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フルセグとワンセグって何? 「テレビが見れる」仕組みをわかりやすく解説!



スマホやカーナビでテレビを見るとき、「フルセグ」「ワンセグ」という言葉を聞くことがありますよね。

どちらも地上デジタル放送を見るための仕組みですが、画質や受信のしやすさには大きな違いがあります。

簡単に言うと、こんなイメージです。

フルセグ:めちゃくちゃキレイだけど、ちょっと神経質

ワンセグ:画質は荒いけど、どこでもつながりやすいタフなやつ!

もう少し詳しく見ていきましょう。


フルセグとワンセグの違いをサクッと理解

図1 フルセグとワンセグの特徴比較。フルセグは高画質を、ワンセグは受信の安定性を重視して設計されている。


フルセグは、家庭用テレビと同じような高画質・高音質の映像を楽しめる方式です。

その一方で、受信する情報量が多いため、移動中や電波の弱い場所では映像が途切れやすくなります。

ワンセグは、フルセグよりも画質や音質が低くなります。

しかし、受信する情報量が少ないため、電車や車で移動しているときや、電波の弱い場所でも比較的つながりやすくなっています。

つまり、両者の違いは単純な性能差ではありません。

* フルセグは、画質と音質を重視する
* ワンセグは、移動中の受信しやすさを重視する

という、目的の違いがあります。

最近の車載テレビや対応機器には、電波の状態に合わせて、フルセグとワンセグを自動的に切り替える機能もあります。

電波が安定しているときはフルセグで高画質の映像を映し、受信状態が悪くなるとワンセグへ切り替える仕組みです。

これを一般に、ハイブリッド受信などと呼びます。

常にどちらか一方を使うのではなく、その場所の電波状況に応じて使い分けることで、映像の美しさと途切れにくさを両立しているのです。


「セグメント」って何のこと?


地デジの電波の秘密!

さて、ここで出てくる「セグメント」とは、いったい何なのでしょうか。

セグメントとは、私たちが普段見ている地上デジタル放送の電波を構成する、小さな区画のようなものです。

イメージしてみてください。

地デジの電波は、例えるなら、13個の小さな部屋が横に並んだマンションのようなものです。

ワンセグは、その13部屋のうち、たった1部屋だけを使ってテレビを映しています。

使える部屋が少ないため、運べる映像や音声の情報量も少なくなります。

そのため、画質は荒くなりますが、受信側が処理しなければならない情報量も小さくなります。

一方、フルセグは、残りの12部屋をぜいたくに使っています。

広い部屋をたっぷり使えるため、多くの映像情報や音声情報を送ることができます。

だからこそ、フルセグでは高画質で、音もきれいなテレビ放送を楽しめるのです。

ただし、12部屋分の情報を十分に受け取れないと、映像が乱れたり、途切れたりすることがあります。

図2 地上デジタル放送は1チャンネルを13セグメントに分割して送信している。ワンセグは中央の1セグメントだけを利用し、フルセグは残りの12セグメントを利用して高画質・高音質を実現する。


