、独自のナレッジを読み込ませて、それに基づいて考えさせたり回答させたりするという使い方が、主流になりつつあります。
いわゆるRAGと呼ばれるような仕組みが、エンジニアでなくても、手元で簡単に構築できるようになったわけです。 これは、非常に大きな変化ではないかなと思っています。 もちろん、便利な機能ですが、こうして自分だけのAIが作れるようになると、多くの企業で一つの壁にぶつかります。
※NotebookLM運用の壁「ノートブック」の分け方については、こちらの記事もご覧ください。
「で、何を読み込ませればいいのか」という悩みです。 ということで、今回はこの「AIの脳みそ」となるソース選びに迷ったときの考え方と、意外な解決策について書いていこうと思います。
ナレッジは「社内」と「社外」に分けて整理する
AIに読み込ませる知識を考える際、ごちゃ混ぜにするのはおすすめしません。 まずは大きく2つに分類して捉えるのが、良いと考えます。 一つは、社内にあるナレッジです。
過去の議事録
社内規定やマニュアル
自社独自の業務フローやノウハウ
これらを読み込ませることで、AIは自社のことに詳しい新人スタッフのような動きをしてくれます。 イメージとしては、社内の事情をすべて把握している優秀なアシスタントのような存在です。
もう一つが、社外にあるナレッジです。
一般的なビジネスフレームワーク
専門分野の理論
世の中のトレンドや事例
社内の常識だけでなく、外の知見を取り入れることで、AIは外部コンサルタントや専門家のような視点を持つことができます。 そのうえで、社内のドキュメントを入れ終わった後に、次は何を作ろうかと手が止まってしまうことがあります。 これは、この社外ナレッジの選び方で迷っているケースが、ほとんどではないかなと思います。
本屋の棚はAIボットの「ナレッジ一覧表」
アイデア出しのために、既存業務を端から洗い出すのも一つの手です。 とはいえ、それは骨が折れる作業ですし、どうしても発想が今の業務の延長線上に留まってしまいがちです。 そこで強くおすすめしたいのが、本屋に行くことです。
何を作ればいいかわからないと迷ったら、PCの前で唸っていないで、近くの大きな本屋に行ってみるのが良いです。 というのも、本屋というのは、人類の知恵がジャンルごとに体系化され、パッケージングされている場所だからです。 実はあの本棚の並びこそが、どんな知識を入れたらどんな機能を持つAIが作れるかという、企画書の宝庫ではないかなと思っています。
本屋の端から端まで歩きながら、この本の知識が入ったAIがいたらどうなるだろう、と想像してみます。 例えば、SEO対策の棚の前に立ったとします。 そこにある専門書の目次や裏表紙を見ると、「キーワード選定」「競合分析」「リライトの極意」といった言葉が並んでいます。
仮に、この本に書かれているようなSEOの評価基準をAIに理解させれば、ブログ記事を貼り付けるだけでダメ出しをしてくれる、SEO編集長ボットが作れるなと思いつくわけです。 また、人事や評価の棚に行くと、「360度評価」や「目標管理」といった本があります。 これを見れば、評価理論のフレームワークをAIに教え込めば、部下へのフィードバック内容を入力するだけで言い回しを添削してくれる、評価面談アシスタントができるのではないかと考えます。
このように、本屋に行くと知識と機能がセットでイメージしやすくなるという印象です。 PCの前でゼロから考えるよりも、すでに体系化された本の背表紙を見るほうが、圧倒的に効率が良いのではないでしょうか。
AIが知らない「独自の視点」をソースにする
ただ、著作権については、しっかりと考慮しておく必要があります。 本屋に行けとは言いましたが、買ってきた本を裁断してスキャンし、そのまままるごとAIに読み込ませて外部に展開していくような行為は、著作権侵害になるリスクがあります。 あくまで、アイデアの種として活用するのが前提です。
最後に、ソースを作る際のちょっとしたコツをお伝えします。 本屋でヒントを得る際、一般的な用語の定義や有名な概念まで、わざわざソースとして用意する必要はありません。 理由としては、今のAIはすでに基礎的な知識を学習済みであることが多いからです。
