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【組織のAI活用#192】Google Workspace StudioとGem,Notebook LMをつなげてAIワークフローを動かす

こんにちは!寺田です。

現在は、デジタル関連会社のAI推進者などのAI活用者のコミュニティである「AI Digital Community (ADC)」の代表理事や、顧客事業の「×AI化」をサポートするFURIKAKE Partners(株)と組織のAI活用を支援するプロダクトを提供するAI Portalize(株)の代表取締役を務めており、様々な側面から組織のAI活用をサポートしています!
また、直近までは法人向け生成AI&デジマ人材育成研修サービスD-Marketing Academy(株)の代表取締役やCARTA HOLDINGSのAI推進室で組織AI活用推進もしており、とにかくここ2,3年はAIでの実務活用支援にどっぷりとつかっております。

組織でのAI活用を行うに際の段階として、個人でのチャット利用からスタートし、ボット活用、一連のワークフローをAI活用して自動化、それを組織全体で行うところまでもっていくことで、効率化の影響や最適化の影響を高めていくことができます。

今回はその中でも、今まで難易度が少し高めだったAIを活用して一連のワークフローを自動化していくために活用しやすくなった「Google Workspace Studio」について書いていこうと思います。


専門知識がなくてもAIを仕事に組み込める時代

これまで、AIを使って複数の連続したタスクを自動で実行する際に、n8nやDifyといった、いわゆる「AIワークフローツール」を使いこなすことが多かったんじゃないかと思います。
これらのツールは非常に強力で、自由度も高いのですが、正直に言って導入のハードルが少し高いという印象です。
私自身の経験から言っても、こういったツールをある程度使えるようになるには、だいたい20~30時間ほどの試行錯誤が必要になる印象です。
通常業務がある中で、多くの現場のメンバーがこれを行っていくのは、ハードルが高いです。


参考:Google Workspace Studio画面


そこで注目したいのが、この「Google Workspace Studio」です。
一言でいうと、「Google Workspace全体のタスクをAIで効率化するための司令塔」のようなツールです。
基本的な使い方をするのであれば、難しいプログラミングや、複雑なツールの設定を覚える必要はありません。
普段使っているGoogleの画面の延長線上で、簡単にワークフローを組んでいくことができるようになっています。
習得コストが高いツールに手を出して挫折するよりも、まずは身近な環境で「AIが勝手に働いてくれる感覚」を掴む。
これが、組織全体でAI化を進めるための、最も近道なアプローチではないかと考えています。

普段使っているツール同士をAIが自動でつなぐ

Workspace Studioの最大の強みは、Googleのエコシステムと完全に統合されている点にあります。
Gmail、Googleカレンダー、Googleドライブ、Googleスプレッドシート、Googleドキュメント。
これらのツールを、GeminiというAIが「ハブ」となって縦横無尽に繋ぎ合わせてくれます。


参考:Google Workspace Studio画面


自動化を始めるための「きっかけ(トリガー)」の選択肢を見てください。
メールを受信したとき、誰かがスペースに参加したとき、スプレッドシートが変更されたとき。
あるいは、Googleドライブに新しいファイルが追加されたときや、会議が終わったタイミングなど。
私たちの仕事が動く「瞬間」のほとんどが、網羅されていると言っても過言ではありません。
例えば、Geminiを法人契約している企業であれば、これらの機能を基本的なサービスとして利用できます。
新しく別のツールを契約したり、セキュリティの審査を通したりする手間を最小限に抑えられる。
これは、企業がAIを導入するうえで、非常に大きなメリットになるのではないかなと思います。
使い慣れたGoogleの環境だからこそ、操作に対する不安も少なく、スムーズに導入を進められるという印象です。

ワークフロー例でイメージをつかみましょう。

設定の大まかな流れ流れをみていくなかで、解像度をあげていきましょう。
例えば、GoogleMeetで録画された内容を自動で要約して、メールで飛ばすフローを考えてみます。

(1)開始条件を選ぶ

参考:Google Workspace Studio画面

まず、開始条件を選びます。
開始条件が画面の右部にあるように、タイマーセットや特定のメールが来た時、フォルダに特定ファイルが格納されたとき、スプレッドシートに情報が更新されたときなど、多くのものをから選択することができます。

参考:Google Workspace Studio画面

今回は、まず、画像にあるように、「会議の出力の準備ができたとき」を開始条件に設定します。

(2)ステップを追加していく

次に、開始条件で取得したデータをどのようなステップでどういう処理をしていくかを設定していきます。

参考:Google Workspace Studio画面

ステップは下記の様に大量に用意されているので、多くの業務のステップ化に対応可能です。


1. AI アクション(Gemini / Gem への相談・質問)

AI を使用してコンテンツの作成、推論、変換、情報の整理を行います。

  • 未読メールを要約

  • 抽出

  • 決定

  • 要約

2. ツール

フローの制御やデータの絞り込みを行う基本機能です。

  • 条件分岐 (arrow_split)

  • フィルタ (filter_list)

3. NotebookLM

  • NotebookLM に質問

4. Gmail

メールの閲覧、管理、作成に関するアクションです。

  • メールで通知する

  • メールの下書きを作成する

  • 返信を下書き

  • メールをアーカイブする

  • 既読にする / 未読にする

  • ラベルを追加 / ラベルを削除

  • メールにスターを付ける / スターを外す

5. Google Chat

  • Chat で通知する

6. Google スプレッドシート (Sheets)

データ行の操作や情報取得を行います。

  • 行を追加

  • 行を更新

  • 行をクリア

  • シートのコンテンツを取得

7. Google ドライブ (Drive)

ファイルやフォルダの管理を行います。

  • フォルダを作成する

  • メールの添付ファイルをドライブに追加

8. Google カレンダー (Calendar)

  • 時間のブロック(予定の確保)