このように、フルセグとワンセグは「どちらが優れているか」という関係ではありません。

どのような場所で、どのようにテレビを見るのかに合わせて役割分担された仕組みなのです。

フルセグは、多くの情報を使って高画質を実現する。

ワンセグは、情報量を小さくして移動中でも受信しやすくする。

同じ地デジの電波を使いながら、異なる目的に最適化されています。


日本の地デジ規格「ISDB-T」


このセグメント分割は、日本で開発・採用された地上デジタル放送規格「ISDB-T」の大きな特徴です。

ISDB-Tでは、1つのテレビチャンネルの電波を13のセグメントに分割しています。

そのうち、

* 中央の1セグメントを携帯端末向けの放送に使う
* 残りの12セグメントを固定受信向けの放送に使う

という構成を取ることができます。

携帯電話や小型端末でもテレビを見られるワンセグは、このセグメント分割の工夫から生まれました。

つまり、ワンセグは家庭用テレビ放送を単純に小さな画面へ映したものではありません。

最初から、

移動中の小型端末でもテレビ放送を受信できるようにする

という目的を持って設計された仕組みなのです。


ワンセグの「特別な部屋」


中央の1セグメント

13部屋のマンションで、ワンセグが使う「たった1部屋」は、全体の中央に配置されています。

この中央の1セグメントは、ほかの12セグメントとは別に、単独で取り出して受信できるように設計されています。

この仕組みを、技術的には部分受信と呼びます。

ワンセグ端末は、13セグメントすべてを受信してから必要な部分を選ぶわけではありません。

中央の1セグメントだけを取り出して、映像や音声を受信できます。

そのため、端末が処理しなければならない情報量を小さくできます。

ここで注意したいのは、ワンセグがつながりやすいのは、単に「中央にある電波だから強い」というわけではないことです。

ワンセグでは、中央の1セグメントだけを独立して受信できるだけでなく、移動受信に適した変調方式や誤り訂正などを設定できます。

つまり、ワンセグが電車や車の中でも比較的受信しやすいのは、

中央の1区画だけを、移動中でも受信しやすい形で独立して使えるように設計されているから

なのです。

マンションの例えで言えば、中央の1部屋が自然に頑丈なのではありません。

その1部屋だけを、ほかの部屋とは別に使えるように、最初から専用の入口や設備が用意されているようなものです。


フルセグは「情報量」を、ワンセグは「到達性」を重視する


フルセグは、12セグメントを使って多くの情報を送ります。

情報量が多いからこそ、高画質で高音質の映像を映せます。

しかし、多くの情報を正しく受け取るには、それだけ安定した受信環境が必要になります。

一方、ワンセグは1セグメントだけを使います。

送れる情報量は少なくなりますが、そのぶん受信に必要な帯域や処理量も小さくできます。

つまり、両者が重視しているものは異なります。

フルセグは、情報の豊かさを重視する。

ワンセグは、情報が届くことを重視する。

これは、同じテレビ放送でも、使う場所や目的によって求められる性能が違うからです。

家庭のテレビでは、多少端末が大きくても、高画質であることが重要です。

しかし、携帯電話や移動中のカーナビでは、画質が少し落ちても、映像が途切れずに届くことの方が重要になる場合があります。


たくさん送ることと、確実に届けることは違う


フルセグとワンセグの違いは、通信全体にも通じる考え方です。

多くの情報を一度に送れば、映像や音声はきれいになります。

しかし、多くの情報を送るほど、通信には広い帯域や安定した電波が必要になります。

反対に、送る情報量を減らせば、画質や音質は下がります。

その代わり、電波の弱い場所や移動中でも、最低限の情報を届けやすくなります。

つまり、

多くの情報を送ることと、
少ない情報を確実に届けることは、別の性能である

ということです。

フルセグは、できるだけ豊かな映像を送る仕組みです。

ワンセグは、必要最低限の映像を、できるだけ多くの場所へ届ける仕組みです。

だから、ワンセグはフルセグの単なる劣化版ではありません。

異なる環境に合わせて、別の性能を優先した放送方式なのです。


まとめ|フルセグとワンセグは役割が違う


フルセグとワンセグは、どちらも地上デジタル放送を見るための仕組みです。

しかし、使うセグメント数と設計の目的が異なります。

* フルセグは12セグメントを使う
* ワンセグは中央の1セグメントを使う
* フルセグは高画質・高音質を重視する
* ワンセグは移動中の受信しやすさを重視する
* 対応機器では、電波状況に応じて両者を自動で切り替えることがある

フルセグは、めちゃくちゃキレイだけれど、少し神経質。

ワンセグは、画質は荒いけれど、どこでもつながろうとするタフなやつ。

この違いは、単なる新旧や優劣ではありません。

きれいに届けるための仕組みと、
途切れずに届けるための仕組み。

フルセグとワンセグは、同じ地デジの中で、それぞれ違う役割を担っているのです。

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