ソースとして読み込ませる価値があるのは、AIがまだ知らない情報です。 つまり、その本独自の鋭い視点や、特定の文脈での活用法、そして最新のニッチな情報ではないでしょうか。 これはAIも知らなそうだなという部分をうまく抽出して独自のソースを作ることができれば、業務効率は間違いなく加速すると考えます。
まずは手元の情報を読み込ませ、迷ったら本屋へ足を運ぶ
まずはNotebookLMやカスタムAIを使って、手元の情報を読み込ませる感覚を掴んでみてください。 一言でいうと、実際に触って動かしてみることが一番の近道です。 結果的に、AIがどう反応するかを知ることで、次に入れたい情報が見えてきます。
逆に言うと、インプットの質を変えれば、アウトプットの質も劇的に変わります。 そして、次は何を入れようと迷ったら、ぜひ本屋へ足を運んでみてください。 そこには、あなたの仕事を助けてくれる未来のAIボットの種が、無数に並んでいるはずです。
※Webサイトの情報をAIの知識にするNotebookLMとGem連携については、こちらの記事もご覧ください。
まずは明日、帰り道や空き時間に、お近くの大型書店を少しだけ覗いてみてください。 ぜひ、本棚を眺めながら、自社の業務をアップデートする自分だけのAIの姿を想像してもらえればと思います。
読んでいただきありがとうございました!
過去のAI関連記事はこちらです!
ちなみに、組織におけるAIの推進についてまとめた本も出版させていただいております。もしよければご覧ください。
<自己紹介>
直近までは、電通グループに属する約1400人・20社以上の事業会社群で構成されるCARTA HOLDINGSにて、全社横断のAI推進室で組織全体のAI活用推進を担いつつ、法人向けの「生成AI&デジマ人材」研修サービスであるD-Marketing Academyの代表取締役も兼務し、大手企業からスタートアップまで、数百社にわたるAI人材育成を支援してきました。
現在は、デジタル関連会社のAI推進や担当コミュニティである「AI Digital Community (ADC)」の代表理事や、顧客事業の「×AI化」をサポートするFURIKAKE Partners(株)と組織のAI活用を支援するプロダクトを提供するAI Portalize(株)の代表取締役を務めており、様々な側面から組織のAI活用をサポートしています!
<略歴>
2005年 5月 大学在学時にEC事業を開始
2007年 5月 (株)サイバーエージェントに入社し新規事業の立ち上げに携わる
2011年 10月 (株)VOYAGE GROUPにてKDDIとの協業事業を行う(株)Flesselを設立し代表取締役に就任
2015年 11月 ECコンサルティング事業を行う(株)JSコンサルティングの代表取締役へ就任
2018年 4月 東証一部プライム企業Hamee(株)にJSコンサルティングをM&Aし、代表取締役を継続
2019年 5月 Hamee(株)の執行役員に就任し、Hameeグループの新規事業領域を管轄
2021年 2月 D2C支援を行うTHE CHOSEN ONE(株)の顧問に就任
2021年 3月 アパレルD2C事業を行う(株)NAAFYの取締役に就任
2021年 4月 D-Marketing Academy(株)を設立し代表取締役に就任
2023年 1月 (株)CARTA HOLDINGSにD-Marketing AcademyをM&Aし、代表取締役を継続
2025年 3月 CARTA HOLDINGSグループ全体のAI活用促進を行うAI推進室を兼務開始
2026年 1月 生成AIに関しての顧問を行うFURIKAKE Partners(株)を設立し、代表取締役に就任
2026年 1月 組織の生成AIプラットフォームサービスAI Portalize(株)を設立し、代表取締役に就任
2026年 1月 デジタル関連のAI活用企業コミュニティ「AI Digital Community(ADC)」を設立し代表理事に就任
