【組織のAI活用#212】Google Workspace Studioのスプレッドシート連携で表現わかりづらかったので、わかりやすく整理しました
こんにちは!寺田です。
現在は、デジタル関連会社のAI推進者などのAI活用者のコミュニティである「AI Digital Community (ADC)」の代表理事や、顧客事業の「×AI化」をサポートするFURIKAKE Partners(株)と組織のAI活用を支援するプロダクトを提供するAI Portalize(株)の代表取締役を務めており、様々な側面から組織のAI活用をサポートしています!
Google Workspace Studioは、スプレッドシートやGmailなどのWorkspaceアプリとGeminiを組み合わせて、ノーコードで業務フローを自動化できるツールです。
Google Workspaceの概要に関しての記事はこちら。
フローは「開始条件(トリガー)」と「アクション」を積み重ねて作っていきます。
ただ、スプレッドシートを連携させようとすると、「変更を監視する行を検索」「列ごとに新しい値を設定」といった設定項目の名前が直感的に分かりづらく、ここで手が止まる方が少なくない印象です。
今回は、スプレッドシート連携で登場する4つの設定項目を、「入力(トリガー)側」と「出力(書き込み)側」に分けて、具体例つきで整理してみました。
スプレッドシートは「入力」と「出力」の2つの場面で使いやすい
フローは「開始条件(いつ動くか)」と「アクション(何をするか)」で構成されます。スプレッドシートは、この両方に登場します。
入力側(開始条件):シートの変更を検知してフローをスタートさせる(例:シートの変更時)
出力側(アクション):フローの処理結果をシートに書き込む(例:行を更新)
入力側と出力側では、設定項目の意味合いが異なります。ここを混同すると設定でつまずきやすいので、順番に見ていきます。
なお、共通の設定として、どちらの場合もまず「スプレッドシート」欄で対象ファイルを、「シート」欄で対象のシート(タブ)を指定します。
また、列の指定はすべて、シートの1行目に入力した列名(ヘッダー)で行います。(そうしないように設定でなんとかもなりますが、少し手間がかからないので、この方法がおすすめです。)設定欄に「最初の行の名前」という補足が表示されるのはこのためです。
1行目には「社名」「ドメイン」のような列名を必ず入れておいてください。

トリガー側の設定1「変更を監視する行を検索」
フローを「いつ・どのデータでスタートさせるか」を決めるのが、開始条件「シートの変更時」の設定です。設定項目は大きく2つあります。

1つ目の「変更を監視する行を検索」は、「そもそも、どの行をチェック対象にするか」というターゲットの絞り込みです。
シートにデータがたくさんある中で、すべての行の変化を見るのではなく、条件に当てはまる行だけを監視対象にします。
「担当者」列が「自分」になっている行だけを監視する
「状況」列が「未処理」になっている行だけを監視する
すべての行を対象にしたい場合は、値を「すべて」に設定する
トリガー側の設定2「監視する新しい値を選択」
2つ目の「監視する新しい値を選択」は、「監視している行で、値が何に変わった時にフローを動かすか」という引き金の設定です。
監視対象の行において、特定の列が指定した値に書き換わった瞬間を検知して、フローをスタートさせます。
「優先度」列の値が「高」に書き換わった時にフローを動かす
「実行可否」列の値が「OK」に書き換わった時にフローを動かす
つまり、「変更を監視する行を検索」で対象の行を絞り込み、「監視する新しい値を選択」で発火の瞬間を決める、という2段構えの設定です。
「どの行の」「どの列が」「何に変わったら」動くのか、と読み替えると迷いにくくなると思います。
書き込み側の設定1「更新する行を検索」
次は出力側です。フローの途中で「シートのどこに・何を書き込むか」を決めるのが、アクション「行を更新」の設定です。こちらも設定項目は2つあります。