9. Google ドキュメント (Docs)

  • ドキュメントを作成

  • ドキュメントに追加

10. Google ToDo リスト (Tasks)

  • タスクを作成する


ステップ内のアクションでは、変数という概念があります。分かりやすいイメージでいうとバケツリレーのようなもので、1つ前の工程で抽出したデータなどを次の工程に渡すためのもので、下記画像にあるように、メールを受信した際に取得したメールの本文などを「ステップ2のアクション」にいれることができます。

これを繰り返していくことで、ステップ間で情報のやり取りをしていくイメージです。

参考:Google Workspace Studio画面


これを繰り返していき、メール受信からGeminiが要約、メール送付のワークフローを作ります。
※下記の例では、ステップ2で要約を作り、ステップ3でメール本文を生成して、ステップ4にそれらを入れています。

参考:Google Workspace Studio画面

ざっくり説明するとこんな感じですが、自身で触ってみた方が解像度が高まりますので、是非画面を開いて触ってみてください。
思ったほど難しくないはずです。

GemやNotebookLMを組み込める

Gemというのは、特定の役割や知識を持たせた自分専用のカスタムAIボットのことです。
例えば、「優秀な議事録作成アシスタント」というGemをあらかじめ作っておけば、会議の文字起こしをそのGemに放り込むだけで、要約が出来上がります。

※NotebookLMとGemを連携させた専用AI構築については、こちらの記事もご覧ください。

つまり、自分が作っておいたカスタムAIボット(Gem)をワークフローに組み込めることで、それらをつなぎ合わせて、複雑なことを自動で発動、実行することができるようになります。

※組み込めるGemは全てではなく一部制限があります。
※Notebook LMもつなぎこめますよ。


これまでは、作成したAIボット(GemやNotebookLMなど)は、チャット画面で個別に使うものでしたが、このように、AIボットを「モジュール」としてとらえ、つなぎ合わせることができます。

参考:Google Workspace Studio画面


AIワークフロー同士を連続で発動させることでより長い工程を自動化


例えば、会議の要約を作成するだけでなく、その内容をもとに「次のアクション」を提案させる。レポートを生成する。あるいは、特定のドキュメントと照らし合わせて、内容に不備がないかを確認させる。

1つのワークフローの出力をトリガーにして、次のワークフローを開始する。これを繰り返すことで、最初の1つの何かが起きると、直列だったり並列だったりで各ワークフローが動く世界をもう、作ることができます。

これまで単発で使っていたAIボットを、一つの大きな流れ(ワークフロー)として繋ぎ合わせる。
この「つなぐ」という行為こそが、これからのAI活用における最大のテーマになるはずです。
まずは、毎日繰り返しているルーチンワークの中から、一つだけでもいいのでGoogle Workspace Studioで自動化してみる。

「会議が終わったら、関係者に要約と次のアクション、提案が勝手にメールで届く」という体験を一度でもすれば、そこから先の活用アイデアは自然と湧いてくるものです。

さらに、連携できるツールや範囲、深さはアップデートとともに進化していくはずです。
今のうちから使い始め、自動化や効率化を体験しつつ、今後の拡張によりその成果を大きくしていきましょう!

※GoogleのAIサービスをワークフロー化する全体像については、こちらの記事もご覧ください。



読んでいただきありがとうございました!
過去のAI関連記事はこちらです!

ちなみに、組織におけるAIの推進についてまとめた本も出版させていただいております。もしよければご覧ください。


<自己紹介>
直近までは、電通グループに属する約1400人・20社以上の事業会社群で構成されるCARTA HOLDINGSにて、全社横断のAI推進室で組織全体のAI活用推進を担いつつ、法人向けの「生成AI&デジマ人材」研修サービスであるD-Marketing Academyの代表取締役も兼務し、大手企業からスタートアップまで、数百社にわたるAI人材育成を支援してきました。

現在は、デジタル関連会社のAI推進や担当コミュニティである「AI Digital Community (ADC)」の代表理事や、顧客事業の「×AI化」をサポートするFURIKAKE Partners(株)と組織のAI活用を支援するプロダクトを提供するAI Portalize(株)の代表取締役を務めており、様々な側面から組織のAI活用をサポートしています!

<略歴>
2005年 5月 大学在学時にEC事業を開始
2007年 5月 (株)サイバーエージェントに入社し新規事業の立ち上げに携わる
2011年 10月 (株)VOYAGE GROUPにてKDDIとの協業事業を行う(株)Flesselを設立し代表取締役に就任
2015年 11月 ECコンサルティング事業を行う(株)JSコンサルティングの代表取締役へ就任
2018年 4月 東証一部プライム企業Hamee(株)にJSコンサルティングをM&Aし、代表取締役を継続
2019年 5月 Hamee(株)の執行役員に就任し、Hameeグループの新規事業領域を管轄
2021年 2月 D2C支援を行うTHE CHOSEN ONE(株)の顧問に就任
2021年 3月 アパレルD2C事業を行う(株)NAAFYの取締役に就任
2021年 4月 D-Marketing Academy(株)を設立し代表取締役に就任
2023年 1月 (株)CARTA HOLDINGSにD-Marketing AcademyをM&Aし、代表取締役を継続
2025年 3月 CARTA HOLDINGSグループ全体のAI活用促進を行うAI推進室を兼務開始
2026年 1月 生成AIに関しての顧問を行うFURIKAKE Partners(株)を設立し、代表取締役に就任
2026年 1月 組織の生成AIプラットフォームサービスAI Portalize(株)を設立し、代表取締役に就任
2026年 1月 デジタル関連のAI活用企業コミュニティ「AI Digital Community(ADC)」を設立し代表理事に就任


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