1つ目の「更新する行を検索」は、「データを書き換えたいのはどの行か」という宛先の指定です。
シートにある多数の行の中から、上書き・追記したい特定の行を、条件を指定して探し出します。
「社員番号」列が「1234」になっている行を探す
開始条件でトリガーとなった行と同じ行を探す
書き込み側の設定2「列ごとに新しい値を設定」
2つ目の「列ごとに新しい値を設定」は、「見つけた行の、どの列にどんな新しいデータを書き込むか」という中身の指定です。
書き込む値には、固定の文字だけでなく、前のステップで生成されたデータ(変数)も選べます。ここがAI連携の肝になる部分です。
見つけた行の「ステータス」列を、「完了」という文字に書き換える
見つけた行の「リサーチ結果」列に、前のステップでAI(Gem)が生成した回答を書き込む
つまずきやすいポイント
最後に、実際に作るときにつまずきやすいポイントもまとめておきます。
列の指定は1行目のヘッダー名で行われます。1行目が空になっていたり、フロー作成後に列名を変更したりすると、条件が意図どおりに動かなくなります
「行を更新」でトリガーに使っている列そのものを書き換えると、その変更が再びトリガーとして検知され、意図しない連続実行につながる可能性があります。トリガー用の列と書き込み用の列は分けて設計するのが安全です
トリガーの値は表記に忠実に判定されます。「OK」と「ok」、全角と半角のような表記ゆれがあると検知されない場合があるため、入力する値はルールとして統一しておいてください
フローを作成したら、いきなり「オンにする」のではなく、「テスト実行」で1回動かして結果を確認してから本稼働させると安全です
困ったら「どの行」「どの列」「何の値」と考える
スプレッドシート連携の設定は、入力側の「変更を監視する行を検索(どの行を見るか)」「監視する新しい値を選択(何に変わったら動くか)」、出力側の「更新する行を検索(どの行に書くか)」「列ごとに新しい値を設定(どの列に何を書くか)」の4つを押さえれば読み解けます。
設定画面で迷ったら、いま聞かれているのは「どの行」「どの列」「何の値」のどれなのかを考えてみてください。
項目名の分かりづらさに惑わされる必要はありません。ぜひ、簡単なフローから一度試してみていただければなと思います!
読んでいただきありがとうございました!
過去のAI関連記事はこちらです!
ちなみに、組織におけるAIの推進についてまとめた本も出版させていただいております。もしよければご覧ください。
<自己紹介>
直近までは、電通グループに属する約1400人・20社以上の事業会社群で構成されるCARTA HOLDINGSにて、全社横断のAI推進室で組織全体のAI活用推進を担いつつ、法人向けの「生成AI&デジマ人材」研修サービスであるD-Marketing Academyの代表取締役も兼務し、大手企業からスタートアップまで、数百社にわたるAI人材育成を支援してきました。
現在は、デジタル関連会社のAI推進や担当コミュニティである「AI Digital Community (ADC)」の代表理事や、顧客事業の「×AI化」をサポートするFURIKAKE Partners(株)と組織のAI活用を支援するプロダクトを提供するAI Portalize(株)の代表取締役を務めており、様々な側面から組織のAI活用をサポートしています!
<略歴>
2005年 5月 大学在学時にEC事業を開始
2007年 5月 (株)サイバーエージェントに入社し新規事業の立ち上げに携わる
2011年 10月 (株)VOYAGE GROUPにてKDDIとの協業事業を行う(株)Flesselを設立し代表取締役に就任
2015年 11月 ECコンサルティング事業を行う(株)JSコンサルティングの代表取締役へ就任
2018年 4月 東証一部プライム企業Hamee(株)にJSコンサルティングをM&Aし、代表取締役を継続
2019年 5月 Hamee(株)の執行役員に就任し、Hameeグループの新規事業領域を管轄
2021年 2月 D2C支援を行うTHE CHOSEN ONE(株)の顧問に就任
2021年 3月 アパレルD2C事業を行う(株)NAAFYの取締役に就任
2021年 4月 D-Marketing Academy(株)を設立し代表取締役に就任
2023年 1月 (株)CARTA HOLDINGSにD-Marketing AcademyをM&Aし、代表取締役を継続
2025年 3月 CARTA HOLDINGSグループ全体のAI活用促進を行うAI推進室を兼務開始
2026年 1月 生成AIに関しての顧問を行うFURIKAKE Partners(株)を設立し、代表取締役に就任
2026年 1月 組織の生成AIプラットフォームサービスAI Portalize(株)を設立し、代表取締役に就任
2026年 1月 デジタル関連のAI活用企業コミュニティ「AI Digital Community(ADC)」を設立し代表理事に就任
